アニメ『幽遊白書』蔵馬の人気の秘密を徹底解説！ キャラクターの魅力に迫る！

蔵馬の正体とは？ その過去をたどる

蔵馬には人間の南野秀一と、妖怪の妖狐蔵馬というふたつの顔があります。

「南野秀一」は少し幼さの残る中性的な顔立ちで、登場時は盟王学園高校に通う15歳。成績優秀で学力試験では常に1位を取るような優等生です。

「妖狐蔵馬」は何百年も生きた狐が霊力を持ち変化した妖怪。長い銀髪に狐の耳と尻尾を持っていて、鋭い目つきをしたクールな容姿をしています。

千年ほど前、蔵馬は魔界で盗賊団の頭目をやっていました。封印や暗号を解いて古代の宝具や武器を専門で盗み、副総長の黄泉たちとともに名を挙上げるため躍起になっていましたが、ある時期から姿をくらますことになります。

そして幽助と出会う15年前に霊界の追跡者に深手を負わされ、霊体の状態で人間界に逃げ込むことに。

もはや人間の姿に化けたりする力も残ってなかった蔵馬は「南野志保利」の受精体に憑依し、そのまま「南野秀一」という人間として過ごしながら妖力が回復するのを待つことにします。

10年ほどで夫婦の前から姿を消すつもりだった蔵馬でしたが、母親の志保利が9歳の秀一をかばって怪我をした事故をきっかけに蔵馬の心の変化が。

それから母親の病気を治すために飛影と剛鬼と組んで霊界から3つの宝具を盗み出しますが、このときに幽助と出会うこととなり物語が動き始めます。

怒らせると怖い？ 蔵馬の性格とは？

蔵馬の性格は理知的で非常に頭がよく、常に思考を巡らせながら行動する慎重派タイプ。普段、人と接するときはとても物腰が柔らかく、誰からも好かれるような人柄をしていて基本的に争いは好みません。

薔薇を持っているキャラといえばキザだったりナルシストだったりしますが、蔵馬にはそう感じさせるところはなく、飾らない性格といえるでしょう。

南野秀一の母親である「南野志保利」に対しては家族として愛情を持っています。

魔族である蔵馬はそんな感情を抱くことに最初は戸惑いを覚えていましたが、家族として過ごしていくうちに志保利を母親として慕うようになり、命を賭して救いたいと思うほどのかけがえのない存在となりました。

母親や義父、義弟のことを気にかける描写はたびたび見られ、家族のことを大切に思う、そういう人間らしい“優しさ”を蔵馬は持っているのです。

そして“優しさ”の反対である“残忍さ”も蔵馬はあわせ持っています。

普段の南野秀一の姿のときにはとても穏やかですが、本来の妖狐蔵馬の姿に戻ると非常に好戦的になり、非道な相手には容赦しない“残忍さ”を見せることがあります。

魔界の扉編で戸愚呂兄に体を乗っ取られた巻原定男の頭を一瞬で真っ二つに切り裂き、戸愚呂兄を倒したときの冷酷な目つきは幽助達をもゾッとさせるほどでした。

普段の優しく頭のいい南野秀一という人物像とは裏腹に、大切な人たちを守るためにはどこまでも冷酷に徹することができる、そういった残忍さをあわせ持つ性格も魅力のひとつでしょう。

蔵馬の強さと能力の秘密とは？

蔵馬は魔界で盗賊をやっていたころはA級妖怪でした。しかし追跡者にやられて南野秀一と融合してからはD級にまで力を落とします。その後、魔界の扉編で仙水と戦うころにはA級に戻り、魔界編ではS級妖怪にまで成長します。

