SF映画の金字塔『スターウォーズ」』シリーズ。生みの親であるジョージ・ルーカスからディズニーに制作が代わってからの第一弾が『スターウォーズ/ フォースの覚醒』です。『スターウォーズ/ジェダイの帰還』から約30年後の世界を描く新しい『スターウォーズ』。この作品でディズニーはこれまでのスターウォーズファンを覚醒させ、多くの新しいファンをも獲得しました。そんな新「スターウォーズ」の魅力を「ネタバレあり」
2005年に『スターウォーズ エピソード3 シスの復讐』以後、途絶えていた『スターウォーズ』がディズニーの制作陣によって復活しました。
本作を始めとする新シリーズでは、レイという女性が主人公となるのが最大の特徴です。
廃品業を孤独に営むレイが、ある事件をきっかけにジェダイ戦士としての素質を覚醒させ、銀河を支配する悪の組織、ファースト・オーダーに立ち向かっていきます。
これまでとは異なるキャラクターによる大胆なストーリー展開で、ときおり見せる過去作品へのオマージュにもファンは大絶賛。
公開初日の興行収入は世界記録となり、アカデミー賞では4部門でノミネート。AFIアワード賞や英国アカデミー賞なども受賞しました。
初めて『スターウォーズ』を観る人も、これまでのファンも納得できる、魅力あふれる本作品を徹底解説します。
『スターウォーズ』シリーズのあらすじを超高速で振り返り!
本編のあらすじをご紹介する前に、『スターウォーズ』が初めてという方のために、これまでのストーリーを超早回しでご紹介します。
この映画は「遠い昔、はるか彼方の銀河系」の物語です。銀河系の星々は長く共和国連合によって繁栄し、フォースという特殊な能力を持つ「ジェダイ騎士団」がその連合体を守護していました。
このフォースは「ライトサイド」と呼ばれる「穏やかで冷静な心から引き出される力」と、「ダークサイド(暗黒面)」と呼ばれる「怒りや憎しみから引き出される力」があり、ジェダイ騎士団は「ライトサイド」の力を持つ集団です。
やがて共和国連合から分離独立派が誕生。それを主導したのが、フォースのダークサイドの力を持つ、ダース・シディアス卿率いる暗黒組織「シス」でした。
シディアス卿は巧妙な手口で共和国連合を弱体化させ、銀河帝国を樹立。ジェダイ騎士団のひとりで、この物語の最初の主人公アナキン・スカイウォーカーを、ダース・ベイダーとしてダークサイドの世界に引きずり込みます。ここまでが『スターウォーズ』エピソード1~3の話です。
銀河帝国の強権的な支配が続く中、共和国連合は劣勢の戦いを続けます。しかし、彼らには密かな希望がありました。それはアナキンの妻、パドメが死ぬ直前に密かに産んだ双子の兄妹の存在です。
ジェダイ騎士団の生き残りで最長老のヨーダは、この二人をベイダーに気づかれないように別々の保護者に預けて成長を見守ります。
やがて、ひとりは共和国連合のレイア姫、もうひとりはジェダイ戦士ルーク・スカイウォーカーとなって、銀河帝国との戦いに参戦します。
親を知らずに育ったルークは、やがて自分の父親がベイダーだと知り苦悩しますが、仲間のハン・ソロたちとともに戦い、最後は父親の心をダークサイドから救い出すことに成功。
「エンドアの戦い」で皇帝ダース・シディアスを滅ぼして、銀河帝国を壊滅させます。ここまでがエピソード4~6までの物語です。
あらすじ①『スターウォーズ フォースの覚醒』ルークは失踪し銀河は混乱
エンドアの戦いから約30年。ルーク・スカイウォーカーたちの活躍により崩壊したかに思えた銀河帝国は、その残党により新しく「ファースト・オーダー」を結成。再び銀河を支配しようとしていました。
ルークの双子の妹レイアは、共和国連合の支援を受け、ファースト・オーダーの脅威と戦う「レジスタンス」組織を結成。
しかし、フォースのダークサイドを操るファースト・オーダーに対抗するためには、ルークの力が必要でしたが、肝心のルークはなぜか姿を消し、長いこと行方がわからぬ状態でした。
ようやくルークの居場所を示す地図が見つかった情報を入手したレイアは、レジスタンス1のパイロット、ポー・ダメロンを惑星ジャクーに派遣。
ポーは無事に地図情報を入手しますが、その直後、同じく地図を狙ってやってきたファースト・オーダーの若き騎士、カイロ・レンが襲ってきます。
激しい銃撃戦の末、ポーはカイロたちに捕まってしまいますが、捕まるすぐ直前に地図情報を相棒のドロイドBB8に託し、遠くへ逃げるように指示を出して無事に脱出させます。
その騒動の中、カイロとともにジャクーを襲撃したファースト・オーダーの機動歩兵FN2187は、無抵抗なジャクーの住民たちを虐殺するカイロたちの所業に衝撃を受けて動揺します。
