【エヴァンゲリヲン】「葛城ミサト」シリーズの第2の主人公の素顔とは？ ネタバレ覚悟でサービス、サービスぅ！

葛城ミサトってどんなキャラ？ まずは基本設定をおさらい！

葛城ミサトはテレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』および『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズに登場するキャラクターです。

職業はNERVの戦術作戦部作戦局第一課課長。長ったらしい部署ですが、つまるところ迫りくる敵性生命体「使徒」に対して人型兵器「エヴァンゲリオン」を運用する役どころの責任者。階級はテレビ版で「一尉」から後に「三佐」。新劇場版では「二佐」から後に「一佐」へと昇格していきます。

また仕事の一環として主人公のEVAパイロット・碇シンジの下宿先の家主として共同生活を行っていくことに。愛車のアルピーヌでシンジを迎えに来るシーンは、とても印象深いものになっています。

性格はがさつでだらしなく、汚部屋と化している自宅マンションの様子からも29歳で独身の理由が頷ける状態。保護者役であるにも関わらず、保護対象のシンジに生活改善を迫られるなど、大人としての威厳は全くのゼロに描かれています。

好きなものはビールでヱビスを愛飲しているよう。冷蔵庫はすべてヱビスの350ml缶で埋まっているほどのビール党っぷりです。子供の頃にテレビ版を観て、大人になったら冷蔵庫の中身はああなるんだと勘違いした人も少なくないはず。

ダメダメだけど実はデキル女！ 魅力の秘訣は職場と日常のギャップ

そんな絵に書いたような「ダメ大人」な葛城ミサトですが、ひとたびNERVの指令室に立てば人が変わったような仕事ぶりを発揮します。

根ががさつなせいか時に乱暴な作戦指示もありますが、結果としてその全てを成功に導く手腕(もちろんシンジたちパイロットの頑張りもありますが)。

部下からの信頼も厚く、時にはNERV最高司令官であるところの碇ゲンドウに意見することも躊躇しない姉御肌。ゲンドウも面と向かって褒めることこそしませんが、何事も有無を言わせない彼の性格からすれば、彼女の指揮に一目を置いている様子がうかがえます。

またパイロットが年端も行かない子供とはいえ、使徒殲滅のためなら危険な指示も下す徹底した仕事ぶりは、彼女自身の持つ責任と真摯に向き合っているためでしょう。

しかし残念なことにシンジや視聴者に第一印象として映った彼女はダメ大人。そのことは強烈に残り続けます。そんな人間臭いギャップが葛城ミサトの可愛いところでもあり、多くのファンを獲得する結果へと繋がっているのかもしれません。

葛城ミサトとひとつ屋根の下 全国の少年達の夢の生活

主人公の碇シンジはEVAのパイロットになるため第3新東京市へと呼ばれます。はじめはNERVの施設内に住まわされる予定だったのでしょうが、親の都合で生活を振り回される姿を不憫に思ったミサトが彼を引き取る事にします。

セクシーなお姉さんとの共同生活の始まりは、思春期真っ盛りのシンジを日々ドギマギさせていきます。とはいえ、そこはもとより子供みたいな性格のミサト。シンジの親代わりとなりながら、時に姉、時に対等な目線で接していくことで、いつしか家族のような絆がはぐくまれて行きました。

しかしあくまで相手が「思春期の男の子」だということは忘れてしまいがちのよう。意図せぬセクシーシーンや、同じEVAパイロットの美少女・惣流(式波)アスカも一緒に住まわせたりとで、傍目には嬉しいハプニングが続きます。

しかし現実は厳しい！ 人の夢と書いて「儚い」と読むもの

そんな夢の生活を送るシンジですが、もちろん良いことばかりではありません。なにせずぼらな家主のこと。部屋は汚部屋でゴミだらけだわ。洗濯物は溜まっているわ。ミサトはレトルト食品すらまともに調理できないわで、健康で文化的な最低限度の生活すらも危ぶまれていました。

居候を引き取ったからといってそれが変わる事はなく、結局はシンジが葛城家の家事全般を引き受けることに。はじめはどぎまぎしたセクシーシーンも慣れてしまえば目に余るもので、次第にため息も交じります。やがて立場は逆転し、職場ではシンジがミサトに、家ではミサトがシンジに怒られるという不思議な関係が築かれていきました。

母親代わりになることでミサトも成長している？

シンジはミサトを親代わりとすることで、本来なら父親や母親と築くはずだった家族という居場所を手に入れます。一方でミサトもまた慣れない保護者役を通して、自分にとっての家族というものを見つめなおしていくきっかけになりました。

