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目次
晋王・李定国(り・ていこく)は、清国に寝返った呉三桂(ご・さんけい)の軍勢に取り囲まれていた。今まさに明王朝の灯火が消えようとするなか、彼は皇太子の誕生に国家存続の望みをかけ、兵たちに城壁の死守を命じる。明の皇帝・朱由榔(しゅ・ゆうろう)も「赤子が娘なら、自らあの世へ旅立つ」と覚悟を決め、世継ぎ誕生の知らせを待っていた。やがて響いた運命の産声―皇后に付き添う侍医・樊離(はん・り)の腕の中には、女の赤子がいた。樊離はすぐさま赤子を連れて晋王妃のもとへ向かうと、直前に誕生した王子との交換を要求。こうして“偽りの皇太子”は皇帝とともに、城外へと逃げ延びたのだった。一方、呉三桂の攻め入った城内に残された“明朝最後の公主”は・・・。ヤン・ズー/チン・ジュンジエ/シュー・チャン/マオ・ズージュン/スーチン・ガオワー/ハン・チェンユー/リウ・シュエイー/アレン・レン/スン・ウェイ/ホー・ジョンホァ
第1話
晋王・李定国(り・ていこく)は、清国に寝返った呉三桂(ご・さんけい)の軍勢に取り囲まれていた。今まさに明王朝の灯火が消えようとするなか、彼は皇太子の誕生に国家存続の望みをかけ、兵たちに城壁の死守を命じる。
第2話
師匠から与えられた課題をこなした慈?(じけん)たちに、最初の任務が与えられた。1つは、崇禎(すうてい)帝が残した銅箱の奪還と、それを開けるための鍵を捜し出すこと。そして2つ目は、清に内乱を起こさせるため、康熙(こうき)帝と実権を握るオボイの溝を深めることだった...。
第3話
易歓(いかん)と慈?(じけん)は、連れ立って紫禁城へとやってきた。明の皇太子としての気概にあふれる慈?は、いつか必ず紫禁城を取り戻して、易歓を皇后に迎え、この宮城に住むのだと息巻く。対する易歓はそんな気がないばかりか、なぜ明の復興にこだわるのかと、首をかしげる。
第4話
李定国の息子・嗣興(しこう)の行方を聞き出すため、かつての彼の腹心で現在は清の知府を務める孫福を捕らえることに。慈?、傾城(けいせい)、倩影(せいえい)、黙声(もくせい)の4人は、孫福が夫人とともに訪れる予定の水月庵へ向かい、易歓は逃走用の舟の番を任される。
第5話
孫福(そん・ふく)を連れ去ったあと、周りの目を欺くために黙声(もくせい)が孫福に成りすますこととなった。顔も声もすべて完璧な黙声の変装に、この策を練った易歓(いかん)も感嘆の声を上げるのだった。誰も気づく様子がないのをいいことに、易歓と黙声は春風院にある財物を...
第6話
孫福(そん・ふく)をどこに連行したのか――オボイの尋問は続いていた。自分を睨みつけるオボイに恐怖を感じる易歓(いかん)ではあったが、ここで殺されるわけにも正体を見破られるわけにもいかない。彼女は知恵を巡らせ、真実を巧妙に織り交ぜながら、でたらめな証言をする。
第7話
易歓(いかん)は、秀女としての所作を身につけるべく稽古を課されていた。慣れぬ履き物で2刻も歩かされ嫌気が差した彼女は、勝手に休憩したり、後宮の規則を逆手に取ってたびたび稽古を中断させる始末。ふざけた態度に腹を立て、易歓を杖刑に処そうとする劉(りゅう)。慌てた易歓は...
第8話
龍三(りゅう・さん)と会うための策として、易歓(いかん)は彼の名を書いた天灯を空に飛ばした。その夜、天灯を見て彼女の意図に気づいた龍三が。後宮に入ってからというもの、やっとの思いで果たした再会だった。彼の前ではずっと男のフリをしていた易歓だったが、どうやら途中で...