しかし、上司のキャプテン・ファズマにその迷いをとがめられます。
『スターウォーズ フォースの覚醒」見所解説
お馴染みジョン・ウィリアムス作曲の例のファンファーレとともに始まるオープニングロールは健在。『スターウォーズ』ファンならこれだけで血が騒ぐのではないでしょうか。
その後に続くスター・デストロイヤーの陰影、そこから放たれるTIEファイター。新たな悪の化身、カイロ・レンもいろんな魅力を含ませて登場します。
あらすじ②『スターウォーズ フォースの覚醒』新キャストのレイとフィン
そのころ、廃品回収業で生活している女性のレイは、その日の仕事を終えて食事中でした。そこにカイロたちから逃げてきたBB8が、自分と同じ廃品業者に捕らえられそうになっているところに出くわし、BB8を救い出します。
一方ファースト・オーダーの一員であることに疑問を持ったFN2187は、捕らえられて拷問を受けていたポーとともにカイロ・レンの組織から脱走。
乗っ取った戦闘機のTIEファイターで逃走をはかり、その際にポーから「フィン」という呼び名を付けてもらいます。
しかし、追っ手に攻撃され、二人を乗せたTIEファイターはジャクーに辛くも不時着。脱出して気を失ったフィンは、ポーを見つけだすことが出来ずにひとり砂漠の地をさまよい、やがてレイが住む町へとたどり着きます。
カイロはポーを拷問した際に、ルークの居場所を示す地図情報をBB8が持っていることを把握していたので、ジャクーに再び捜索隊を派遣します。
そんな中、BB8を連れたレイはフィンに遭遇します。ポーから事情を聞かされていたフィンはBB8に接近しますが、そこにカイロたちの捜索隊が到着。
フィンは「自分はレジスタンスの一員」とウソをついて、レイとBB8を連れてその場を逃走。砂漠に放置されていた宇宙船「ミレニアム・ファルコン号」に飛び乗り、追っ手を振り切って宇宙に脱出します。
『スターウォーズ フォースの覚醒」見所解説
こうして『スターウォーズ』新シリーズの主要キャストである、レイ、フィン、ポー、カイロの4人がそろいます。
これまではアナキンやルークといった男性が主人公でしたが、今回はレイという女性が主人公。その登場シーンはどこか『風の谷のナウシカ』を彷彿とさせます。
ファルコン号に乗り込んで操縦するレイが、TIEファイターと繰り広げる逃亡劇(ファルコンチェイサー)は圧巻。序盤の大きな見所となります。
ファルコン号でのレイとフィンとの掛け合いや、その間を取り持つBB8のリアクションも笑えます。
ちなみに、レイが「ポンコツ」と称したファルコン号は、日本人CGモデラーの原田昌隆さんによって精密に作られており、本当はまったくポンコツではないことを声を大にして言っておきます。
あらすじ③『スターウォーズ フォースの覚醒』大人気キャラクターが登場
惑星ジャクーから脱出したふたりは、レジスタンスの基地に向かおうとしますが、そこに大型貨物船が登場し、捕獲されてしまいます。
そしてファルコン号に乗り込んできたのは、かつてその船の船長として銀河帝国と戦った英雄、ハン・ソロと相棒チューバッカでした。
エンドアの戦いの後、ハンはレイアと結婚しますが、やがて別れ、今は昔の密輸業者に戻っていたのです。
事情を知ったハンは、ふたりにルークについて話をします。それによると、銀河帝国崩壊後、ルークは若いジェダイ戦士を育てていましたが、その中のひとりがダークサイドに転落。
若いジェダイ戦士によって、ルークの築いたすべてが焼き払われてしまい、ルークは絶望して身を隠してしまったとのことでした。
そのころファースト・オーダーでは、カイロが最高指導者スノークに呼び出され、「光のフォースが覚醒してきた」との暗示を受け、さらなる厳しい試練を与えると言いわたされます。
その後、カイロは自室で、完全にはダークサイドに身を置けない自分のことを、今やボロボロに変形したダース・ベイダーのマスクに向かって吐露します。
ルークの話を終えたハンは、その後二人をレジスタンス基地に届けてもらうよう、旧知のマズ・カナタが経営する惑星タコダナの酒場を訪ねます。
その酒場で、導かれるように地下室に入ったレイは、かつてルークが持っていたジェダイ戦士の武器、ライト・セーバーを発見します。
レイがそのセーバーに触れた瞬間、ルークと思しき男や、襲ってくるカイロ・レン、そしてジャクーにひとり残される幼少の自分が目の前に現れ、その恐怖で彼女は酒場を逃げ出してしまいます。
『スターウォーズ フォースの覚醒』見所解説
『スターウォーズ』シリーズで人気No1のハン・ソロが登場し、ライトセーバーもお目見え!
