【2020年7月更新】1997年から毎年1作、製作・公開されている『名探偵コナン』の映画は既に歴代20作以上。映画は毎年のお祭り的な要素を持つと同時に、メインストーリーを進めるキーにもなるため、『名探偵コナン』を読み解く上で無視することはできません。この記事では2019年公開の第23作『紺青の拳』までの映画シリーズを一覧するとともに、見どころなどをご紹介します。
- 『名探偵コナン』劇場版を公開順に一挙紹介!
- 『名探偵コナン』映画の歴代タイトル一覧
- 『名探偵コナン』映画のいろんな歴代1位(2019年現在)
- 『名探偵コナン』の映画を公開された順番に解説
- 1.名探偵コナン 時計じかけの摩天楼
- 2.名探偵コナン 14番目の標的
- 3.名探偵コナン 世紀末の魔術師
- 4.名探偵コナン 瞳の中の暗殺者
- 5.名探偵コナン 天国へのカウントダウン
- 6.名探偵コナン ベイカー街の亡霊
- 7.名探偵コナン 迷宮の十字路
- 8.名探偵コナン 銀翼の奇術師
- 9.名探偵コナン 水平線上の陰謀
- 10.名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌
- 11.名探偵コナン 紺碧の棺
- 12.名探偵コナン 戦慄の楽譜
- 13.名探偵コナン 漆黒の追跡者
- 14.名探偵コナン 天空の難破船
- 15.名探偵コナン 沈黙の15分
- 16.名探偵コナン 11人目のストライカー
- 17.名探偵コナン 絶海の探偵
- 18.名探偵コナン 異次元の狙撃手
- 19.名探偵コナン 業火の向日葵
- 20.名探偵コナン 純黒の悪夢
- 21.名探偵コナン から紅の恋歌
- 22.名探偵コナン ゼロの執行人
- 23.名探偵コナン 紺青の拳
『名探偵コナン』劇場版を公開順に一挙紹介!
- aukana編集部
1997年4月19日に「劇場版 名探偵コナン」シリーズ第1作『時計じかけの摩天楼』が公開。そこから2019年4月12日に公開された『紺青の拳』に至るまで23作がスクリーンに登場しました。毎年GW前に公開される「劇場版 名探偵コナン」シリーズについて紹介します!
漫画『名探偵コナン』』の連載開始が1994年、テレビアニメーションの放送開始が1996年、映画のシリーズ第1作の公開が1997年。劇場版「名探偵コナン」シリーズは20年以上続く大人気の作品です。
「昔はよく見ていた」という人がいる一方で「最近見はじめた」という人もいて、20作以上ある映画を「全部見てます」という人は少ないのではないでしょうか。
この記事では、これまで観た作品を思い出し、まだ観ていない作品の概要を知ることができるように、劇場版「名探偵コナン」シリーズについての情報をまとめます。
名探偵コナン 【第1シーズン】の動画を配信している動画配信サービスをご紹介します。aukana(アウカナ)動画配信サービス比較ではHuluやU-NEXT、dTVなど人気のおすすめVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスを編集部が厳選してご紹介!更に月額料金、配信作品数や評判で一覧比較も可能!ジャンル別配信数や画質、対応デバイス等の詳細に加え、解約方法、見れない時の対処法等の情報も満載です!
『名探偵コナン』ってどんな作品?
出典:amazon原作は1994年に週刊少年サンデー誌上で連載が始まり、それから約2年でテレビアニメ化、その翌年には映画化され、劇場版 「名探偵コナン」シリーズが始まりました。いまでは「推理漫画の金字塔」とも言うべき作品となりました。
知らない人はいないのではないかというくらい多くの人になじんだ作品で、「小さくなっても頭脳は同じ! 迷宮なしの名探偵!」という決めゼリフは誰もが知るところでしょう。しかし、主人公・江戸川コナンがなぜ小さくなったのかを知らない人も案外多いのでは?
ここでは『名探偵コナン』のあらすじを簡単にご紹介します。
高校生探偵・工藤新一はあるとき、幼なじみの毛利蘭と一緒に遊園地に遊びに行きます。そこで黒ずくめの男2人組が怪しげな取り引きをしている現場を目撃。闇取り引きらしき現場を見て警察に通報しようとした新一は背後に黒い影が近づいているのに気付かず、後頭部を殴られて気を失ってしまいます。黒ずくめの男は気絶した新一に毒薬を飲ませました。
その後、新一は生命は取りとめ意識を取り戻しますが、身体が縮んで小学1年生の姿になっていました。なぜこうなったのかわかりませんが、生きていることが黒ずくめの男たちにバレてしまったら、再び生命を狙われかねませんし、そればかりか周囲の人々にも危険がおよぶかもしれません。
新一は自らが「工藤新一」であることを伏せて、別人として生活しながらもとの姿に戻る方法を探すことを決意します。蘭に名前を聞かれた彼はとっさに近くの本棚に並んでいた本の背表紙に書かれた著者名を引用して「江戸川コナン」と名乗りました。
高校生探偵・工藤新一は「江戸川コナン」という小学生として、蘭の家に居候することになります。蘭の父親で私立探偵の毛利小五郎の事務所に出入りし、小五郎の許に届く事件の情報の中に黒ずくめの男たちの情報を求め、もとの身体に戻る方法を得るために数々の事件に挑みます。
これが『名探偵コナン』のストーリーのアウトラインです。原作の連載、テレビアニメの放送はともに25年を越え、ストーリーは複雑になっていき、映画にもメインストーリーに関わる重要な要素が含まれることが多くなってきています。
次の項からはこれまでに公開された劇場版 「名探偵コナン」シリーズについて解説していきます。
『名探偵コナン』映画の歴代タイトル一覧
出典:amazon『名探偵コナン』の映画のタイトルを見てお気づきのことはありませんか?