第9話
サイコロ遊びで無類の強さを誇る易歓(いかん)の戦略にはまり、康熙(こうき)帝は連戦連敗。罰として大量の酒を飲むはめになった彼は、とうとう酔い潰れてしまう。おかげで易歓は無事自分の居所へ戻ることができたが、李(り)太監の耳の後ろにあるほくろを目にし、あることに気づく...
第10話
李(り)太監を抱き込み、眠り薬を仕込んだ手巾を寝宮に持ち込んで皇帝を気絶させた―易歓(いかん)が自分の行いを龍三(りゅう・さん)に打ち明けたのは、彼を信頼する弟分だと思っていたからこそだった。もちろん、その弟分が皇帝本人だとは夢にも思っていない...
第11話
六師匠と傾城(けいせい)が襲われた。自分たちを襲撃した2人の黒衣の男のうち、片方は体型や目つきから、李(り)太監だろうと推測する六師匠。この一件は、易歓(いかん)に皇帝の寵愛を独占させるための策として、オボイが李太監に命じたに違いない。そうにらんだ慈?(じけん)は...
第12話
悪事を働くオボイを排除すべく、康熙(こうき)帝は大臣らから出された奏状を突きつけた。己を弾劾する内容を一瞥したオボイは高らかに笑い、奏状を康熙帝の目前で破り捨てる。不遜な態度に怒り心頭の康熙帝は覚悟を決め、御書房内へ侍衛らがなだれ込む。
第13話
オボイ府の隠し部屋の扉には複雑な仕掛けが施されていた。中に目当ての銅箱がある可能性は極めて高い。易歓(いかん)は天に祈りつつ仕掛けの攻略に挑むのだった。一方、慈?(じけん)は、李定国(り・ていこく)のもとへ現状の報告に来ていた。
第14話
康熙(こうき)帝は、太皇太后に召された易歓(いかん)と連れ立って慈寧宮へ。毒酒を賜ることになるのではと心配する易歓をひとまず外で待たせ、先に太皇太后の前に進み出る康熙帝。一方の易歓は、康熙帝から安心せよと言われたものの気が気ではない。
第15話
易歓(いかん)は太皇太后から出された3つ目の問いの答えを導き出せずにいた。刻限までに答えられなければ、杖刑が待っている。しかし大人しく罰を受ける気などない彼女は、ダメなら逃げ出す腹積もりだった。
第16話
オボイの屋敷から、彼に宛てたと思しき密書が多数見つかった。差出人が大臣たちと知って慈?(じけん)はほくそ笑む――康熙(こうき)帝がこの一件の調査に乗り出し、朝廷が大混乱に陥れば、彼にとっては好都合なのだ。ほどなくして複数の大臣のもとに、康熙帝から宴への招待が...
第17話
易歓(いかん)と康熙(こうき)帝が抱き合うのを目にし、心中穏やかではない慈?(じけん)。一方の易歓は、龍三(りゅう・さん)のことは弟分としか思っていないと訴えるが、慈?からから一定の距離を保つよう忠告されたうえに、傾城(けいせい)にも皇帝への好意は捨てなさいとたしなめられ...
第18話
オボイは銅箱の秘密のすべてを康熙(こうき)帝に語った。反清勢力の秘密拠点や朝廷内に潜む逆賊の名が記された名簿が存在するというのは、康熙帝にとって朗報である。しかし、横でこの話を聞いていた易歓(いかん)は気が気でなかった。
第19話
オボイの持つ情報網が気になるが、調査に関しては一任すると約束した以上、手を出すわけにはいかない。そこで康熙(こうき)帝は、オボイの密偵たちについての情報を得るため易歓(いかん)ら兄妹に見張りを命じる。
第20話
オボイは憤っていた。屋敷の周りには多くの侍衛がいたはずなのに、慈?(じけん)らによる襲撃の最中、誰一人として駆けつけてこなかったからだ。ソンゴトゥに対し、予め襲撃を知っていただろうと問いただす。
第21話
山西へ向かう途上で客桟に立ち寄った康熙(こうき)帝一行。皇宮を出た開放感から、易歓(いかん)は酒を口にし、盛大に酔っ払ってしまう。男たちの前で踊り出す易歓を見て、はしたないと腹を立てた康熙帝は、彼女に近づこうとする男と小競り合いになり、ひと騒動起こしてしまうのだった。
第22話
山西に入ってからというもの、干ばつはより深刻さを増していた。道行く民から被害が広範囲に及んでいると聞かされ、康熙(こうき)帝の表情は険しくなるばかりだった。その日の宿を求めて、とある村へ足を踏み入れたが、様子がおかしい。新しい家が多いにもかかわらず、人が見当たらない...