ミサトはかつて使徒関連の事件で父親を亡くしており、そのことを今に至るまで引きずり続けています。恋人だった加持リョウジとの関係がこじれたのもそのことに原因があり、どこか子供っぽい性格もちゃんと親離れができていない証なのかもしれません。

そんな彼女が挑戦した保護者役は、決して褒められた内容ではありませんでした。それでも自らが親のような役割を演じることになって、自身が大人になっていく機会を得ることができたのではないでしょうか。

葛城ミサトの壮絶な過去 使徒にすべてを奪われた人生

葛城ミサトが29歳になった今でも引きずり続けている過去。それは15年前の大災害「セカンドインパクト」の記憶でした。

当時14歳だったミサトは、父親が隊長を務める「葛城調査隊」として南極の調査に同行。その際に「セカンドインパクト」の直下に晒されます。隊員は全て死亡。唯一生き残ったミサトも、父親に庇われて命からがらの状況でした。

その時のショックから一時期声を失うなどの時期を過ごし、ようやく回復したミサトは、セカンドインパクトを引き起こすことになった使徒という存在に強い敵意を持つようになります。それが今、ミサトがNERVに参加している最大の理由です。

全ての使徒を殲滅すること。それは父親の敵討ちでもあり、セカンドインパクトの悪夢に打ち勝つためのステップでした。

加持リョウジとの関係が彼女を動かす

そんなミサトが加持リョウジと出会ったのが大学生のころ。NERVの研究員である赤城リツコと共に学生時代を送った仲間であり、恋人でした。

ミサトからすれば、セカンドインパクトのショックから形だけでも立ち直った直後にできた友人たち。人生の中でもかけがえのない存在です。しかし加持との付き合いの中で、彼に求めているものが恋人ではなく父性であることに気づいてしまったミサトは距離を置くことにします。

3人はともにNERVへと就職しますが、加持はやがて日本政府やゼーレから指示を受けてスパイ活動を行うようになっていきます。ミサトもそうとは知らず、共にセカンドインパクトの真実を求めて奔走し始めます。

やがて加持は重大な情報を手に入れますが、直後に何者かに暗殺されてしまいます。情報の一部はミサトへと引き継がれ、彼女は一人で真相へと立ち向かうことになりました。セカンドインパクトから止まっていた時間を動かす覚悟を彼女に与えたのです。

『新劇場版』でその矛先はNERVへと

『新劇場版：破』を経て、新たな「インパクト」を起こそうとしているNERVへの危機感を持ったミサトは、同様の元職員達と共に反NERV組織「WILLE」を結成します。

『新劇場版：Q』の舞台となる14年後の世界。より使命感の強まった彼女は、元の陽気な性格もなりを潜め、非情なまでに冷酷な判断を下すようになっていきます。「目的優先・人命軽視」をモットーに、かつて家族の絆を得たシンジに対しても、自制装置として首輪爆弾を装着させるなどの徹底ぶり。居場所を失ったと感じたシンジがNERVへと戻るきっかけにもなってしまいました。

「セカンドインパクト」と同等の災害を二度と引き起こさないことは、彼女の人生をかけた使命になっていったのです。

葛城ミサトの声優は三石琴乃さん！

そんな葛城ミサトを演じるのは、声優の三石琴乃さんです。数年前には美少女戦士セーラームーンを演じていた三石さんも、葛城ミサト役からすっかり大人の女性役が板についてきた様子。

性格がお転婆なのはミサトも似たようなところがありますが、同時に庵野監督はミサトに必要な「暗さ」を三石さんに感じ取りキャスティングをしたとのこと。

結果として、想い過去を背負った葛城ミサトという人物がテレビやスクリーンの中に確立したのでしょうね。

第2の主人公の結末は？ 『シン・ヱヴァンゲリヲン劇場版:Ⅱ』での活躍に期待！

葛城ミサトは『新劇場版：Q』からテレビ版とは全く違う道を歩み始めます。それは主人公である碇シンジとは袂を分かつことであり、家族をやめるということでもありました。爆弾の枷を与えるほどに徹底した突き放しっぷりは、そこまでしなければ情を断ち切れない、迷いの裏返しのようにも映ります。

庵野監督をして「もう1人の主人公」とされる葛城ミサト。シンジとの絆の行方は。セカンドインパクトの悪夢を克服できるのか。

シリーズ完結編『シン・ヱヴァンゲリヲン劇場版』から目が離せません。

新世紀エヴァンゲリオン シリーズ

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