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2019/02/14
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【体当たりの演技】市川由衣の女優魂に感服『海を感じる時』

中沢けいの群像新人文学賞受賞作『海を感じる時』を市川由衣主演で描いた同名映画作品。池松壮亮との濃密な演技が話題を呼びました。

目次

性表現という【壁】を突き破る

賛否を巻き起こした話題作の価値とは?

映画のみならず創作の分野でヌードは決してタブーではありません。これまであらゆる芸術作品で女性の美しい裸体が描かれてきました。

しかし商業を目的とする作品ならば、それは諸刃の剣となりえる難しい課題でもあります。

当然プロモーションとしての話題性は高いでしょう。しかし映画であればR指定という枷にもなります(『アイズ・ワイド・シャット』のような例外もありますが)。作品の主旨を誤解される危険性も拭えません。

演じる女優にもリスクは大きく、それがハイリターンに繋がるとは限りません。

それでも作品テーマに沿っての必然性があるならば、芸術表現のために衆人環視の前で裸体を見せることもいとわない女優は少なくないのです。

映画とは、売れる商品として消費されるべきものなのか、あるいはアートとして消費されない価値を見出すものなのか、その葛藤はどんな作品にもついてまわる命題といえるでしょう。

物語の【必然】。清純派女優からの脱皮

本作で市川由衣は惜しげもなく裸体を披露します。それはこの物語の核心部分に触れる重要な映像表現として成立しています。自身のこれまでのキャリアの転機になるであろうエポックメ-キングな役柄を市川由衣は大胆に演じます。

本作のレビューでは賛否別れるところですが、少なくとも単純な評価におさまらない複雑な作品といえることは確かなようです。

テレビドラマに慣れていると本作の録音状況も気になるのは自然です。声が小さく聞き取りにくい部分もあります。しかし、それも”リアリティ”と括られれば実際にシーンの臨場感を際立たせる演出の妙ともいえるでしょう。

この繊細な物語には表層的な部分にばかり気をとられると見落としてしまう深淵なテーマが流れているようです。

思春期の少女の心の機微をとらえたラブストーリー

原作は中沢けいのデビュー小説。1978年の群像新人文学賞受賞作です。当時女子高生だった中沢けいの、この小説は衝撃的な内容と相まって話題をさらい、ベストセラーとなります。

描かれているのはちょうど少女から大人の女性へと変貌する年頃の主人公の繊細な"心の揺れ"です。それを家族や恋人との反目が映像的に浮き彫りにしていきます。主人公は自己矛盾をはらむ複雑な心境を抱え、深い葛藤に身を沈めています。

本作は海を背景にとても静かに物語をつむぎ出します。BGMを極力排した、まさに純文学的な空気感です。そのなかでキャストのみずみずしい感性が役柄に命を吹き込みます。

主人公・恵美子の相手役、洋を演じるのは池松壮亮。近年、演技力に抜群の評価を得る若手俳優です。洋は恵美子に対して時に暴力的になります。思春期の少女の気持ちを踏みにじるような言動が恵美子を追い込んでゆくのです。

『海を感じる時』のあらすじ

新聞部の恵美子(市川由衣)はある日部室で唐突に先輩の洋(池松壮亮)にキスを求められます。彼に身を任せた恵美子はひそかに想いを寄せていたことを告白します。

しかし、洋は女性のカラダに興味があっただけで、相手は誰でもよかったと恵美子に告げるのです。

それでも洋を求めていた恵美子は、相手に心がないことを知りながら、彼に身を委ねていきます。彼はこんな関係はよくないと言いながらも恵美子のカラダを渇望し、自分を抑えることはできません。

やがて高校を卒業し、進学のために上京した洋。大切に扱われないとわかっていながら彼を追いかける恵美子でしたが、少しずつ2人の心に変化がおとずれてゆきます……。

参考元

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