第23話
欽差大臣の龍三(りゅう・さん)に扮した康熙(こうき)帝らが駅館にたどり着いた。出迎えた呉応麒(ご・おうき)と石青鴻(せき・せいこう)の案内で、昏睡状態の舒建(じょ・けん)のもとへ向かおうとしたその時、彼が目覚めたとの報告が...
第24話
劉徳昭(りゅう・とくしょう)は、面紗で顔を隠した女が、舒建(じょ・けん)の一人娘・婉心(えんしん)に間違いないと断言した。不正の証拠を握る舒建が死んでくれたのは幸運だったが、娘がいては安心することができない。いずれ父親の宿敵である自分たちに復讐するのは目に見えているからだ。
第25話
救済物資を着服していないなら、蔵を開けてみろ――飢餓に苦しむ多くの民が裘貴(きゅう・き)の屋敷の前で抗議の声を上げた。騒ぎを知って駆けつけた劉徳昭(りゅう・とくしょう)は、蔵の中に銀子や食糧があるという話はでたらめだと一蹴する。すると...
第26話
ソンゴトゥは親軍を呼び寄せるべく、舒(じょ)府をあとにした。その兵力をもって、劉徳昭(りゅう・とくしょう)を討伐するためだ。留守を預かる李(り)太監は、万が一にも康熙(こうき)帝の身に何事も起こらないよう、慈?(じけん)に念を押した。
第27話
裘貴(きゅう・き)の荘園にある銀庫へ向かう易歓(いかん)と康熙(こうき)帝。道に迷いはしたが、慈?(じけん)の助けもあり何とか目的の場所へ辿り着いた2人は、大量の銀子が隠されているのを発見し、手に取る易歓。すると突然仕掛けが発動、壁から無数の矢が、頭上からは大きな石が...
第28話
劉徳昭(りゅうとくしょう)は無実の民に濡れ衣を着せて処罰しようとしていた。これを阻止すべく、欽差大臣の龍三(りゅうさん)こと康熙(こうき)帝らは、急ぎ太原府へと向かう。笑顔で彼らを迎え入れた徳昭は、現在執り行っている裁判を見学させてほしいという龍三の申し出に難色を示すが...
第29話
相談したい件があると劉徳昭の屋敷に招かれた龍三。そこで、"他意はない"と差し出されたのは金銀財宝――龍三が役人の実態を調査せよという密勅を受けていると知ったうえでの賄賂だ。悪知恵の働く徳昭とはいえ、自分が買収しようとしている相手が康熙(こうき)帝その人であるとは...
第30話
救援要請のため味方の駐屯地へ向かう途上、ソンゴトゥとナサイは山賊に襲われた。手練れ揃いなうえ、明らかに彼らの命を狙っていたことから見ても、単なるカネ目当ての輩ではなさそうだ。康熙(こうき)帝からの極秘任務で動いていた自分たちをなぜ待ち伏せできたのか...
第31話
「どうか、彼をお許しください」。万蘇(ばん・そ)は突然、劉徳昭(りゅう・とくしょう)に対し、投獄中の孟祥和(もう・しょうか)の許しを請い始めた。いつ祥和と知り合いになったのかと、彼女に疑惑の目を向ける徳昭。裘貴(きゅう・き)の屋敷にいた時によくしてもらったのだと万蘇は言うが...