ルークのその後、カイロとダース・ベイダーとの関係、そしてレイの過去が徐々に明らかになってきますが、それが更なる謎を生みます。
そもそもレイはいったい誰の子なのか? これが本シリーズでも大きな大きな謎となっていきます。
あらすじ④『スターウォーズ フォースの覚醒』あのキャラクターが降臨
そのころ、BB8の探索に失敗したファースト・オーダーでは、レジスタンスを支援する共和国連合への攻撃を決定。
帝国時代のデス・スターのパワーをはるかに凌ぐスター・キラーを発射させ、連合首都惑星ボスニアン・プライムとその周辺惑星をせん滅させます。
それと同時に、マズ・カナタの住む惑星タコダナを急襲します。
ハン・ソロたちはブラスターを、フィンはルークのライトセーバーを手に戦いますが苦戦します。
そこに駆けつけてきたレジスタンスの飛行隊によって窮地を脱しますが、レイがカイロたちに拉致されてしまいます。
そして飛行隊とともに、今はレジスタンスの将軍となっているレイアが登場します。
『スターウォーズ フォースの覚醒』見所解説
超兵器「スターキラー」の威力がとにかくヤバすぎます! 恒星が持つ膨大なエネルギーを吸収し、それを時空を超えるエネルギーに変換して、何万光年も先の惑星に向けて放出し、そして破壊します。
そんなムチャクチャな発想と、それを見事に表現した映像には、ただただ観ている者を圧倒します。
そして往年の『スターウォーズ』ファンであれば、その後の惑星タコダナにおける戦闘シーンはきっと見応えたっぷりでしょう。
例えば、ハン・ソロがブラスターを撃つ姿勢は昔のまま! 共和国軍のXウィングが編隊を組んで飛んでくるシーンは、エイブラムス監督なりの初期『スターウォーズ』に対するオマージュを感じます。
あらすじ⑤『スターウォーズ フォースの覚醒』まさかの展開に驚愕…
レジスタンスに助けられたハン・ソロとフィンは、レイアとともに彼らの秘密基地がある惑星ディガーに移動します。
そこでフィンは、惑星ジャクーで離れてしまったポーと再会し、BB8はルークの失踪以来まったく動かなくなった、ルークの相棒ロボットR2D2と出会います。
ファースト・オーダーが次に狙っているのは、ここ惑星ディガーだと知ったレイアたちは、フィンの情報をもとにスターキラー攻撃に向かいます。
レイアはハンを呼び止め、ダークサイドに落ちた自分たちの息子、カイロ・レンの救出を懇願します。
そのころカイロ・レンは、フォースの力でレイの心の中を読むことで、BB8が持つルークの居場所を示す地図情報を引き出そうと試みていました。しかす、そのフォースの力にレイが反発。
その思わぬレイの反応にカイロはおののき、レイは自分がフォースの力を持っていることに気がつきます。
スターキラー基地に潜入したハン・ソロたちは、自力で独房を脱出したレイを救出。それを受けて待機していた、ポーたちのXウィングが総攻撃を開始します。
苦戦するポーたちを援護するために、ハンたちは爆薬を仕掛けに基地内深く潜入しますが、そこでハンは息子のカイロと遭遇します。
「ベン!」と昔の名前で呼ぶハンに対し、カイロはそのマスクを外して答え、父親の説得に応じるような姿勢を見せます。
が、ハンの隙をつき、ベンはライトセーバーで父の胸を一突き! ベンの顔を愛おしく手でなでた後、ハンは命を落とします…。
『スターウォーズ フォースの覚醒』見所解説
ソロとレイアの息子ベンがカイロだった! そのベンの指導にルークが失敗したとは意外な展開ですが、最後はまさかまさかの父親殺し。
これがスノークがカイロに与えた最大の試練だったのでしょうか。
かつてアナキンが妻を殺し(実際には一命を取り止め、その後双子を出産)、ダークサイドに陥落したように、こうしてベンも完全に暗黒面へと落ちてしまいました。
あらすじ⑥『スターウォーズ フォースの覚醒』レイとカイロの死闘!