よく言われるのが、漢字の単語にカタカナ英語の読みがなをつけて特殊な読み方をさせているということです。これは第2作『14番目の標的(ターゲット)』から使われているタイトルの付け方です。第2作のタイトルは「14ばんめのターゲット」と読みます。
この特殊な読み方を使わないタイトルもいくつかありますが、ほとんどはそのまま読むと「間違い」になってしまうタイトルです。内容は後ほど見てみることにして、まずはこれらタイトルを一覧してみましょう。読み方も添えていますので、映画未見の人はタイトルからストーリーを想像してみてください。
第1作『時計じかけの摩天楼』
第2作『14番目の標的(ターゲット)』
第3作『世紀末の魔術師』
第4作『瞳の中の暗殺者』』
第5作『天国へのカウントダウン』
第6作『ベイカー街(ストーリート)の亡霊』
第7作『迷宮の十字路(クロスロード)』
第8作『銀翼の奇術師(マジシャン)』
第9作『水平線上の陰謀(ストラテジー)』
第10作『探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)』』
第11作『紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)』
第12作『戦慄の楽譜(フルスコア)』
第13作『漆黒の追跡者(チェイサー)』
第14作『天空の難破船(ロスト・シップ)』
第15作『沈黙の15分(クォーター)』
第16作『11人目のストライカー』
第17作『絶海の探偵(プライベート・アイ)』
第18作『異次元の狙撃手(スナイパー)』
第19作『業火の向日葵』
第20作『純黒の悪夢(ナイトメア)』
第21作『から紅の恋歌(ラブレター)』
第22作『ゼロの執行人』
第23作『紺青の拳(フィスト)』
()の中に記載したカタカナを見ずに正しく読めたタイトルはあるでしょうか? すべて難なく読めてしまった人は「コナン通」を名乗ってもいいかも?
次の項からは()内のカタカナを省きますので、この項で読み方を覚えておいてくださいね。
『名探偵コナン』映画のいろんな歴代1位(2019年現在)
出典:amazon前項でごらんいただいた通り、『名探偵コナン』の映画は2019年の段階で23作が公開されています。各作品ごとに特徴があるのはもちろんですが、比較することで明らかになる記録もあります。
この項では全23作のデータを比較して、3つの「歴代1位」を見てみましょう。(2019年8月時点)
『名探偵コナン』映画の公開日の早さ歴代1位
劇場版「名探偵コナン」は例年、ゴールデンウィークがはじまる前に公開されます。言わば「春のコナン祭」です。
概ね4月の第3金曜日あたりに公開日が設定されます。だいたい4月17日くらいになりますが、やはりその年によってそれよりも早かったり遅かったりもしますし、例外もあります。
最も早い日付で公開された作品は第9作『水平線上の陰謀(ストラテジー)』で、4月9日に公開されました(2005年)。平均よりも1週間早い日付です。
反対に最も遅い日付は第4作『瞳の中の暗殺者』』です。こちらは4月22日公開(2000年)。平均よりも5日遅い公開で、ゴールデンウィークがはじまる1週間前です。
『名探偵コナン』映画の上映時間の長さ歴代1位
『名探偵コナン』のファンの年齢層はとても広く、上はすっかり大人の40代・50代、下は小学生や就学前のお子さんもいます。小さな子供さんも見るものですので、映画もあまり長い上映時間は設定されていません。
最も短いのは第1作『時計じかけの摩天楼』で、95分とテレビのスペシャル番組くらいの長さです。お子さんでも難なく見られる長さでしょう。
最も長いのは第12作『戦慄の楽譜(フルスコア)』。とはいえ、115分でまる2時間もないので、お子さんでも大人しく観れる長さではないでしょうか。
『名探偵コナン』の興行収入歴代1位
第1作公開以来、「名探偵コナン」の映画は興行収入を年々伸ばしてきました。第1作『時計じかけの摩天楼』の興行収入は約11億円。ここから作品を公開するたびに伸びていったので、第1作が最少記録です。
では、興行収入歴代最高額を叩き出したのはどの作品かと言うと、平成の時代までは2018年4月13日公開の第22作『ゼロの執行人』で、興行収入は91.8億円でした。『ゼロの執行人』は安室透がメインのストーリー。「安室の女」を自称する安室ファンが安室を「100億の男」にしようと何度も劇場に足を運び、さらには応援上映が行われるなどで複数回見た人が多かったというのが、全作からの大きな興行収入の伸びにつながったようです。
しかしながら、平成最後が近づいた2019年4月12日に公開されたシリーズ第23作『紺青の拳(フィスト)』が、令和の時代に突入した公開136日目(同年8月26日)にして、観客動員数716万4,729人、興行収入91億8,270万2,500円を記録(数字は配給元・東宝調べ)。『ゼロの執行人』の記録を塗り替え、劇場版「名探偵コナン」シリーズは7年連続で最高興行収入記録を更新しました。
『名探偵コナン』の映画を公開された順番に解説