第32話
康熙(こうき)帝と易歓(いかん)は急いで林の中に身を隠した。だが、思いがけないことに伏兵が。侍衛が足止めをしているうちに、2人は急いでその場から離れようとするが、追撃を受けてしまう。苦戦の末、敵は倒した。しかし、康熙帝は敵が放った毒を吸い、意識を失ってしまうのだった。
第33話
立ち寄った酒楼で、捕吏の鉄衛国(てつ・えいこく)に追い詰められた易歓(いかん)と康熙(こうき)帝。絶体絶命の状況に陥ったその時、覆面をした1人の剣客が助けに現れた。その隙に逃げ出した2人は、林の中の小屋に身を隠す。しかし易歓の傷は、思いのほか深かった...
第34話
龍三逃げて、と書かれた天灯を目にした康熙(こうき)帝は、易歓(いかん)が追っ手に見つかったことを悟った。恩義ある彼女をこのまま見捨ててよいのか。しかし皇帝という立場上、自らの命を危険にさらすことはできない。思い悩む彼の視線の先にたった1人で複数の敵を相手に戦う易歓の姿が。
第35話
やっとのことで都に戻った易歓(いかん)だったが、すぐさま反清同盟の逆賊と疑われて牢獄行きに。そこには身に覚えのない罪で逆賊扱いされて捕まった女子供で溢れていた。聞けば、朝廷からの報奨金欲しさに、順天府尹・甘国泰(かん・こくたい)の逆賊狩りがここ数年盛んなのだという...
第36話
「山西の件が片づいたら我々のことを話し合おう」康熙(こうき)帝は易歓(いかん)にそう告げた。山西での一件を見ると、彼女は"皇帝は愛するに値しない"という考えを変えたようだ。易歓は漢族ゆえ皇后にすることはできないが、誰よりも大切に思うからこそ、彼女を後宮に迎え入れたいのだ。
第37話
太皇太后と康熙(こうき)帝は呉三桂(ご・さんけい)への進物を用意していた。開けるように促された三桂の息子・呉応熊(ご・おうゆう)と呉応麒(ご・おうき)は中を見て愕然とする。そこには父親を弾劾せんとする奏状が...
第38話
裘貴(きゅう・き)と裘敏(きゅう・びん)は懸賞金をかけ、孟祥和(もう・しょうか)と舒婉心(じょ・えんしん)の行方を追っていた。そのことは李定国ら明珠谷の師匠の知るところとなる。もし舒婉心が見つかれば、彼女に成りすましている傾城(けいせい)ばかりか慈?(じけん)と易歓(いかん)の身も...
第39話
呉応麒(ご・おうき)は湖に浮かぶ舟の中で、何者かと密会しているようだ。様子を探るべく、黙声(もくせい)は密かに舟に近づく。しかし、江湖の腕利きたちが応麒への忠誠を誓ったことは分かったが、密談相手の正体や彼らに課された任務の内容までは知ることができなかった。
第40話
慈?(じけん)は、銅箱を開けるための3本の鍵の捜索を康熙帝から命じられた。すると易歓が、後宮の生活にも飽きたし許婚捜しもしたいから自分も一緒に行くと言い出す。汚職役人を全て粛清するという約束を反故にして以来、明らかに態度が変わった易歓に、康熙帝はムキになるなと諭すが...
第41話
康熙(こうき)帝の誕生日を祝う宴に招かれた後宮の后妃たち。各自思い思いの品を康熙帝に献上し、宴は和やかに進んでいたが、そこに易歓(いかん)の姿はなかった。そのことを皇后から問われ、たかが筆墨侍書に出る資格はないと言い放つ康熙帝。易歓はそれを聞き、堪らずその場を後にする...
第42話
易歓(いかん)は大胆にも劉徳昭(りゅう・とくしょう)への処罰を記した勅書を偽造した。徳昭の悪行のせいで、何の罪もない彼の一族の命が失われるのを阻止するためだ。しかし、勅書の偽造は九族皆殺しに匹敵する大罪である。にも関わらず、易歓は自身の所業を猛省するどころか...
