モータースポーツの最高峰の「F1」や「ル・マン24時間レース」は多くの映画の題材となってきました。そうしたモータースポーツならでは激しいアクションやサーキットで火花を散らすドラマが見応えの、カーレース名作映画を5つ紹介します!
『グラン・プリ』モータースポーツ映画の最高峰
タイトルが示すとおり、モータースポーツの最高峰「F1グランプリ」を舞台にしたのが映画『グラン・プリ』(1966年)です。
『グラン・プリ』では、冒頭のモナコGPの場面の、ど迫力のカーレースシーンに目が釘付けになります。
モナコGPは通常レースが行われるサーキットではなくて、モンテカルロ市街地コースを舞台にすることで有名ですが、映画では実際のモナコGPの映像が使用されています。
道幅が狭く曲がり角も急な市街地をレーシングカーが猛然と走り抜けていきますが、それをレース・シーンために用意された20数台のカメラが撮影します。
こうした撮影技術によって、他の同ジャンルの映画を凌駕する臨場感のある映像を生み出しています。
また、スタート前のレーサーたちの表情を見せる画面分割などの編集技巧も秀逸で、カーレース映画の最高峰と言える完成度があります。
こうした激しい戦いが繰り広げられる一方で、この映画はレーサーたちと妻や恋人との関係は平穏ではないという、人間ドラマもきちんと描いているところが見事です。
そして、映画には日本から三船敏郎が本田宗一郎を彷彿させるキャラクターで登場するのも見所になっています。
『レーサー』テーマ曲のカッコよさに心惹かれる
世界三大レースのひとつと知られる「インディ500」をクライマックスに、アメリカ人ドライバーのフランク・キャプアの死闘を描いた作品が『レーサー』(1969年)です。
くつろぎながらレースと楽しむ観客と、命がけの勝負に挑むレーサーたちの対比が印象的な映像で映画は幕を開けます。
そして、この場面で流れるデイヴ・グルーシンによるテーマ曲のサウンドの素晴らしさに心が踊ります。
『レーサー』はレースシーンも素晴らしいのですが、全編に流れる音楽のカッコよさが何よりも印象的な作品になっています。
また、主人公のフランクは友情か恋人かという二択を迫られるのですが、ポール・ニューマンはこのフランクの悲哀を巧みに表現しています。
『栄光のル・マン』セミ・ドキュメンタリータッチの映像の迫力が魅力
ポルシェのレーシングドライバーとして、「ル・マン24時間レース」に挑むマイク・デラニー姿を描いたのが『栄光のル・マン』(1971年)です。
作品の魅力はドラマ性を排して、リアルリズムを重視したセミ・ドキュメンタリータッチの演出を貫いているところです。
映画の本物へのこだわりが特に発揮されているのが、実際の「ル・マン24時間レース」に参加して、作品用の映像を撮影しているところです。
ものすごいスピードでサーキットを駆け抜けていくレーシングカーの迫力は圧倒的で本物ならではの魅力に溢れています。
そうした本物のレースの映像と映画のために撮影した映像とを、巧みな編集によって織りまぜることで、まるでドキュメンタリーのような迫真性のある作品が誕生しています。
また、主演のスティーヴ・マックィーンは、過去に体験した悲劇を乗り越えて車を走らせるを主人公を好演しています。
寡黙で多くを語らないデラニー姿と、スティーヴ・マックィーンのドライビングテクニックの見事さには惚れ惚れさせられます。
そして、デラニーのポルシェとライバルのフェラーリとのレースでの駆け引きも、本物のモーターレースさながらの壮絶さがあり最後までハラハラさせられます。
『カーズ』レーシングカーを擬人化したアニメ
ピストンカップ新人チャンピオンを狙う、真っ赤な車体が特徴の新人レースカー、ライトニング・マックイーンの成長を描くピクサー作品が『カーズ』(2006年)です。
作品では主人公の名前があのスティーブ・マックィーンを彷彿させるところと、元伝説のレーサー・ドックの声をポール・ニューマンが担当しているところに目を引きます。
共にカーレース映画のレンジェンドとも言える存在で、作り手のマックィーン&ニューマンへのリスペクトを感じさせるのです。
映画では人工物である車を擬人化していますが、登場する車の一つ一つに性格的な味付けがうまくなされているので、キャラクターに自然と感情移入できます。
映像的にも、CGでしか表現できないカーレースシーンの映像が素晴らしく、ライトニング・マックイーンの躍動感のある動きが楽しいです。
また、劇中では、ライトニング・マックイーンが迷い込む街のラジエーター・スプリングスなど、古き良きアメリカ的な風景が描かれるのも魅力です。
そして、最初は傲慢な性格で勝てばそれで良しだったライトニング・マックイーンの人間的な成長が感動を呼びます。
『ラッシュ/プライドと友情』正反対の性格を持つ二人のレーサーを描く
1976年のF1世界選手権におけるニキ・ラウダとジェームズ・ハントのチャンピオンを巡る壮絶なライバル関係と友情を描いたのが『ラッシュ/プライドと友情』です。
映画の見所は、論理的な思考で理詰めのレースを展開する物静かなニキ・ラウダと、本能のままに車を走らせるプレイボーイのジェームズ・ハントとのキャラクターの対比です。
正反対の性格を持つ二人のドライバーが共にチャンピオンを目指す、キリキリするようなライバル関係が丹念に描かれており、人間ドラマとして実に魅力的な作品になっています。
ニキ・ラウダ役のダニエル・ブリュール、ジェームズ・ハント役のクリス・ヘムズワースは共に適役で二人の演技対決も胸を熱くします。
カーレース映画まとめ
カーレース映画を5つ紹介しました。
カーレース映画の最大の魅力は、やはりレーサーが体験するような大迫力のレースシーン再現する映像です。
臨場感のある映像を生み出すために、実際のレースの映像使ったり、撮影方法や編集の仕方にも技巧を使ったりと、素晴らしい映像を作り上げていきます。
また、命をかけて戦いに挑むレーサーたちの重厚な人間ドラマにも作り手は工夫を凝らしており、作品に奥行きを与えています。
ぜひ、カーレース映画をお楽しみください。
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