では、ここからは劇場版「名探偵コナン」第1作から第23作までの各作品について解説していきます。簡単な解説ですが、これからごらんになるみなさんには作品選びの指針にしていただければと思います。
1.名探偵コナン 時計じかけの摩天楼
出典:amazon1997年公開の記念すべき第1作『時計じかけの摩天楼』。「真実はいつもひとつ!」というおなじみのセリフはもともとは本作のキャッチコピーでした。高名な建築家として登場する森谷帝二の名はシャーロキアンならピンとくる名前。ホームズの宿敵モリアーティ教授から発想されたこの名を持つ男性が、コナン=新一と蘭の前に立ちはだかります。
クライマックスでは公共施設に仕掛けられた爆弾を、コナン=新一の手引きで蘭が解体します。蘭には爆弾に関する知識などありませんから、新一が言う通りにするしかありません。実際に顔を見られる場所にはいませんが、声だけでつながっている2人。互いを信頼していなければとても耐えられないこのシーンは、とても緊張感があります。
物語においての爆弾解体の約束事と言えば、「赤色のコードと青色のコードのどちらを切断するか迷う」ことですが、『時計じかけの摩天楼』にもそのシーンがあります。これは仕掛けられた爆弾の図面を見ている新一にも判断がつかず、最終的には蘭の判断に任せてしまいます。
はたして蘭はどちらのコードを切るでしょうか。未見の方はぜひご自身で確かめてください。
2.名探偵コナン 14番目の標的
出典:amazon第2作『14番目の標的(ターゲット)』はシリーズで初めてタイトルに「カタカナの読みがながついた漢字の単語」が使われた作品です。「標的」と書いて「ターゲット」と読みます。名前に数字が入った人物が次々に狙われるというストーリー。警視庁の目暮十三警部、白鳥任三郎警部補らのファーストネームが本作で初登場です。
毛利小五郎も狙われる人物の1人。別居中の妻・妃英理も「妃」=クイーン=(トランプの)12ということで狙われる対象になっています。もと警察官の小五郎は、連続事件の犯人は自分に恨みを持つ者ではないかと考え、その捜査線上にある人物が浮かび上がってきます。
それは過去のある事件に関わる人物で、その事件は小五郎が警察を辞めた理由につながります。そして、小五郎と英理が別居をはじめた理由も本作で明らかになります。これらの要素は原作の漫画では語られていなかったものなので、小五郎・英理の2人が気になる人は本作を要チェックです。
普段はヘッポコ探偵の小五郎ですが、実は射撃の名手であり柔道の達人でもあるという戦闘力の高さがはじめて披露された作品でもあります。
3.名探偵コナン 世紀末の魔術師
出典:amazon第3作『世紀末の魔術師』1999年というまさに世紀末に公開された作品です。「魔術師」とはもちろん怪盗キッドのこと。第3作にして怪盗キッドが映画に初登場です。もともとは『まじっく快斗』のキャラクターだった怪盗キッドが『名探偵コナン』で重要な役を得るようになり、両作の世界がつながりはじめたのはこの辺りからでした。
鈴木財閥が新たに発見した、ロシアのロマノフ王朝の遺産「インペリアル・イースター・エッグ」。怪盗キッドからこれを狙うという予告状が届きます。それを聞いたコナン一行はエッグを守るため、現在展示されているという大阪へと向かいます。
かつてのロシアの王ニコライ2世が子どもたちにアルバムをめくるからくりが秘められたインペリアル・イースター・エッグにまつわる思い出が絡み合う謎にコナンが挑む本作のキャッチコピーは「世紀末最大の謎を解くのは誰だ!?」。
エッグを巡る謎と謎解きとともに、怪盗キッドの月夜に浮かぶ姿や変装トリックなども見応えがある、エンタテインメント性が高い作品です。
4.名探偵コナン 瞳の中の暗殺者
出典:amazon第4作『瞳の中の暗殺者』では、ある事件現場を目撃してしまったショックで記憶喪失に陥る蘭。現場を見られたために蘭を狙う犯人。蘭を守りながら彼女の記憶を取り戻そうと小さな身体で奮闘するコナン。スリリングでサスペンスフルな上映時間100分間です。
記憶を失った蘭が偶然テレビで見かけて何かを思い出しそうになったのは遊園地・トロピカルランド。それは『名探偵コナン』第1話で新一と蘭が遊びに行って、新一が黒ずくめの男に謎の薬を飲まされ身体が縮んでしまった場所です。新一と遊びに行った場所、新一がいなくなった場所……。
行ってみれば記憶がもどるきっかけが得られるかもしれないと蘭をトロピカルランドに連れて行くコナン一行。そこに犯人の黒い影が迫ります。記憶を失い、すっかり元気をなくしてしまった蘭の手を取り、コナンは追手から逃れるためにトロピカルランドを駆け巡ります。
このトロピカルランドが本作の見どころです。実際のテーマパークに取材して遊園地全体、画面に登場しない部分までが精密にデザインされ、コナンらが走るルートや背景にもリアリティが増しています。アトラクションやパレードなどのイベントも丁寧に描かれ、映画を見る者もトロピカルランドの客の1人となった気分が味わえます。
また、記憶を失ってすっかりおとなしくなってしまい、怯えるばかりだった蘭があるきっかけで記憶を取り戻した瞬間が、とても痛快です。ぜひ楽しみにごらんください。
5.名探偵コナン 天国へのカウントダウン
