MCU版『スパイダーマン』とは？ 今すぐ観たくなるあらすじ・みどころを完全解説！

MCU版『スパイダーマン：ホームカミング』のあらすじ

マーベル・シネマティック・ユニバース版では初のスパイダーマン単独主演映画です。

監督は若手のジョン・ワッツが担当します。

本シリーズのスパイダーマンことピーター・パーカーを演じるトム・ホランドは19歳と史上最年少で、初のイギリス人です。

設定でも15歳の高校生ということになっています。

本作ではベンおじさんは既に故人で、ピーターが能力を得た経緯は描かれません。

また、スパイダーマンは能力は『アメイジング・スパイダーマン』とほぼ同様で、蜘蛛の糸は発射装置「ウェブシューター」を使用します。

トニー・スタークとトゥームス、バルチャーの誕生

オープニングは『アベンジャーズ』でのニューヨークの戦いが終わった直後から始まります。

エイドリアン・トゥームスという男性とその部下たちは、地球を侵略に来たエイリアンの残骸を回収する仕事をしていました。

トゥームスは家族のために働く誠実な男性で部下にも優しく、慕われていました。

しかしそこに、「ダメージ・コントロール（損害統制局）」という、政府が設立した組織のアン・マリー・ホーグ長官が現れます。

ホーグは、エイリアンの残骸はすべて政府が押収するため、トゥームスたちはここを去るように命じます。

しかしトゥームスはこの仕事のために大金を費やしていたのに、仕事を奪われては困ります。

「俺にもここにいるみんなにも家族がいるんだ。路頭に迷ってしまう」と訴えかけますが、ホーグは相手にせず「文句があるなら私の上司に言いなさい」と撥ねつけます。

上司とは、ヒーローチーム「アベンジャーズ」のリーダー、巨大企業「スターク・インダストリーズ」のオーナー、そして自作のパワード・スーツを装着して戦う「アイアンマン」であるトニー・スタークでした。

トゥームスはトニーに怒りの矛先を向けます。密かに回収していたエイリアンの残骸を見て「世界は変わる。俺たちも変わるときだ」とある決意をします。

それから8年後―。トゥームス率いる元・回収業者たちはエイリアンの残骸などを政府から盗み、売りさばく活動を行っていました。

トゥームスは自らウィング・スーツに身を包み空を飛ぶヴィラン「バルチャー」となり、強大な力を手にしていました。

ピーターとトニー、アベンジャーズへの加入について

スパイダーマンことピーター・パーカーは、『シビル・ウォー／キャプテン・アメリカ』での戦いで憧れの有名人であるトニーにスカウトされ、「キャプテン・アメリカ」ことスティーブ・ロジャースとの戦いに参加することになります。

その際ピーターは、トニーが新たに開発したスパイダー・スーツを与えられ、大喜びです。

戦いの後、ピーターはトニーに協力を感謝されますが、アベンジャーズに加入させることはできない旨を伝えられます。

「親愛なる隣人 スパイダーマン」として近所の人々を助けるよう言われ、別れました。

ピーターの高校生活、ホームカミング・パーティー

そしてピーターはミッドタウン高校に通う日常に戻ります。

学校では学力優秀で、全米学力コンテスト部に所属しています。

親友のギークであるネッド・リーズと過ごし、嫌味な金持ちのフラッシュ・トンプソン（過去のスパイダーマンの映画シリーズと異なり白人ではなくグアテマラ系）にからかわれたりもしますが、平穏な生活でした。

校内では「ホームカミング・パーティー」（アメリカの高校や大学で行われる伝統イベント。

卒業生達を年に一度母校に迎えて、ダンスや同窓会などのイベントを楽しみます）の開催が近づいていました。

ピーターは密かに想いを寄せているリズという生徒をパーティーのパートナーに誘いたいと考えています。

謎のハイテク武器

平行して、トニーから贈られたスパイダー・スーツを着用して小規模な自警活動を行っていましたが、ある日ATM強盗の集団を見つけ、争いになります。

しかし、その強盗たちは明らかに普通なら手に入らないハイテクな武器を持っていたのです。

その武器に危険性を感じたピーターはトニーの部下のハッピー・ホーガンに連絡しますが、多忙なハッピーはまともに取り合ってくれません。

その日の帰り、ネッドに自分の正体がスパイダーマンであることを知られてしまいます。

バルチャーとの最初の激突、トニーの忠告

後日、郊外で怪しい光を見つけたスパイダーマンはその場に向かうと、そこでは怪しげな集団がアーロン・デイヴィスという男性と武器の取引をしていました。

その武器は以前ATM強盗が持っていたものと酷似した非常に強力なもので、デイヴィスは「こんな強力な武器じゃなく、脅しのための弱いものでいい」と難色を示していました。