第43話
死罪は免じられたが、勅書を偽造した易歓(いかん)に下された罰は軍棍40回の刑だった。自ら刑を執行すると宣言し、臣下を下がらせる康熙(こうき)帝。居所で2人きりになった途端、易歓は少しでも処罰を軽くしようとあの手この手で康熙帝の説得を試みるのだった。
第44話
仲間の中に呉三桂(ご・さんけい)の密偵がいるのは確かだが、李定国(り・ていこく)と慈?(じけん)が全員に事情を聞いてみても、それが誰なのかを裏づける証しを見つけることはできなかった。その頃、皇宮で頭痛を訴えて倒れた易歓(いかん)の意識は戻らぬままだった。
第45話
相談があるという申し出を受けて、李定国(り・ていこく)は呉三桂(ご・さんけい)のもとを訪れた。相談の内容とは、互いに争うのではなく、協力体制を取るのはどうかというもの...
第46話
易歓(いかん)と傾城(けいせい)は、久しぶりに食事を共にしながら語り合っていた。やけに感傷的な言葉を口にする傾城を心配し、何かあったのかと尋ねる易歓。しかし傾城は、明珠谷で過ごした日々と仲間が懐かしいだけだと微笑むばかり...
第47話
康熙帝が自分を始末したいと思っている...そう傾城から知らされた呉三桂は憤った。天下を取った途端、用済みとばかりに功臣の自分を除こうなど恩知らずも甚だしい。呉三桂は"北京で余生を送れ"という勅命に逆らって雲南に留まり、密偵の傾城に康熙帝の暗殺を命じることを決意する。
第48話
公然と命令に背いた呉三桂への怒りが治まらない康熙帝。永和宮を訪れ、呉三桂への不満を吐きだした彼は、傾城が止めるのも聞かずに大酒を飲み、酔い潰れて眠ってしまう。それを暗殺の好機と見た六師匠・雪衣居士は、用意した毒薬を飲ませようと彼に近づくが、事態は予想もしない展開に...
第49話
捕らえられた易歓を救出しようとする倩影に、呉応麒は令牌を差し出した。それは、雲南を出る際に必要となる物。倩影はこのことが露見すれば、応麒はまたもや自分のせいで、父から罰を受けることになってしまうとためらう。
第50話
慈?と傾城は、斬首の命令の撤回がかなわなかったと雪衣居士に告げた。案に違わず激昂し、必ずお前たちの正体を明かすとわめく雪衣居士。2人は、秘密の暴露を思い留まらせようとするが、雪衣居士は耳を貸さず、処刑を中止できない場合はお前たちを道連れにして死ぬと言い放つのだった。
第51話
康熙帝が慈?と易歓の素性を疑い、身元調査に乗り出した。このままでは己の立場も危うくなってしまうと、李徳福は気が気ではない。密かに兄の李定国を呼び出した彼は、康熙帝が李兄妹に疑念を抱いていると告げ、"易歓は陛下を愛し、剣は嫉妬心を隠し切れずにいる"と訴える...
第52話
賭場に康熙帝を置き去りにし、再び1人で都をぶらつき始めた易歓は、銀子を盗もうとした物乞いの少年を捕らえた。彼の名は小武(しょうぶ)。聞けば、彼の仲間もみな災民で何日も食べ物を口にしておらず、盗みを働くしかなかったという...
第53話
共に帰らぬ限りどこまでもついていくという康熙帝に根負けし、皇宮へ戻ることに同意した易歓。これで失踪の件は落着したものの、己の立場を考えず素性の分からぬ娘のために政務を投げ出して追いかけた康熙帝の愚行に、太皇太后は怒りをにじませる。
第54話
太皇太后はホンタイジの宝剣を手に取ると、何のためらいもなく銅箱に向かって振り下ろした。突然の出来事に驚く康熙帝だったが、次の瞬間、真っ二つになった銅箱を目にして唖然とする。易歓から手渡されたそれは、偽物だったのだ。言葉が出ない康熙帝に向かって太皇太后は問う...