出典:amazon第5作『天国へのカウントダウン』は劇場版シリーズではじめて黒の組織が絡むストーリーです。新しくできたツインタワービルに爆弾をいくつも仕掛けて爆破を目論むジンたち。その一方で、ビルの中ではビルオーナーやその関係者らの連続殺人事件が発生。2つの事件の中でコナンの推理が光ります。
本作『天国へのカウントダウン』おすすめの見どころは2つあります。ひとつは爆破シーンです。
シリーズを重ねて、『名探偵コナン』の映画ではもはや爆破シーンは「名物」とまで言われています。思えば第1作から爆破の要素は含まれていました。その爆破をひとつのエンタテインメントに昇華したのが本作です。
上映がはじまって間もない時間にビルの窓を爆圧で吹き飛ばす大きな爆発が連続で起こります。その派手さ、そして爆発パターンの描画のかっこよさは本作の魅力です。
そしてもうひとつは、終盤の「車で飛ぶ」シーンです。次々と爆発が起こり、ツインタワーの一方のタワーへと避難する人々。しかしコナンと少年探偵団一行は逃げそびれて一か八かに賭けなければならない状況に追い込まれます。そこで利用するのはビルに展示されていたスポーツカーと仕掛けられていた爆弾。
仕掛けられた爆弾を集め、スポーツカーの後部トランクに積み込んでアクセルを吹かします。時限爆弾が爆発する瞬間に時速108kmを越えていれば慣性と爆風によって、やや低い隣のタワーに着地できると、コナンと灰原が複雑な物理計算によって弾き出します。
一見めちゃくちゃな理論のようですが、作中に出てくる計算式は実際の物理学に則った正しいものなので、コナンたちの脱出も「理論上は」可能なのです。この脱出劇はまさしくエンタテインメント! ぜひごらんいただきたいシーンです。
6.名探偵コナン ベイカー街の亡霊
出典:amazon本来ラブコメ要素も多い作品である『名探偵コナン』。映画は毎回、会えなくても強く結びついている新一と蘭を描いています。本作『ベイカー街(ストリート)の亡霊』は、そのラブ要素はそこそこに、ミステリー要素を強く前面に出した作品です。
脚本はこれまで5作を担当した古内一成に代わって乱歩賞作家の野沢尚。野沢はもともと脚本家で、第43回江戸川乱歩賞を受賞した小説『破線のマリス』映画化の際は、自ら脚本を書いています。
ストーリーは、工藤新一の父で作家の優作がシナリオを提供した仮想体感ゲーム「コクーン」のゲーム内世界のロンドンと、現実のゲーム開発者の周辺とコクーンの完成披露パーティが舞台となります。
ゲームの仮想世界「オールドタイム・ロンドン」でコナンたちは伝説の連続殺人犯ジャック・ザ・リッパーと遭遇します。他方、ゲームの外の現実世界ではコクーンの開発責任者が殺害され、コクーンは人工頭脳「ノアズ・アーク」によって占拠されてしまいます。
コクーンの完成披露パーティに招待された50人の子どもたちがコクーンの仮想世界に入ったまま人質になってしまいました。ゲームの中にいるコナンと外にいる優作、2人はそれぞれに奔走して、人質となった子どもたちを無事に生還させなければなりません。
父と子のタッグで事件はどのように解決されるのか。ここが本作の見どころです。
7.名探偵コナン 迷宮の十字路
出典:amazon『迷宮の十字路(クロスロード)』は第7作目にして「はじめて」の要素がいくつか入った作品です。
まず、舞台は全編京都。はじめて地方の都市が舞台となっています。そして、はじめてメインキャラクターとして服部平次が立ちます。これまでバイプレイヤーとして活躍していましたが、映画のストーリーの中心に来たことはありませんでした。
そして、回想ではなく「生身の工藤新一」がはじめて登場する映画でもあります。
京都のある寺から盗まれた秘仏を探してほしいという依頼を受けた小五郎が、蘭やコナンとともに寺を訪れます。一方、能面を被った何者かに窃盗団のメンバーが続けて殺害されるという事件が東京・大阪・京都の3都市で発生。この事件を追っていた平次が京都にやってきてコナンと合流。京都の街を舞台に謎解きをします。
京都の観光地や名所が実際の風景をもとに克明に描かれていて、映画の観客も京都の街を歩いているかのような気分になれるのが本作の特徴。また、謎解きのキーになるのは「まるたけえびすにおしおいけ……」ではじまる、京都市内の通り(道)の名前を連ねた童唄で、この映画1本で京都を堪能できます。
見どころはそれだけではありません。ほぼ主人公と言っていい平次の活躍にも注目です。平次と和葉のロマンス、そして工藤新一が現れるクライマックスのシーンをお見逃しなく。
8.名探偵コナン 銀翼の奇術師
出典:amazon第8作『銀翼の奇術師(マジシャン)』タイトルで既におわかりの通り、第3作『世紀末の魔術師』以来の怪盗キッド登場作です。
ストーリーは女優・牧樹里のもとに、彼女が所有する宝石「スター・サファイア」を狙う怪盗キッドから予告状が届いたことからはじまります。予告状に書かれた暗号から、小五郎は牧の舞台上演中にキッドが来ると解読しますが、コナンはそれを疑い、独自に捜査を開始。
怪盗キッドだけを専門に追う刑事・中森警部もやってきて警戒するなかで、工藤新一が現れ、捜査協力をすると申し出ます。コナンがいるのに、新一が現れたのです。さあ、スター・サファイアの行方はいかに!