スパイダーマンは彼らを捕まえようとしますが、ハイテク武器に苦戦します。

さらにはバルチャーに捕まり振り回され、湖に落とされて溺れかけます。

そこにトニーが遠隔操作するアイアンマンが飛んできて、スパイダーマンを救助しました。

トニーは「無茶なことはするな。バルチャーは他の者に任せて、君は小規模な活動をしていろ」と言いきかせますが、ピーターは納得がいきません。

帰り道、ピーターは彼らが使っていたハイテク武器の一部を拾います。

ネッドと共に調査してみますが、詳しいことはわかりませんでした。

「補助輪モード」解除

その後、バルチャーの部下のハーマンという男を見つけたピーターは、彼に発信機をつけます。

追跡したところ、メリーランドにいることがわかりました。

ちょうど学力コンテスト部がメリーランド近くのワシントンDCで行われる全国大会に出場するので、部員たちとワシントンに行って抜け出し、彼らを捕らえる計画を練ります。

学力コンテスト部にはリズ、ネッド、フラッシュも所属しています。

ワシントンに着いたピーターは、ネッドにスパイダー・スーツのハッキングを頼みます。

ネッドが調べたところ、スーツは「補助輪モード」という状態で、本来の機能のほとんどが使用できない状態になっていました。

名称も含めて子供扱いされるのが気に入らず、ピーターは補助輪モードを解除します。

それにより、スーツはウェブシューターだけで576通りもある蜘蛛の糸を使用可能になり、内蔵されたAI「カレン」と話すことができるようになりました。

メリーランドでの戦い、ワシントンでの救出

夜に抜け出して発信源を追ったところ、ピーターは再びバルチャー一味が政府のトラックから窃盗を行っている現場に遭遇します。

しかし捕縛には失敗し、逃げられます。

ピーターが戻ると、ネッドやリズを含む学力コンテスト部の仲間はワシントン記念塔でエレベーターに乗っていました。

そのとき、ネッドが所持していたハイテク武器の一部が不安定化し、爆発してしまいます。

それによりエレベーターが大きく破損し落下してしまいますが、駆け付けたピーターが急いで救助し、リズやネッドは助かります。

何とか死傷者は出ずに済みました。

フェリーでの戦い、アイアンマンとの力の差

またも逃がしてしまったピーターは次の手段として、以前バルチャー一味と取引していたアーロン・デイヴィスがニューヨークに住んでいることを突き止め、バルチャーの情報を聞き出します。

バルチャーの正体はわかりませんが、スタテン・アイランド・フェリーで取引を行うことがわかり、現場に向かいます。

フェリー内ではハーマンを含めた連中が取引を行っていました。

現場を抑えたピーターは全員を制圧しますが、何故かそこにFBIの部隊が姿を現します。

さらにはそこにトゥームスも現れ、バルチャーへと姿を変えてピーターに襲い掛かります（この際、ピーターはバルチャーの素顔を知ります）。

バルチャーとの激しい戦いとなりますが、バルチャーの強力な武器はフェリーを真っ二つにしてしまったのです。

バルチャーは逃げてしまい、このままではフェリーは沈没して乗客が犠牲になります。

ピーターは必死にフェリーを修復しますが崩壊を止めることができず、成す術がありません。

そこに突如救援が現れました。

アイアンマンが救助に来てくれたのです。

アイアンマンは慣れた様子でフェリーを修復していき、多くの人を救いました。乗客は「いいぞ、アイアンマン！」と讃えます。

トニーの責、スーツを着る資格

今回は遠隔操作ではなくトニーがアイアンマン・スーツを装着して直接来ていました。

事態収拾後、ピーターは「僕の話を聞いてくれなかったから、こんなことになったんじゃないか！」と主張しますが、トニーは「話を聞いていなかったんじゃない。FBIをフェリーに送ったのは私だ」と反論します。