第55話
易歓は、自分たちの正体が露見したのか否かを探るため、康熙帝がいる懋勤殿を訪れ、束の間語り合った2人。康熙帝はすでに何もかも知っていたものの、おくびにも出さなかった。慈?に"康熙帝の様子に変化はない"と報告する易歓。彼女は慈?の顔が悲しそうに見えたことが気にかかる...
第56話
オボイと内通したうえに、逆賊である李兄妹にも情報を流していたと自白した李徳福。斬首に値する大罪だが、自ら李兄妹の正体を告発したことを忠誠心が残っている証しだと見た康熙帝は、長年、皇族に仕えたことも考慮して徳福を赦免した。しかし、一連の告発は、徳福が助かるように...
第57話
慈?との婚儀を明日に控えながら、黙声と倩影の力を借りて逃亡を図ろうとした易歓。しかし、あえなく慈?に見つかってしまう。逃亡を阻止するために先回りしていたかのように見えたが、結婚を無理強いする気などなかった慈?は、実は最初から彼女を逃がすつもりだったのだ。
第58話
自分に嫁ぐと約束したはずの易歓が婚儀を土壇場で逃げ出し、康熙帝と口づけを交わしているのを目にした慈?の怒りは計り知れなかった。康熙帝に刀を向け、一度去ってからまた戻ってきたのは、こうして屈辱を味わわせるためかと易歓を怒鳴りつける慈?。このままでは康熙帝の身に危険が...
第59話
明復興を諦めるように説得できたら、本当に明珠谷の人々を罪に問わないのか――不安げな表情を浮かべたまま、易歓は尋ねた。"もちろんだ"と断言する康熙帝。そのうえで彼は、慈?や李定国らには政務で力を貸してほしいと思っているとも告げるのだった...
第60話
李定国たちが潜む拠点へと戻った易歓は、すぐさま彼らの前に跪くと独断で康熙帝に会いに行ったことを詫び、今は明を復興させるよりも清の朝廷に協力すべきだと進言した。明朝を裏切るかのような易歓の言葉に激怒する定国。しかし、彼女は引き下がろうとはせず...
第61話
永楽斎を訪れた太皇太后と皇后は、易歓の看病に勤しむ康熙帝の姿を目にして愕然とし、自分たちの来訪を気にも留めないことに苛立ちを覚える。皇帝ともあろう人が、逆賊の易歓を自ら連れ戻したうえに看病まで...皇宮の者が何と思うかと責め立てる皇后を、康熙帝は"黙れ"と一喝する...
第62話
易歓に治療を施すため、慈?はすべての気を使い果たした。この功績を盾に囚人である己の命乞いをする気はないものの、彼は康熙帝にある頼み事をする。命を救ったのが自分であることを言わないでくれ、というものだ。負い目を感じて苦しんでほしくない...彼女を想うがゆえの望みである。
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朝鮮王朝第9代王・成宗の母として権勢を振るった猛女インス大妃の波乱に満ちた一代記 権力への欲望を抱く宮廷の女たちにより繰り広げられる飽くなき闘いがすさまじい。98年の「王と妃」に続き、再びインス大妃に扮したチェ・シラの迫力満点の演技が見もの。 裕福な家の末娘ジョンは王妃になる夢を抱いて、王族スヤン大君の長男の妻となる。間もなくスヤン大君は甥である幼い王・端宗を退位させて自ら王位に就くが、病弱な夫は他界し彼女の夢はついえる。やがて、ジョンは息子を王にするという野望を抱き始める。
後継者争いや陰謀を乗り越えて王座へ!朝鮮王朝第15代王・光海君の若き日を描く 歌手・俳優として活躍中の若手スター、ソ・イングクが時代劇に初主演。王の顔=王としての資質を持つ王子をみずみずしく演じ絶賛された。華麗なアクションにも注目! 16世紀末。かつて観相師から「王になってはならない顔」と言われた過去を持つ王・宣祖は、王の顔を持つ息子の光海君に嫉妬を覚えていた。そんな中、王家に伝わる観相書が狙われる。光海君は事件の真相を追うが、初恋の女性カヒの家が事件に巻き込まれ…。