ストーリー前半は宝石を巡る捕りものの妙味を出し、後半はパニック・アクション映画のような展開のなかでコナンやキッドが活躍します。
後半には僅かな時間ですが、北海道・崎守埠頭周辺の景色が見られます。これも本作で注目すべきポイントです。
9.名探偵コナン 水平線上の陰謀
出典:amazon前作『銀翼の奇術師(マジシャン)』の舞台が空なら、今作『水平線上の陰謀(ストラテジー)』の舞台はタイトル通り、海です。豪華客船「アフロディーテ号」の処女航海に乗船するおなじみの小五郎、蘭、コナンと少年探偵団の一行。鈴木財閥令嬢・園子の計らいです。
その船上で殺人事件が発生。警視庁から目暮警部らが派遣されてきて、小五郎、コナンもともに捜査に当たります。船という限られた空間で起きた事件で目をみはる活躍をするのは何と小五郎。
いつもならミスリードに引っかかってしまい、コナンの引き立て役になってしまう小五郎ですが、本作ではミスリードに引っかかるのはコナン。小五郎は正しい推理を導き出し、犯人を追い詰めていきます。これまでになかった新鮮な展開です。
「やめられるかよ、真相を解き明かすのが探偵の性なんでね」…こんな名言も残した小五郎。本作は、ほかの作品とは異なる小五郎の人物像を見せてくれます。本作の見どころは「かっこいい毛利小五郎」です。
10.名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌
出典:amazon記念すべき第10作。映画『名探偵コナン』もいよいよ10周年です。節目の記念作品として、本作はオールスターとしてつくられました。劇場配布のチラシにはこれまで登場したキャラクターたちが画面狭しとぎゅうぎゅうに描き込まれていました。
本編中にも大勢登場するのですが、メインキャラクターとして登場する者や通りすがるだけの者などいろいろいて、名前があるキャラクターだけでも30人は出てくるでしょうか。どれだけ知っている人物が登場するか、数えてみるのもおもしろいかもしれません。
今作『探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)』』の舞台は横浜市。ある依頼を受けて小五郎と蘭、コナン、少年探偵団の一行は横浜に新しくできた遊園地「ミラクルランド」を訪れます。依頼人からブレスレット型のフリーパスを与えられて遊びに繰り出す一行ですが、フリーパスには怖ろしい仕掛けが施されていました。
フリーパスに仕込まれていたのはプラスチック爆弾。依頼人は12時間以内に小五郎に事件を解決するようにと告げます。もしも12時間以内に解決できなかったら、爆弾を爆破するとの宣告に、戦慄しながらも小五郎とコナンは捜査に乗り出します。
フリーパスは無理にはずそうとしたり、ミラクルランドの敷地から出ても爆発する仕掛けになっています。この仕掛けがストーリー後半でさらなる緊張感を生み出します。
時間制限がある謎解きもハラハラしますが、爆破されることを知らずにフリーパスをつけた誰かがその危険に近づいていく様子がたびたび見られるのでそれもまたドキドキするという、スリリングな作品です。
11.名探偵コナン 紺碧の棺
出典:amazon歴代コナン映画のなかで、もっともタイトルの読ませ方が強引と言われる第11作のタイトルは『紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)』。「棺」と書いて「ジョリー・ロジャー」と読ませています。「ジョリー・ロジャー」というのは、骸骨の意匠の海賊旗のことです。
前々作『水平線上の陰謀(ストラテジー)』に続いて海が舞台です。とは言っても『水平線上の陰謀(ストラテジー)』とは趣きが異なり、島の沿岸部の海です。「神海島」を訪れたコナンたちは、島周辺のどこかにある海底の古代遺跡と、300年前に活躍したという海賊が遺した財宝の伝説を聞きます。
財宝を遺した海賊というのが、18世紀の海賊アン・ボニーとメアリ・リードの2人。互いに相手に背を預けて戦ったという2人の女海賊のロマンシスに重ねて、本作では蘭と園子の強い友情が描かれます。
財宝探しに集まるトレジャーハンターの死と、コナンや蘭たちに迫る刺客。遺跡や財宝の伝説が伝わる太平洋に浮かぶ島で、島にまつわる謎にコナンが挑みます。
ミステリーとサスペンス、そしてロマンシス。10周年というひとつの節目を過ぎて、映画『名探偵コナン』が試みる新たな要素がどのようにストーリーとして昇華されているかに注目してごらんいただくといいでしょう。
12.名探偵コナン 戦慄の楽譜
出典:amazon第12作『戦慄の楽譜(フルスコア)』タイトルの通り音楽に関わるストーリー。すぐれた設備の音楽ホールが完成し、その初公演を聴く予定になっているコナンらは園子の紹介で、公演の練習を見学に行きます。
そこで公演に出演するソプラノ歌手・秋庭怜子と知り合い、懇意になりますが、彼女はたびたび危険な目に遭うのです。しかも、そのどれもが危険ではあるが致命的なものではないことをコナンはいぶかしく思います。
高名な音楽アカデミーが狙われ、中でも優秀なソプラノ歌手である怜子に迫る魔の手。コナンは怜子を守り、音楽アカデミーを狙う犯人を突きとめようとします。ストーリーラインはやや地味な本作ですが、ストーリー上に施された仕掛けがおもしろい本作です。
ぜひごらんいただきたいのは、終盤の湖のシーンです。何者かにとらわれて意識をなくした怜子とコナンは湖の真ん中に浮かぶボートの上で目を覚まします。ボートにはオールがありません。