ソロの最期を見たチューバッカは、怒りに任せて起爆装置を起動、次々と爆弾が爆発して基地は大混乱に陥ります。
爆裂するスターキラー基地の中で、脱出しようとするレイとフィンでしたが、追ってきたカイロが立ちはだかります。
レイはブラスターで攻撃しますが、カイロのフォースの力で一撃。フィンもルークのライトセーバーを持って戦いますが、あえなく惨敗します。
しかし、フィンの手を離れたライトセーバーを、カイロがフォースの力で引き寄せようとした瞬間、ライトセーバーはレイの手の中に。レイが自分のフォースでセーバーを奪ったのです。そしてレイとカイロは、お互いのライトセーバーで最後の死闘を繰り広げます。
死闘は技術で勝るカイロが圧倒しましたが、カイロが発した「フォース」という言葉にレイが反応し、彼女の中に潜在していたフォースの力が完全に覚醒していきます。
レイは激しい反撃を開始。カイロの顔に大きな傷を追わせ、あと一歩というところまで迫ります。が、爆裂する地面により大きな亀裂が発生。二人は引き裂かれた大地によって切り離されてしまいます。
大爆発するスターキラー基地から、辛くも脱出したレイたちは惑星ディガーに無事に帰還。一方のスノークは、「カイロの修行は終わった」と引き上げを指示。レイアはレイを抱きしめ、悲しみとともにすべての結果を受け入れます。
こうしてファースト・オーダーとレジスタンスの戦いは休戦に入ります。BB8が持つルークの所在を示す地図情報は、その地図を見た瞬間に目を覚ましたR2D2の情報と重ねることで完成しました。
ルークが隠れ住む辺境の惑星に向かったレイは、持参したライトセーバーを、そこに立つルークに手渡そうとするのでした。
『スターウォーズ フォースの覚醒』魅力的なキャストやキャラクターたち
『スターウォーズ』シリーズのメインキャストは、無名の役者を抜擢するのが慣例で、ハリソン・フォードやマーク・ハミル、ナタリー・ポートマンもここから世界に羽ばたきました。
●デイジー・リドリー
今回の主人公レイを演じたデイジー・リドリーは、オーディションで「拷問されたとき」の演技をエイブラムス監督に絶賛され抜擢されています。
レイが自分のフォースに目覚めるのは、拷問や戦いで窮地に陥ったとき。覚醒する演技力は確かに素晴らしいものがありました。
●ジョン・ボエイカ
フィン役のジョン・ボエイカは長く舞台を中心に活動をしていた若きベテランです。ジャパンプレミアムに登場したときに、「『NARUTO』の火影(ほかげ)が好き」とコメントして、日本のアニメオタクたちの心を掴んで話題を呼びました。
●オスカー・アイザック
ポー役のオスカー・アイザックは、歌手活動もしているイケメン。当初はジャクーに不時着したところで死ぬ予定でしたが、その演技力が認められ、その後準主役級に抜擢されます。オスカーという名はどうやら伊達ではなかったようです(笑)。
●アダム・ドライバー
本シリーズでの悪役のカイロ・レン。これまで圧倒的な悪役として不動の人気を得ていたダース・ベイダーに比べて、まだ心に迷いがある役どころ。
カイロがレイに促され、そのマスクを外したときの彼の表情は、まさにそんな小物感が出ていてお見事です。
●BB8
そして、これら新キャスト以上に大注目されたのが新ドロイド「BB8」。球体のボディと半球体の頭部だけで、人間以上の演技をする姿がとっても可愛いと大評判でした。
これらがCGではなく、ほぼ実写だというのは本当に驚きです。
『スターウォーズ フォースの覚醒』まとめ
これらの新キャストと新キャラクター、そして旧シリーズのキャストたちが絶妙に絡みあいながら始まった新シリーズは、その後『スターウォーズ/最後のジェダイ』を2017年に公開し、2019年には3作目の公開が予定されています。
さらにその後にもシリーズは続くとの噂も。そんな新しい『スターウォーズ』の始まりの物語を、初めての人はぜひ一度、観たことがある人はぜひもう一度、ご覧ください。
当社は、本記事に起因して利用者に生じたあらゆる行動・損害について一切の責任を負うものではありません。 本記事を用いて行う行動に関する判断・決定は、利用者本人の責任において行っていただきますようお願いいたします。
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