1999年に、最高視聴率63.7%という驚異の数値を記録したドラマ『ホジュン 宮廷医官への道』のリメイク作品として、2013年に韓国MBCで放送された長編歴史ドラマ。16世紀に実在した医師のホ・ジュンをモチーフに、その生涯がドラマチックに描かれている。ホ・ジュンを演じたのは、日本でも人気の高い歴史ドラマ『武神』で主演を果たしたキム・ジュヒョク。凛々しく、ときに荒々しく戦う『武神』での姿から一転し、貧しさに耐えながら医官への厳しい道を歩んでいく堅実なホ・ジュンを好演している。軍官ホ・リュン(チェ・サンフン)の息子として育ったジュン(カン・ハンビョル)は、聡明で心優しい男の子。その日は父の誕生日を祝う宴が予定されており、ジュンの住む屋敷では多くの使用人たちが宴の準備に忙しく働いていた。父の側室であるジュンの母・ソン氏(コ・ドゥシム)は、使用人たちと一緒に、心を込めて夫の大好物である料理を用意する。しかし、そんなソン氏の料理を正妻のチャン氏(キム・ヘジョン)はひどくけなし、祝いの宴にソン氏が出席することすら許さなかった。身分が低いことで見下され、チャン氏からひどい扱いを受けているソン氏。自分が生んだ長男・ソク(カン・イソク)を溺愛するチャン氏は、ジュンのことも常にさげすみ、ジュンは肩身の狭い思いを強いられていたのだった…。
2012年、韓国MBCで放送された時代劇ドラマ。主人公を演じるのはそれまでミュージカルを中心に活躍しており、テレビドラマへの出演が初めてとなった実力派俳優のチョ・スンウである。監督を務めたのは、日本での韓流ブームを加速させたドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』や『トンイ』、『イ・サン』など、数々の有名歴史大作ドラマを手がけてきたイ・ビョンフン。17世紀の朝鮮王朝を舞台に、牛や馬などを診る医者・馬医となり、その後国王の主治医にまで上りつめた実在の人物・ペク・クァンヒョンがモデル。また馬医という、これまであまり取り上げられたことのない題材に着目した点も、人気を集めたポイントである。両班(貴族)の家柄でありながら、病気で苦しむ人々の役に立てるよう、医官の道に進んだカン・ドジュン(チョン・ノミン)。ドジュンは優れた頭脳を持つミョンファン(ソン・チャンミン)、医女を目指しているインジュ(ユソン)とともに、3人で仲良く競い合いながら医学の勉強に励んでいた。しかしある日、ドジュンとミョンファンは宮廷内で密かに起きていた陰謀に巻き込まれ、ドジュンは捕らえられて濡れ衣を着せられてしまう。ドジュンを助けるため、証言をしようとするミョンファンだったが、彼はある男に呼び出される。男は出世話と大金を、ミョンファンの目の前にちらつかせ…。
2012年、韓国MBCで放送された歴史ドラマ。高麗の時代に実在したとされる武臣・金俊(キム・ジュン)をモチーフにして、史実をもとにアレンジを加えて描かれた長編作品である。高麗時代に作られたとされ、現在も韓国の寺社に保存されている大蔵経。仏教経典や僧侶の生活規範などが記された大蔵経の製作から、千年を記念して作られたドラマであり、劇中でも大蔵経製作に関わる人々の努力がリアルに描かれている。主人公のキム・ジュンを演じたのは、人気ドラマ『プラハの恋人』をはじめ、多くの映画やドラマに出演してきたキム・ジュヒョク。