湖は完成した音楽ホールのそばで、時はまさに初公演の最中。そこに聞こえた爆発音。ホールに爆弾が仕掛けられていたのです。ホールは完全防音で外の音がまったく遮断されているので、公演の出演者や聴衆には爆発音は聞こえないのです。
早く知らせてホールの中にいる人たちを避難させなくてはなりません。通信手段を持たない湖の真ん中で、絶対音感を持つソプラノ歌手とコナンが取った秘策とは…! これはぜひご自身の目でお確かめください。
13.名探偵コナン 漆黒の追跡者
出典:amazon第13作『漆黒の追跡者(チェイサー)』タイトルが表す通り、これは黒の組織のストーリー。「チェイサー」はタイトル通りに「追跡者」の意味であると同時に、酒を飲んだ後に続けて飲む水のことも指しています。黒の組織で用いられるコードネームがすべて酒の名前であることから、このタイトルがついています。
黒の組織との真っ向勝負を描いた本作は、原作に登場した「あの方」のメールアドレスのプッシュ音「七つの子」のメロディが警視庁の中で聞こえたと、コナンが知るところからはじまります。合同捜査会議に出席した刑事の中に「あの方」に連絡を取る者がいるということです。
合同捜査会議に潜入していたのは黒の組織のアイリッシュ。近接格闘に強い偉丈夫です。彼は刑事として潜入する中で「江戸川コナン=工藤新一」ということに気づきはじめます。歴代コナン映画のうちで最大のコナンの身バレ危機です。
本作『漆黒の追跡者(チェイサー)』の最大の見どころは、アイリッシュの人物像です。特徴のありすぎる眉、誠実な性格、屈強な身体、ターミネーターのような戦い振りなど、本作のみの出演とするには惜しいキャラクターです。劇場公開後10年が経っても人気を維持するアイリッシュの活躍振りは要注目です。
14.名探偵コナン 天空の難破船
出典:amazon第14作『天空の難破船(ロスト・シップ)』。「天空」とタイトルにつくように、本作は空が舞台。空が舞台になるということは、怪盗キッドが登場するということです。何しろハンググライダーで空を駆ける怪盗ですから。
怪盗キッドが登場すると高確率で登場するのは鈴木財閥相談役・鈴木次郎吉。園子の伯父です。次郎吉は鈴木財閥が建造した世界最大の飛行船「ベル・ツリーI世号」が東京から大阪に行くまでの間に、飛行船に積んだビッグジュエル「天空の貴婦人(レディー・スカイ)」を盗んでみせろと怪盗キッドに挑戦状を叩きつけます。
怪盗キッドからは「大阪上空でいただく」という返事がきましたが、離陸間もなくベル・ツリーI世号はテロ組織によってハイジャックされてしまいます。ハイジャック犯たちに加え怪盗キッドと、対決する相手が多すぎる本作のコナンはどのように事態を解決に結びつけるのか、ハラハラするストーリーです。
見どころはやはり怪盗キッドの活躍です。地上も天空も自由に行き交い、変幻自在に姿を変える怪盗キッドはどんなかたちでベル・ツリーI世号に乗船するでしょうか。また、当時大人気の大橋のぞみが声優としてゲスト出演しています。どこに登場するのか探してみるのもおもしろいでしょう。
15.名探偵コナン 沈黙の15分
出典:amazon劇場版「名探偵コナン」シリーズ第15作『沈黙の15分(クォーター)』は、コナン映画15周年記念作品であり、タイトルにも「15」と入る作品です。15周年に合わせて「15」を採用したという面もあるのでしょうが、ストーリーにももちろん関係しています。
「15分」とは、雪に埋もれた遭難者を発見するタイムリミットです。雪に埋もれても15分以内に発見されれば、おそらく生きています。それ以上時間が経ってしまうとその確率は急激に下がっていくのだそうです。その数字を用いたタイトルを持つ本作は、劇場版「名探偵コナン」歴代23作のうち唯一の雪山が舞台の作品です。
東京の地下鉄開通式での爆破事件と、のちにコナンら一行が訪れる新潟県の雪深い村で起きる殺人事件。時と場所を隔てた事件が交錯します。公開時のキャッチコピーは「ラスト15分、予測不可能!」。雪山で迎えるクライマックスシーンをお見逃しなく。
16.名探偵コナン 11人目のストライカー
出典:amazon前作『沈黙の15分(クォーター)』はコナン映画15周年記念作品でしたが、本作『11人目のストライカー』は小学館創業90周年記念作品です。さらにJリーグ20周年記念プロジェクトとコラボレーションするという大事業となった作品です。
本作の見どころはやはりJリーグとのコラボレーションによって実現された部分。Jリーグの現役プロサッカー選手の三浦知良、遠藤保仁、楢崎正剛、中村憲剛、今野泰幸の5人が本人役で出演しています。また、ストーリーももちろんJリーグに関係しています。
『11人目のストライカー』のストーリーは、コナンら一行がJリーグ観戦に行った東都スタジアムが爆破予告されるというもの。コナンらは犯人が示した暗号を解読し、スタジアムに仕掛けられた時限爆弾が爆発する前に処理するべく奔走します。Jリーグに関わる人物による犯行は、なぜ行われたのか。悲しい事実が明らかになります。
本作では一切、殺人事件は起きません。ストーリーの主軸は暗号を解いたり爆弾を探し出して大勢の生命を救うことにあります。巷では「コナン行くところ殺人あり」のように言われていますが、『名探偵コナン』は本作のように爆弾を見つけて撤去や解体をする、暗号を解読する、宝探しや人探しをするなどの要素のみで展開されるストーリーも決して少なくはありません。
スクリーンで展開される「殺人が起きない『名探偵コナン』」と、Jリーグの選手たちの活躍をお楽しみください。