続けて「死人が出てたらどうするつもりだった？15歳の子供にそんな責任を背負わせるわけにはいかないし、君を死なせるわけにはいかないから、この件には関わるなと言ったんだ！」と叱りつけます。

ピーターは自分の行動が軽率だったことを自覚します。

そして度重なる忠告を無視したことからトニーにスパイダー・スーツの没収を言い渡されます。

「スーツなしじゃ僕は何もできない！」と訴えますが、トニーは「スーツなしで何もできないなら、着る資格はない」と言い渡しました。

ピーターはスーツを没収されてしまいました。

ホームカミング・パーティーの開催、予期せぬ真実

それからピーターは自分の行動を深く悔やみ、自警活動をやめて普通の高校生活を送ります。

そして開催が近づいていたホームカミング・パーティーに、パートナーとしてリズを誘うことに成功しました。

元気を取り戻したピーターは舞い上がり、パーティーに向けてメイおばさんの協力のもと正装の仕方やダンスや女性の扱いを猛勉強します。

そしてパーティー当日、意気揚々とリズの家へ迎えに行きます。リズの家のドアが開かれます。

すると、そこに立っていたのは…なんとバルチャーことエイドリアン・トゥームスでした！

バルチャーの正体

突然の遭遇に固まるピーター。

なぜ彼がリズの家にいるのでしょうか？

その理由は、エイドリアンがリズの実の父親だったからなのです。

今はバルチャーの姿はしていませんし、リズや彼女の母親もエイドリアンの正体を知りません。

トゥームス一家はとても仲が良い家族でした。エイドリアンもスパイダーマンの素顔は知らないので、驚いているのはピーターだけでした。

パーティー会場までエイドリアンの運転する車で送られますが、車内で話すうちにピーターの様子がおかしいことと声から、彼がスパイダーマンだと気がつきます。

そしてピーターに密かに「家族より大切なものはない。お前はワシントンで娘を救った。だから今回だけは見逃してやる。ただしこの先二度と俺の仕事の邪魔をするな。そのときはお前を殺す」と囁きます。