13世紀、朝鮮半島を治めていた高麗では第23代王・高宗が即位していた。しかし国王に力はなく、民たちは、歴代の国王のもとで長らく政治の実権を握ってきた武臣・チェ・チュンホン(チュ・ヒョン)の圧政に苦しみ続けていたのだ。そんななか、隣国との戦争に強制的に駆り出されることになった僧侶たちはついに反乱を起こすが、惨敗に終わってしまった。朝廷軍は反乱軍を根こそぎ捕らえるため、さっそく僧侶たちが住む村を襲撃する。その村で平穏に暮らしていた僧侶・ムサン(キム・ジュヒョク)は、突然、一緒にいたウォラ(ホン・アルム)とともに捕らえられ、辛い尋問を受けることになってしまう。本当の身分を隠し、ムサンという名を名乗って、僧侶のふりをしていたことを暴かれたくないムサンだったが…。
歴史上初めて統一国家を成し遂げた太宗武烈王キム・チュンチュの一代記を描いた時代劇 「時代劇キング」ことチェ・スジョンが、三朝統一を成し遂げた太宗武烈王・キム・チュンチュを熱演。脇を固めるキム・ユシク、チェ・イルファらの演技にも注目。 伽耶(カヤ)国出身のキム・ユシンは、花郎(ファラン)として成功するため都ソラボルに向かい、キム・チュンチュの家で暮らすことになる。そんな中、ユシンは刺客に襲われたチュンチュを命がけで救い、ふたりは兄弟のように熱い友情を深めていく。
激しい権力闘争が起こった高麗中期の約50年間を、5人の主人公で描く正統派時代劇 文臣から政権を奪った武臣たちの闘争の歴史を「夜警日誌」の脚本家ユ・ドンユンが描いた大作。頂点に上り詰めた乱世の英雄が次々に没落していく様は栄枯盛衰の趣あり。 12世紀後半の高麗。18代王の毅宗(ウィジョン)は文臣たちと饗宴にふける日々を送っていた。虐げられていた武臣の上将軍のチョン・ジュンブと牽龍行首のイ・ウィバンらは挙兵し、文臣たちを殺害。毅宗を廃位し、19代王明宗を擁立し政権の運営を行っていく。
イ・ソジン主演!美しく華やかだった百済の全盛期と滅亡を描いたスペクタクル時代劇 少数の兵で強敵に挑み、階伯(ケベク)が壮絶な戦死を遂げた黄山伐(ファンサンボル)の戦いは、まるで本物の戦場のような広大なスケールで再現され、目がくぎ付けに。 西暦612年。百済の武王(ムワン)は第一妃で新羅の姫ソンファとの息子ウィジャを後継者に考えていたが、それを反対する第二妃サテク妃はソンファ王妃とウィジャ王子を暗殺し、ソンファ親子の護衛将軍だった階伯の父ムジンに被せる計画を企てる。
1418年、譲位により朝鮮王朝4代王として世宗(セジョン)イ・ドが即位したが、軍権を中心に実権は前王である太宗(テジョン)イ・バンウォンが握っていた。王権強化のため有力な臣下をことごとく粛清してきたイ・バンウォンは、イ・ドの義父であるシム・オンとその一家を反逆罪で処刑する。シム家の使用人の息子のトルボクは、幼なじみのタミと逃げ出すが、途中で離ればなれになってしまう。月日は流れ、1446年。イ・ドが父を殺した張本人と思い込んでいたトルボクは、カン・チェユンと名を変えて、イ・ドへの復讐を胸に武官として宮中に勤務する。その頃、宮中では、イ・ドの文字創製事業に関わる人物が次々に殺害される事件が起こっていた。イ・ドから直々に事件捜査を任されたカン・チェユンは、その過程で王権を牽制する秘密組織“密本(ミルボン)”との闘争に巻き込まれる一方、文字創製事業の中核を担う女官で、幼い頃の記憶により口がきけないというソイが、タミであることに気付く。ハン・ソッキュ/チャン・ヒョク/シン・セギョン/ソン・ジュンギ
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