LUPIN THE ⅢRDシリーズ第2弾・劇場映画「血煙の石川五ェ門」の魅力に迫る！

新たに始動した「LUPIN THE ⅢRD」シリーズ

ルパンファミリーの過去を解き明かすスピンオフ

2017年2月4日から2週間限定で公開させた映画『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』は、「ルパン三世」の劇場アニメの第8作目となる作品です。

本作はルパンの仲間である石川五ェ門を主人公としており、これは2014年に公開された『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』の第2弾でもあります。

上記の2作品は、2012年にTV放映されていた『LUPIN the Third -峰不二子という女-』の流れをくむシリーズです。
各キャラクターの若き時代を描いた“スピンオフ作品”の3作品というわけですね。

またアニメシリーズの「PART1（TV第1シリーズ）」や、モンキー・パンチ先生の原作を意識しており、いわゆる“大人向け”アニメとして作られた作品になっています。

「the Third」と「THE IIIRD」

因みに、これらの3作品は「Lupin the Thirdシリーズ」と銘打たれてはいますが、実はシリーズ表記が異なります。

『峰不二子という女』では「LUPIN the Third」となっていますが、『次元大介の墓標』と『血煙の石川五ェ門』では「LUPIN THE IIIRD」になっているのにお気づきでしょうか。

このように、3作品は同シリーズにカテゴライズされてはいますが、幾つかの違いが見受けられます。

【LUPIN the Third -峰不二子という女-】

『峰不二子という女』は、映画公開された2作品とは違ったTVシリーズです。
1971年に放映された『ルパン三世PART1』の放送開始40周年記念で製作されました。

監督には『ユーリ!!! on ICE』などの人気作でも知られている山本沙代さんが担当し、原案やOP絵コンテでも担当しています。
また、ジャズミュージシャンの菊地成孔さんが劇中で流れる印象的な音楽を担当しました。

セクシーキャラである峰不二子を主人公にし、なおかつルパンシリーズでは初の深夜枠もあって、『峰不二子という女』は斬新かつセクシーな作品となりました。
この放送から、ルパンは新しいイメージを印象付けることに成功し、大変な話題作となりました。

【LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標/血煙の石川五ェ門】

映画公開された『次元大介の墓標』、『血煙の五ェ門』の両作品では、『サムライチャンプルー』などの代表作が有名なアニメーター・小池健さんがメガフォンを持ちました。
また、音楽はCMや特撮などでも活躍されているジェイムス下地さんが担当しました。

監督の小池さんですが、『峰不二子という女』ではキャラクターデザイン並びに作画監督を担当しています。
前作の『次元大介の墓標』や本作『血煙の石川五ェ門』においても、その作業を小池監督が担いました。
また、制作スタッフも両作共に同じメンバーで制作に当たっています。

それぞれの作品で「あばよ、次元」や「未熟なり、五ェ門…!」といった、クールなキャッチフレーズが付けられています。
このフレーズからでも、寡黙な男のかっこよさや大人の渋さが漂う作品であることが伝わってきますね。

また劇場映画ではありますが、『次元大介の墓標』の上映時間が51分、『血煙の石川五ェ門』は54分と、他の(ルパン作品)劇場用アニメと比べてみると、少々短めとなっています。
ちなみに、両作共に“PG12”指定作品ですので、お子さんと劇場に向かう時はお気をつけて。

物語のあらすじ

本作の主人公は、若き日の石川五ェ門。

五ェ門はその剣士の実力を買われて、ヤクザの用心棒として雇われます。
雇われ始めた当初、五ェ門は組員達から不満を抱かれていました。
しかし、他組の襲撃から組長を守ったことで、彼らからも一目を置かれるようになりました。