17.名探偵コナン 絶海の探偵
出典:amazon本作『絶海の探偵(プライベート・アイ)』の舞台はなんとイージス艦の艦内。海上自衛隊の全面協力により、作品独自のイージス艦「ほたか」が登場。この艦の体験航海に参加したコナンら一行が機密を巡る事件に遭遇します。
乗客からは見えないところで事件は発生。秘密裏に捜査は進められます。捜査協力を申し出た小五郎とともに捜査に加わるコナンは、艦内に某国からのスパイ「X」が潜んでいることを知ります。
本名も年令も国籍も何もかもが不明ののスパイ「X」。変装にも長けるらしく、見知った人が「X」かもしれず、誰が「X」なのか分かりません。
イージス艦の機密を盗み出そうとしたスパイ「X」によるものなのか。港を出て、広い海に漂う1隻のイージス艦という密室で起きた事件の真相にコナンが挑みます。
イージス艦「ほたか」に乗艦していた謎めいた女性自衛官・藤井七海の役を柴咲コウが演じます。柴咲は「名探偵コナン」の大ファンだとか。本作の出演が縁になったのか、次作『異次元の狙撃手(スナイパー)』で柴咲は主題歌を担当します。
七海とコナンのやりとりはクールで知的。本作の見どころと言えるでしょう。また、「ほたか」の造形や海上自衛隊の制服や装備の描写にも注目です。
18.名探偵コナン 異次元の狙撃手
出典:amazon『名探偵コナン』の作中では鈴木財閥がさまざまな事業を手掛けます。第14作『天空の難破船(ロスト・シップ)』では飛行船を飛ばし、巨大な宝石「天空の貴婦人」を移送していました。本作『異次元の狙撃手(スナイパー)』では高さ635メートル、東京を一望できる東都ベルツリータワーを建設。
ストーリーはこのベルツリータワーのオープニングセレモニーからはじまります。鈴木財閥令嬢・園子の友人ということでセレモニーに招待された蘭とコナン、少年探偵団の面々。展望台からの眺望を楽しんでいると、同じように展望台にいた大勢の客のうちのひとりが、何者かに狙撃され、倒れます。
銃弾の軌跡をたどると遙か彼方のビルに黒い人影が。コナンはなぜか現場に居合わせた女子高生探偵・世良真純や容疑者を見張っていたFBIとともに狙撃犯を追いますが、あと一歩のところで取り逃がしてしまいます。
容疑者は米海軍特殊部隊ネイビーシールズの元隊員。過去にスナイパーとしてシルバースター勲章を授与されようというところ、ある告発により逃していました。そこからはじまる事件をFBIが、世良が、コナンが追います。
劇場版「名探偵コナン」は原作・テレビアニメの流れをくみながら、映画として独立したストーリーであることがほとんどですが、今作『異次元の狙撃手(スナイパー)』は原作・テレビアニメのストーリーの大きな流れの一部分として捉えられます。本作を見ることにより示唆される重要な事実も含まれるので、『名探偵コナン』のストーリーを追う上では見逃せない一作です。
19.名探偵コナン 業火の向日葵
出典:amazon漢字の単語にカタカナの読みがながつくのが通例の映画『名探偵コナン』のタイトルですが、本作『業火の向日葵』は、そのまま「ごうかのひまわり」と読みます。読みがながつかない代わりに、読み方が難しい言葉が使われています。
タイトルの「向日葵」は作中に登場するゴッホの絵画「ひまわり」を指します。劇場版「名探偵コナン」でたびたび活躍する鈴木財閥相談役・鈴木次郎吉が第二次世界大戦時に焼失したとされているゴッホの「ひまわり」の模写をオークションで落札したことからストーリーははじまります。
次郎吉は世界に散らばる7枚の「ひまわり」の模写をすべて集めて「日本に憧れたひまわり展」を開催することを宣言。見事集めた7枚の「ひまわり」を専用ジェット機「サンフラワージェット」に乗せて羽田空港へと向かいます。
次郎吉が登場したのですからここで怪盗キッドが登場するのは当然と言えるかもしれません。「ひまわり」を盗み去ってしまいます。
しかし怪盗キッドは宝石しか狙わないはず。キッドが絵画を狙う理由をコナンは考えますが…「ひまわり」という絵画に込められた人の想いが交錯するストーリーは、少し大人向けの『名探偵コナン』と言えるかもしれません。
20.名探偵コナン 純黒の悪夢
出典:amazon本作『純黒の悪夢(ナイトメア)』は劇場版「名探偵コナン」シリーズ20周年記念作品。赤井秀一、安室透がそろって初登場です。また、安室に関するある事実がはじめて明らかになる作品でもあります。
ある夜、警察庁に何者かが侵入し、機密データから英MI6や米FBIのデータを持ち出そうとします。侵入者は車で逃走しますが、安室透ら公安が追走します。高速道路で激しいカーチェイスを繰り広げた末、逃走車はFBIの赤井に狙撃され、道路の外へ転落してしまいました。
あくる日、リニューアルオープンした東都水族館を訪れるコナンと少年探偵団一行。怪我をしたオッドアイの女性と知り合います。どうやら記憶喪失のよう。コナンらは彼女が記憶を取り戻す手助けをします。
その一方で、オッドアイの女性を探してベルモットが東都水族館に姿を現します。本作のタイトルが『純黒の悪夢』であるからには、黒の組織が絡んでくることには間違いありません。オッドアイの女性は何者なのでしょうか。
黒の組織、FBI、公安警察、そしてコナン。多くの組織、多くの人物が登場して複雑になってきた『名探偵コナン』。その複雑な関係がストーリーに盛り込まれたはじめての映画作品です。
見どころは赤井と安室の対立と共闘、そしてクライマックスの観覧車のシーンです。