車から降りたピーターは、バルチャーが今夜大掛かりな強盗を行うことを察します。

パーティー会場を抜け出し、自作のスパイダー・スーツ（マスクとパーカーと1種類のウェブシューターのみの簡易装備）を着てバルチャーを追います。

底辺市民の苦悩、バルチャーの野望

ネッドと通信しながら調べたところ、バルチャーの狙いはトニーの会社「スターク・インダストリーズ」から飛行機で移される大量のアベンジャーズの装備だとわかります。

ピーターはバルチャーのアジトまで辿り着きます。

バルチャーはピーターに「お前は若いからわかっていない。スタークのビルだって武器売買で稼いで建てたものだ。

スタークのように金と権力を持った連中は俺たちのような底辺の人間のことなんか眼中にない。奴らの戦った残骸を漁って暮らすのが現実なんだ」と語ります。

そう話すと、バルチャーはウィング・スーツを遠隔操作し、ピーターを瓦礫の下敷きにしてその場を去ります。

スーツを着る資格、本当の自分

ピーターは瓦礫に挟まれ身動きが取れません。

苦しさでマスクを脱ぎ、子供のように泣き叫びながら周囲に助けを求めます。

トニーのようになりたくて必死にやってきましたが、結局は無力なただの子供に過ぎなかったのでしょうか？

もはやこれまでかと思われたそのとき…ピーターは真下にあった水面に自分の顔が映っていることに気がつきます。

水面には脱ぎ捨てた自作のマスクが浮かんでいて、マスクと素顔が半分ずつ映っていました。

それを見たピーターは、「スーツなしで何もできないなら、着る資格はない」というトニーの言葉を思い出します。

ピーターの人々を助けたいという願いや、バルチャーのような人間を止めたいという想いは、本物だったはずです。

それはスーツとは関係ありません。

自分が何者で、どんな人間になりたいのか？

その答えをピーターは出します。

スーツに依存したり、周囲に助けを求めていたりしては駄目なのです。

ピーターは力の限り叫びます。

「やるんだ、ピーター…立て、スパイダーマン！スパイダーマンだろ！」

気力を取り戻したピーターは瓦礫を力づくで押し上げ、立ち上がります。

スパイダーマンとして。

最終決戦、そして救出

瓦礫から脱出したピーターは再びバルチャーを追います。

バルチャーは既にウィング・スーツに身を包み、スターク・インダストリーズから飛び立った飛行機（無人機）に侵入していました。

高度の飛行機の機体の上で激しい戦いとなります。

それにつれて飛行機も大きな損傷を受け、街に墜落しそうになりますが、ピーターは無理やり航路を曲げ、人のいない郊外へ墜落させます。

地上戦となりますが、ピーターはもう体力が限界で、バルチャーに容赦なく痛めつけられます。

バルチャーはピーターがボロボロになったのを確認すると、墜落した飛行機の残骸から狙っていた「アーク・リアクター」（アイアンマン・スーツの動力源のエネルギー機関）を見つけ、その場を去ろうとします。

それを見ていたピーターは、バルチャーのウィング・スーツが激しい損傷で不安定化し、爆発しかけていることに気がつきました。

敵であってもリズの父親であるバルチャーを死なせたくないピーターは必死に制止しますが、ウィング・スーツは爆破。

バルチャーは落下し、炎に包まれます。ピーターは炎の中に飛び込み、バルチャーを救出しました。

戦いは終わりました。

バルチャーことエイドリアン・トゥームスは逮捕され、ピーターは日常に戻ります。

しかし、リズは父親が逮捕されたことで高校にいられなくなり、引っ越すことになります。

ピーターはリズに何も言えませんでした。

トニーの再評価、ピーターの成長

その後、ハッピーからピーターに連絡が入ります。

ピーターはアベンジャーズ本部まで案内され、トニーと対面。

ハッピーとトニーから、バルチャーの飛行機強奪を阻止したことを感謝されます。

そしてトニーから「君についての評価は、私が間違っていたよ。君はチームの財産になる」と告げられ、ナノマシン製の最新スーツ「アイアン・スパイダー・スーツ」を贈られます。

アベンジャーズへの正式加入を認められたのです。

ピーターは言葉も出ないほど感激します。しかし、彼は加入を断ります。

「とても光栄です。でも僕は親愛なる隣人スパイダーマンとして、近隣の人々を助けます。小さな地域で弱い人々を助けるワーキング・クラス・ヒーローも必要ですから」

思いがけない返答にトニーは驚きますが、精神的に成長したピーターの選択を尊重しました。

エンディング　新たなる決意

ピーターが帰宅すると、部屋には以前没収されたスパイダー・スーツが「これは君のものだ」というトニーのメッセージと共に置かれていました。

ピーターはスーツを装着し、これからもスパイダーマンとして生きることを決意します。

…ところが、それを着ているところをメイおばさんに見られてしまいました！

メイおばさんが「What the F―！？」（何それ！？）と叫ぶシーンでエンドロールとなり、映画は幕を閉じます（本作はウォルト・ディズニー傘下なので、Fワードは禁句なのです）。

MCU版『スパイダーマン：ホームカミング』のまとめ

いかがでしたでしょうか？

史上最年少のスパイダーマンは、超人のはずなのにお喋りでミスもしますし、叱られて落ち込んだりもする愛嬌のあるキャラクターとなりました。

多くの人が魅了されたことでしょう。

ベテランのヒーロー・アイアンマンが導き手となることで相乗効果となり、ストーリーは更にエンタテインメント性を増しました。

スパイダーマンはこれまで3名の俳優が演じ、その都度バリエーションが工夫され、観客を飽きさせないアップデートが繰り返されてきました。

彼の活躍を描く作品群はこれからも綴られていきます。

本作のスパイダーマンは『アベンジャーズ／インフィニティ・ウォー』でもヒーローの1人として活躍。

2018年にはCGアニメーション映画『スパイダーマン：スパイダーバース』、2019年には本作の続編『スパイダーマン：ファー・フロム・ホーム』の公開が決定しています。

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