組員達から信頼されたのも束の間でした。
ルパンらを狙う大男(ホーク)が引き起こした爆発により、五ェ門の雇い主であった組長が爆発に巻き込まれて死んでしまうのです。

組長を守れなかったために、組から「裏切り者」と罵られてしまった五ェ門。
彼は自身の汚名を晴らし、誇りを取り戻すためにも「仇討ち」を誓うのでした。

キャラクター紹介

石川五ェ門

石川五ェ門(いしかわ ごえもん)…cv.浪川大輔(なみかわ だいすけ)さん

本作『血煙の石川五ェ門』における主人公。
盗賊・石川五右衛門の末裔です。
また最高の切れ味を誇る「斬鉄剣」の持ち主で、居合い抜きの達人。

剣士としての誇りが高く、自分に対してストイックな半面、女性には大変弱い人物です。

声優は初代が大塚周夫さん、二代目が井上真樹夫さん、三代目が塩沢兼人さん(※『風魔一族の陰謀』のみ)、そして四代目がこの浪川大輔さんとなりました。

ルパン三世

ルパン三世…cv.栗田貫一さん

小説「アルセーヌ・ルパンシリーズ」の主人公アルセーヌ・ルパンの孫で、自他共に認めている世界的な大泥棒。

ルパン三世シリーズの主人公ですが、この「LUPIN THE ⅢRD」シリーズでは作品の脇を固める重要なポジションを担います。

本作では、不二子や次元と共に賭博船から大金を奪おうと画策しています。
その途中で、斧を持った大男・ホークが船で暴れ、それが原因で大爆発をまき起こすのでした。
男の狙いはルパン達を殺すことだったのですが……。

声優は初代が山田康雄さん、二代目が古川登志夫さん(※『風魔一族の陰謀』のみ)、そして三代目がモノマネ四天王でもあった栗田貫一さんとなります。

次元大介

次元大介…cv.小林清志さん

ルパンの相棒で射撃の名手(ガンマン)。
前作『次元大介の墓標』における主人公でもあります。

1971年に放映された第一作から、46年もの長きに渡り声優が変らずにいるのは、この次元役を演じる小林清志さん(84歳)だけです。
※『風魔一族の陰謀』のみ銀河万丈さんが担当しています。

峰不二子

峰不二子…cv.沢城みゆきさん

ルパン三世シリーズのヒロインで、スピンオフ・シリーズ第1作目『峰不二子という女』における主人公。

女盗賊として暗躍し、ルパン達とは敵になることもありますが、味方に付くこともあるミステリアスな女性です。

声優は初代が二階堂有希子さん、二代目が増山江威子さん、三代目が小山茉美さん(※『風魔一族の陰謀』のみ)、そして四代目がこの沢城みゆきさんとなります。

銭形警部

銭形警部(銭形幸一)…cv.山寺宏一さん

時代劇に登場する銭形平次の子孫。
警視庁に所属し、ルパン専任捜査官として国際刑事警察機構(ICPO)に出向する、まさにルパンを捕らえる事に人生を捧げている人物。

声優は初代が納谷悟朗さん、二代目が加藤精三さん(※『風間一族の陰謀』のみ)、そして三代目が山寺宏一さんです。

2017年2月からは、この銭形警部を主人公とした実写ドラマが放映されていました。
銭形を演じたのは、『変態仮面』や『俺物語！！』でお馴染みの鈴木亮平さんです。
実はこのドラマですが、アニメで銭形の声を担当している山寺宏一さんが、犯人役としてドラマ出演をしているので要チェックです。

ゲストキャラ：ホーク

ホーク…cv.土師孝也(はし たかや)さん

ルパン、次元、不二子らの命を狙う、斧を武器にして襲いかかる謎の大男。

実は“ホーク”とはコードネームであり、本名不明の元軍人です。
戦時中に2千人の敵兵を殺した凄腕でしたが、13年前にバミューダ海域で死亡したと言われています。
そのため、“バミューダーの亡霊”とも呼ばれています。

ちなみに、前作『次元の墓標』での敵・ヤエル奥崎が知的なキャラクターでした。
本作では、そんなヤエルとは対照的にするため、ホークの設定はパワフルなキャラクターになったと言われています。

五ェ門が主役となった意味

本作で五ェ門が主役となった理由は様々あったようです。
その理由のひとつに、小池監督が「五ェ門の心情や剣戟シーンを描くことにチャレンジしたかった」のだそう。

漸鉄剣で何でも簡単に“真っ二つ”にしてしまうイメージが強い五ェ門ですよね。
ですが、この作品ではそのイメージ以上に剣士としての誇りや信念が描かれています。
若き日の五ェ門が暴れる姿を、ぜひ劇場でご覧ください。