仕事に行き詰ったとき、刺激を与えてくれるものといえばそう、映画です。今回はデザイナーが一度は見るべき、クリエイションの世界を堪能できる映画をセレクトしていただきました! 見終わる頃には、今までになかった発想が浮かんでくるかもしれません。
建築家。東京やパリのデザイン事務所を経て、2010年より妹島和世氏と西沢立衛氏率いるSANAAの一員として、世界中の建築プロジェクトに携わる。2018年に独立し、小野寺匠吾建築設計事務所 / Office Shogo Onoderaを設立。家具から建築・まちづくりまで幅広くデザインを行う。ウェブページ(https://shogoonodera.com/)
1.『ざくろの色』セルゲイ・パラジャーノフ(1969年)
出典:amazonアルメニア出身の悲劇の天才映画監督の名作。二次元が三次元になる。動く静止画、映像の絵画、実写コラージュ。
印象を並べても説明までたどり着かない。夢の中のような、まるで脳みそのイメージをそのままぶちまけたような圧倒的な世界観。映像、衣装、装飾全てを自分で手がけ、アルメニア文化の色彩・生活・文化を陶酔的に表現し世界的に評価された。
生涯で4回逮捕されている為、この世に4本しか作品が残っていない。未公開の23本のシナリオと800枚もの絵画を残した男。
2.『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』ヴィム・ヴェンダース(2011年)
出典:amazonドイツ人振付家ピナ・バウシュの世界観に迫ったドキュメンタリー。
ヴィムはピナと出会った初期の頃から20年近く彼女のダンスを映画で表現してみたいと考えていたが、技術的に到達できないことで苦悩していた。
ついに2009年、最新技術であった3D映画技術を駆使し、舞台の映像化を実現。ダンスと演劇の垣根を取り払ったピナ・バウシュと、舞台と映像の垣根を取り払ったヴィム・ヴェンダースによって、都市空間は彼らの舞台の延長へと姿を変えている。
3.『Play Time』ジャック・タチ(1967年)
出典:amazonフランス人映画監督ジャック・タチの名作。フランス映画史上屈指の超大作と言われるコメディ。
構図、色彩、シークエンス、音楽、舞台セットの全てにおいて統制が取れた美しい映画。本作のために“タチヴィル(タチの街)”と呼ばれる巨大な近代建築のセットを作り、現代人が暮らす箱や都市の疎外感を徹底的に作り込んでいる。
セリフよりも音響効果と視覚効果によって空間的なパラドクスを操作し、内と外・私と公・地位と格差の混乱を見事に描き出し、ギャグとともにそれを打ち壊す総合芸術。
4.『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』押井守(1995年)
出典:amazon士郎正宗原作漫画を押井守監督が撮った超名作アニメ、攻殻機動隊の劇場版。
僕がこれを見たのは学生だった頃だが、当時これを知らないのはクリエイターとしての価値がないのと同じと言われたことがある。『マトリックス』や『アバター』にも影響を与えた程影響力を持つ大人のSF。
電脳化やサイボーグ化が進んだ社会におけるテロを取り締まる組織“公安9課”が物語の中心。未来における倫理観やAIの暴走と精神性などの社会設定だけでなくシーンや描画力など全てにおいて芸術。
5.『かいじゅうたちのいるところ』スパイク・ジョーンズ(2009年)
出典:amazon20世紀最高の絵本の一つと言われるモーリス・センダックの同名代表作を奇才スパイク・ジョーンズが実写映画化した作品。
独特な表現でこどもの世界のリアルを描いた原作をどのように実写化したかに注目。一見強面な怪獣たちを3Dではなく着ぐるみで撮影するというアナログな手法を撮ったことで絵本の世界観を見事に保っている。
スパイク・ジョーンズ節の詰まった大人向けの映画として公開された。
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