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出典:amazon

2019/04/15
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『リービング・ラスベガス』に学ぶモテるダメ男の美学とは?

名作として名高い『リービング・ラスベガス』。主演のニコラス・ケイジは本作でアカデミー賞主演男優賞、ゴールデングローブ賞男優賞を受賞し、キャリアの絶頂に立ちました。公私ともにトラブルメーカーとして有名なニコラス・ケイジが演じた主人公ベンのダメさ加減はリアリティにあふれ、ある種の色気すら放っています。

目次

最もセクシーな、男のロマン映画

誰しもが憧れる【破滅の美学】

男という性(さが)はシビアな女性には理解できない”傾向”があります。

ギャンブルに有り金を全部つぎ込んで身を持ち崩したり、就職もせずロックミュージシャンを目指してその日暮らしを続けたり、劇団俳優として未来の成功を夢見て堅実な生活のレールをはずれたり、例を挙げればキリがありませんが、あなたのまわりにも思い当たる男が1人や2人はいるでしょう?

一部成功者の過去の下積み話は美談として祭り上げられますが、その数はごくわずか。ほとんどの人間は夢破れ、目も当てられない未来の惨状が待っています。

しかし、そうとわかっていても、男は夢を見てしまう生き物なのです!

そして、いわゆるそんな「破滅型」の男にはどこか人と違う雰囲気が漂います。哀愁や哀感というべき影のある空気をまとう寂し気な姿は、一部の女性の母性本能をくすぐるようです。理解できないものに惹かれるというのもまた人間らしさでしょう。

もちろん、女性だけではありません。生活をかえりみず自分の生き方を貫く男性のスタイルには、同性も惹かれずにはいられません。

アル中が命を投げうって酒を呑み続ける

破天荒なプライベートが話題の俳優ニコラス・ケイジ。結婚と離婚を繰り返し、酔っぱらって逮捕され、銀行から債務不履行で訴えられるなどその酒グセと浪費グセはファンならずとも有名な事実です。

しかし、そんな派手な私的言動が目につく一方で、俳優としての彼の才能に疑問を抱く者はいません。ヒューマンドラマからアクション大作まで彼の出演した映画の数々には彼の演技の十二分な実力が証明されています。

そのニコラス・ケイジが本作で演じる役柄はアル中の脚本家です。その主人公ベンは酒のために仕事をクビになり、全財産を処分して、好きなだけ酒を呑むためにラスベガスに向かいます。
つまり、自分の人生の幕引きを自分で飾ろうと決意したのです。

役柄の設定を聞いただけで、まさにニコラス・ケイジのハマり役ではないでしょうか?
そしてストーリーの耽美さ加減が半端じゃないです。もともとはジョン・オブライエンという作家の半自伝的小説が原作となっています。

最後の女【娼婦サラ】

負け犬に同情を寄せるのは人間心理として当然です。
特に日本人に顕著な心理運動のようです。勝って喜ぶバッターよりマウンドに泣き崩れた敗者側のピッチャーに女性は惹かれる、なんて、よく聞く話ですが、この心の動きには心理学的なレッテルが貼られています。

「アンダードッグ効果」と呼称されるものです。いわゆる「負け犬効果」です。もともと選挙予測の効果として一般に知られている心理作用ですが、恋愛にも通ずるところがありますね。

さて本作のヒロインはラスベガスの娼婦サラ(エリザベス・シュー)です。「愛」に飢えていたベンは彼女に特別な感情を抱き、彼女もまた人生に疲れ切り、ベンに心の支えを求めます。2人は惹かれあい、プラトニックな愛を育みますが、ベンはサラに一つだけ約束を求めます。

酒をやめろと言わないこと。

甘く悲しいラストシーンへ物語は進んでゆきます…。

孤独な2人が恋に落ちるのもまた、アンダードッグ効果と言うことが出来るかもしれません。スクリーンのなかのベンは憐れむべきダメ男っぷりを発揮しますが、それを優しく見つめるサラの達観したほほえみは菩薩のようです。

まとめ

とにかく退廃的な雰囲気がバツグンの本作。大人のラブストーリーとして目の肥えた映画ファンもうならせてきました。

多くの選択肢のなかから最も極端な道を選んだ主人公ベンは確かに、弱い人間なのかもしれません。しかし、そこには単純に”弱さ”という理由だけに還元できない人間味があふれています。それに寄り添い理解するヒロイン・サラにも同種の”儚さ”、”脆さ”といったものが感じられます。

強く、前向きに生きることだけが美徳とは限りません。
脆く崩れ落ちてゆく人生のなかから一瞬の美を切り取った本作は、まさに”滅びの美学”をスクリーンに映し出しました。

アル中のダメ男を通して人生の一側面を見せてくれる『リービング・ラスベガス』。そこに惹かれるのは、そのダメ男に誰もがどこか羨ましさと正直さを見るからかもしれませんね。

参考元

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