21.名探偵コナン から紅の恋歌
出典:amazon本作『から紅の恋歌(ラブレター)』は第7作『迷宮の十字路(クロスロード)』と同様に京都が舞台となります。もちろん平次と和葉がメインのストーリーです。
平次と和葉と、もうひとり「大岡紅葉」という少女が登場。平次に「ウチの未来の旦那さん」などと言うので和葉は気が気ではありません。
紅葉は百人一首の高校生チャンピオン。和葉は百人一首についてはまったくの素人。なのに、ひょんなことから紅葉と同じく百人一首の大会に出場することになります。
しかしこの大会に絡んで殺人事件が発生。平次とコナンが捜査に乗り出しますが……事件と恋路と、どちらも気になるラブミステリーです。
劇場版「名探偵コナン」も20作を重ねるうちに演出がどんどん派手になってきています。本作では平次のバイクによるアクションが見どころ。サーカスでも見られない離れ業は必見です。
また、映画では毎作コナンの「秘密道具」がアクションを助けるのですが、本作では伸縮サスペンダーが思いも寄らぬ強靱さで活躍します。ここにも要注目です。
22.名探偵コナン ゼロの執行人
出典:amazon本作『ゼロの執行人』は歴代の劇場版「名探偵コナン」のうち、前作に比べ爆発的に記録が伸びた作品。リピーターも多かった本作はメインとなった安室透の魅力が充分に堪能できる作品となっています。
間もなく東京サミットが開催されるという頃。東京湾には「エッジ・オブ・オーシャン」という新しい巨大施設が建てられました。サミット当日には2万2千人もの警察官が出動するというその施設で大規模な爆破事件が発生。現場には警察庁警備局警備企画課、通称「ゼロ」に所属する降谷零、すなわち安室透の姿がありました。
サミット当日ではなく事前に発生した爆破事件と不可解な行動を取る安室にコナンが不審を感じていた矢先、小五郎が爆破事件の容疑者として逮捕されてしまいます。爆破現場の証拠物に遺された指紋が、なぜか警視庁在籍時の小五郎の指紋と一致したというのです。
小五郎の身柄を巡って対立するコナンと公安警察。つまりコナン vs 安室です。小五郎が犯人ではないという真実を立証しようとするコナンと「日本を守る」という正義を胸に動く安室が対立します。
ストーリーには「公安警察」と「公安検察」とが登場して少々ややこしく、また警察組織と公安警察との関係もやや複雑です。この辺を劇中で解説してはいますが、低年齢層にはいくらか難しい内容です。安室の心理や犯人らの心情も含めて、本作『ゼロの執行人』は大人向けの『名探偵コナン』と言えます。
23.名探偵コナン 紺青の拳
出典:amazonコナンがとうとう海外へ飛び出しました。本作『紺青の拳(フィスト)』は劇場版「名探偵コナン」シリーズ初の海外が舞台の作品です。舞台はシンガポール。パスポートがないコナンがどうやって渡航するのかも見どころのひとつです。
「蹴撃の貴公子」の異名を持つ高校生空手家・京極真がシンガポールで開催される空手トーナメントに出場するというので、京極の彼女である園子とその親友である蘭、蘭の父・小五郎は現地へと渡ります。
「江戸川コナン」とは仮の姿、実の姿は工藤新一です。そのため、コナンは工藤新一名義のパスポートしか持っていません。それでは出国できないので、コナンは留守番です。
そのはずだったのですが、コナンは何者かに拉致・監禁されてしまい…。一方、蘭たちはシンガポールで「アーサー・ヒライ」と名乗る、コナンと同い年くらいの少年と知り合うのでした。
空手トーナメントの優勝者には伝説のブルーサファイア「紺青の拳」が埋め込まれたチャンピオンベルトが与えられることになっています。その「紺青の拳」を狙って怪盗キッドが現れます。他方、「紺青の拳」を警備する会社の関係者が殺害される事件も発生し、事態は怪しい方向へと展開していきます。
コナンと怪盗キッド、そして映画初登場の京極真が三つ巴のストーリーはキャッチコピーに「真実VS奇術VS蹴撃 雌雄を決する三位一体(トリニティ)バトルミステリー」とうたわれています。最大の見どころは京極の空手アクション。痛快なまでの超人振りを楽しみましょう。
★ 怪盗キッドに胸キューン! 『劇場版 名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』★
『名探偵コナン』歴代映画まとめ
出典:amazon劇場版「名探偵コナン」歴代23作を簡単にご紹介しました。1作ごとに異なるカラーを打ち出し、また年々スケールもパワーもアップしていく『名探偵コナン』の映画はどれも常に「来年が楽しみ」な作品です。
ラブと、ミステリーと、アクションと。作品によってその割合が異なり、それが作品の性格になります。ラブ要素が強くてミステリー要素が薄い作品、ミステリー要素が強くてアクション要素は弱い作品などさまざまで、どの要素が好みかによって好きな作品も分かれてくるでしょう。
その傾向によってごらんになる作品を選ぶのもひとつの方法ですが、どの作品もまず一度はごらんになることをおすすめします。好きかそうでないかはそれから判断しても遅くはありません。なぜなら、どの作品もきちんと『名探偵コナン』として仕上がっているからです。
当社は、本記事に起因して利用者に生じたあらゆる行動・損害について一切の責任を負うものではありません。 本記事を用いて行う行動に関する判断・決定は、利用者本人の責任において行っていただきますようお願いいたします。
合わせて読みたい
このニュースに関連する作品と動画配信サービス
動画が配信されているサービス一覧