蔵馬の強さの秘密はいくつかありますが、そのひとつは頭のよさ。幽助たちのように力で勝負するというよりは技を駆使し、相手を欺くような頭脳プレイを得意とします。

魔界の扉編での海藤戦や天沼戦などはその頭のよさが遺憾なく発揮されました。何事にも動じず冷静に対処できる頭脳を持っていることが蔵馬の強みなのです。

次に蔵馬の能力について見てみましょう。

蔵馬はあらゆる植物を武器化して戦いますが、よく使うものは薔薇を鞭に変化させた「薔薇棘鞭刃(ローズ・ウィップ)」で、作品中でも頻繁に出てきます。

そのほかにも花びらを刃にして飛ばしたり草を剣に変えたり使う武器も多彩。植物の種を植え付けて発芽させて倒すという戦法もよく用います。

人間界の植物よりも魔界の植物のほうが強力で、魔界の植物を呼び出すには大量の妖力が必要です。妖狐の姿に戻れば自在に呼び出すことができますが、南野秀一の体では妖力が足りないので魔界の植物は呼び出せません。

そこで登場したのが「前世の実」でした。

鴉戦で見せた吸血植物は南野秀一の命と引き換えに呼び出したものでしたが、前世の実によって妖狐の力が南野秀一の体に少し戻っていたおかげで命を取り留めます。

その後、前世の実と魔界の穴の影響で、感情が高ぶると妖狐の姿に戻れるようになります。

このように妖狐の力が蔵馬の強さの根底にあり、南野秀一と妖狐のさらなる融合が進むことで蔵馬は強くなっていきました。

蔵馬を演じる魅力的な声優

蔵馬の声優は南野秀一を緒方恵美さん、妖狐蔵馬を中原茂さんが演じています。

暗黒武術会編では妖狐は中原茂さんが演じていましたが、魔界の扉編からは妖狐のほうも緒方恵美さんが演じるようになります。

実は『幽遊白書』をアニメ化するにあたり、蔵馬の声優が緒方恵美さんと発表された当初はファンから大量の抗議が殺到しました。緒方恵美さんは幽遊白書がデビュー作で、新人の女性に蔵馬を演じさせるというのは作品の熱心なファンからすれば当然の心配だったのかもしれません。

しかし、いざ演じてみると中性的な蔵馬のイメージにピッタリの声で、その演技力も相まって緒方恵美さんはファンに受け入れられていったのです。今では蔵馬役は緒方恵美さん以外考えられません。

あなたの好きな蔵馬の名言・名シーンはどれ？

蔵馬の名言・名シーンはいくつもありますが、少しだけ紹介したいと思います。

「綺麗な薔薇には棘があるのさ」や「皮肉だね悪党の血の方がきれいな花がさく」などはちょっとキザっぽい感じですが、貴公子のような蔵馬にはよく似合います。そのかっこいい姿にメロメロになった女性も数多くいるようです。

「はんぱな攻撃は逆効果だ BANG」は鴉戦で出たセリフで、イケメン同士の対決は多くの人を魅了しました。

原作漫画の連載3周年記念で開催された名場面コンテスト(原作17巻掲載)では蔵馬vs鴉が1位を取るなど蔵馬のバトルが数多く入賞しており、その人気のほどがうかがえます。

「オレは四人のうち誰が欠けてもいやだ」というのは幽助が仙水にやられそうなときに発したセリフです。蔵馬たちが勝ち目がないのに仙水に向かっていく姿は、四人が強い絆で結ばれていることを感じさせる感動の名シーンです。

「俺に？　女子高へ？　女装してか？　しないでか？」は魔界統一トーナメント編が終わってからのエピソードで出てきたセリフですが、女性に間違われることを気にしている蔵馬に女装をさせたいというファンの願望から、ある意味人気となってる名言です。

蔵馬の名言・名シーンはかっこいいものが多く、戦闘で敵を倒すときの決め台詞のような爽快さもあり、その容姿と相まって多くの人を惹きつけるのかもしれません。

まとめ

蔵馬の魅力についていくつかのポイントに分けて解説してきました。

蔵馬のかっこいい容姿だけではなく、過去と生い立ち、仲間思いの優しい性格、能力や武器、演じる声優と、どれも蔵馬の構成する魅力的な要素です。

こんなに魅力があるキャラクターならば、大人気になるのもうなづけるのではないでしょうか？

『幽遊白書』という作品を語る上で、「蔵馬」は欠かせない存在なのです。