人類史上最大の建造物「万里の長城」を舞台にして、長城を守る人間と長城に襲いかかる怪物との死闘を描くスペクタクル映画「グレートウォール」を紹介します。この作品はマット・デイモンが主演をつとめるだけでなく、北京オリンピックの開会式と閉会式の演出をしたことでも有名な、巨匠チャン・イーモウが監督をつとめることでも話題の作品となっています。
「グレートウォール」のあらすじ
舞台は12世紀、金と名声を得るために世界各国を旅する傭兵のウィリアムは、20数人の部下とともに、長い旅の末に中国の国境付近にある砂漠に到着しますが、そこで馬賊の襲撃を受けます。
馬賊の襲撃を何とか切り抜けたウィリアムでしたが、夜中に見たこともない謎の獣に襲われてしまいます。
獣の襲撃で多くの部下を失ったウィリアムでしたが、その獣の腕を切り落として、退散させることに成功します。
そうして、多くの戦友を失い、二人だけになったウィリアムと相棒のトバールは万里の長城へと到達しますが、
多数の兵隊に槍を突き立てられ、囚われてしまうのでした。
万里の長城では、軍師のワンと、女性指揮官のリン率いる禁軍が敵の襲撃に備えるために、戦闘の準備を整えているのでした。
囚われたウィリアムたちを、即刻死刑にすべきという声も出ますが、ウィリアムがあの切り落とした謎の獣の腕を見せるとそれにワンが興味を示します。
実はウィリアムが切り落とした謎の獣の腕は、60年に一度現れて、これまで幾度も中国に対して襲いかかってきた伝説の怪物・饕餮(とうてつ)の物だったのです。
万里の長城でワンやリンが戦闘の準備をしているのも、饕餮から中国を防衛するためなのでした・・・。
監督をつとめる中国映画の巨匠のチャン・イーモウ①
「グレートウォール」の監督をつとめるのは、中国映画の巨匠と知られるチャン・イーモウです。
チャン・イーモウは元々、「さらば、わが愛/覇王別姫
」知られるチェン・カイコーの撮影監督として映画製作に携わっていました。
そんなチャン・イーモウは、1987年の「紅いコーリャン」で監督デビューを飾るとベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞する快挙を達成します。
その後も、「秋菊の物語」(1992)と「あの子を探して」(1999)で、ベネチア国際映画祭の金獅子賞を、「活きる」(1994)ではカンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリを獲得します。
こうして、著名な国際映画祭で中国映画の巨匠として認められたチャン・イーモウは1999年に「初恋のきた道」を監督します。
この映画はヒロインを演じたチャン・ツィイーの清涼感のある美しさも相まって、日本でもヒットを記録して、チャン・イーモウの名前を一般の映画ファンにも広めることになります。
監督をつとめる中国映画の巨匠のチャン・イーモウ②
中国の農村を舞台にした素朴な作品を世に送り出してきたチャン・イーモウですが、2002年に監督した「HERO(ヒーロー、原題:英雄)」では新境地を切り開きます。
中国映画の伝統とも言える武侠映画のこの作品は、これまでの彼の作風とは異なり、スペクタクルなアクションシーンが満載のエンターテイメント性の高い作品でした。
また、映像面だけでなく、黒澤明の「乱」でも有名なワダ・エミが担当した色彩鮮やかな衣装も評判を呼び、中国や日本だけでなく、アメリカでもヒットを記録します。
こうして、娯楽大作でもその手腕を発揮したチャン・イーモウは、北京オリンピックの北京オリンピック開会式と閉会式の演出にも抜擢されることになります。
日本との関連ではチャン・イーモウは中国・日本合作で、高倉健を主役に招いた「単騎、千里を走る。」の監督をつとめていたりもします。
そんな中国映画を代表するチャン・イーモウが、ハリウッドに初めて進出したスペクタクル大作映画が「グレートウォール」です。
主役はマット・デイモンに加えて中国映画のスターも参戦!
映画「グレートウォール」で主人公のウィリアムを演じるのは、「ジェイソン・ボーン」シリーズで日本でもおなじみのマット・デイモンです。
また、香港出身で、チャン・イーモウ監督作の「LOVERS(2004)にも出演している、アンディ・ラウが軍師のワンを演じます。
勇敢に敵に挑む女性指揮官のリン・メイを演じるのは、「キングコング:髑髏島の巨神(2017)」や「パシフィック・リム」の続編にも出演が決まっているジン・ティエンです。
彼女はもともとは英語力がそれほど高くなかったそうですが、猛特訓の末に自然な英語と中国語を話せるキャラクターのジン・ティエンを熱演しています。
そして、物語の謎を握るキーキャラクターのバラード役には、「スパイダーマン(2002)」の悪役でも知られるウィレム・デフォーが演じます。
その他にも、元EXOのメンバーのルハンや、チャン・ハンユーや、ワン・ジュンカイなど中華圏を代表する俳優たちが映画には登場します。
参考元
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