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3つの“愛”それぞれが絡みあい暴走する青春ラブストーリー ミュージックビデオなども手掛ける頃安祐良監督が、自身の妄想から生まれた物語を映像化。野田裕貴、根岸絵美、ハマカワフミエの3人が想いを暴走させる男女を好演。 高校2年生の聡は、塾のアルバイト講師の大学生・美由紀に恋をしている。美由紀は毎日体にあざを作って教室にやってくる。彼氏からの暴力を疑う聡は、「次の模試で100点取ったら先生を助けていいですか?」と美由紀に告げ、猛勉強を開始する。
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「キラキラな恋がしたい!」大学生活に、心を踊らせる都留たまき。 しかし、彼女が恋に落ちたのは《空》だった!? 高校時代、バレーボール一筋で頑張ってきた都留たまき。大学では、「キラキラな恋がしたい!」と長崎から上京するも、入学早々オールラウンドサークルの体験入部中にグライダーを傷つけてしまい、空飛ぶ部活“体育会航空部”の雑用係をすることに。思い描いていたキャンパスライフとはかけ離れた環境に、最初は不満を抱いていたが、主将である倉持の操縦するグライダーで初めて《空》へ飛び立った瞬間から、一面に広がる空の美しさに魅了されていく。 たまきは過去の苦い思い出から“体育会”を避けていた。 しかし、飛び立つたびに「もっと上手くなりたい」と空の世界に夢中になっていく。 気づけば、目標に向かってともに励む先輩の空知や同期との間にも、 固い絆が生まれていくのであった。 そこには確かに彼女の求める“充実した大学生活“が存在していた。 様々な人の想いを乗せて、たまきは大空を翔ける。 その先に待つ、過去のトラウマやライバルとの出会い、そして突然の別れ。 果たして、《空》に恋した彼女たちは曇り空を抜け、奇跡の上昇気流(ブルーサーマル)に出会うことはできるのか?。
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話題作にサブキャストとして出演してきた、俳優・ムロツヨシの映画初主演作。心優しい神父を主人公に、父と娘の絆を描いたストーリーが展開する。普段はコメディリリーフを演じることが多いムロツヨシだが、今作ではユーモアを残しつつも、観客の感動を誘うシリアスな演技を披露した。生活のため、ガソリンスタンドでアルバイトをしている神父・御堂一男(ムロツヨシ)は、娘のひかり(中田乃愛)とふたりで幸せな生活を送っていた。しかしある年のクリスマスに、ひかりが突然気を失ってしまう。すぐに病院に運ばれたが、ひかりは「白血病」と診断される。さらに、実の娘だと思っていたひかりは、妻の江津子(奈緒)と別の男との間にできた子どもだった。衝撃的な事実を知った一男だが、自分のことよりも、ひかりの治療を優先する。ひかりは一時的に回復するが、完治にはいたらず、治すためには適合するドナーが必要だった。一男は周囲の人間に頼みこみ、ドナー登録をしてもらうが、適合者は現れない。最後の策として、一男は適合する確率の高い、ひかりの実の父親を探しはじめる。
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『先生、私の隣に座っていただけませんか?』は、結婚5年目の漫画家夫婦が辿る不倫の顛末が描かれた映画だ。主人公の人気漫画家・早川佐和子を演じるのは、映画やテレビなどで独特の存在感を放つ女優・黒木華。もとは佐和子が憧れていた漫画家で、今は自分の作品が描けずアシスタントに甘んじている夫・俊夫を、柄本佑がユーモアたっぷりに演じている。そのほかに奈緒や金子大地、風吹ジュンらが脇を固める。漫画家・早川佐和子(黒木華)は、アシスタントをしている夫・俊夫(柄本佑)と担当編集者・桜田千佳(奈緒)の不倫を疑っている。折りしも母親がケガをしたという連絡が入り、佐和子は俊夫の車で実家に戻る。ひとり暮らしの母・真由美(風吹ジュン)は、ふたりがしばらく一緒に暮らしてくれることを喜ぶ。車がないと成り立たない田舎での生活。佐和子は運転免許を取るべく、教習所に通い始める。家事は俊夫と母に任せ、夜は家で新作漫画のネームを描き、昼間は俊夫の送り迎えで教習所に通う日々。ある日こっそり佐和子のネームを見てしまった俊夫は、まるで自分たちの現実を写したかのような不倫が描かれていることに驚きを隠せない。さらにそこには若い教習所の先生が描かれていて…。
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俺を警察に売ったやつを許さねえ!元組長が執念の追及で密告者をあぶり出す! 安藤昇主演でハードボイルドタッチに描くサスペンスアクション。「喜劇列車」シリーズなど、コメディ色が強い瀬川昌治監督が、シリアスな作風でも才能を見せつける。 元・相良組の組長・相良は8年の刑期を終えて出所し、古巣の銀座に姿を現した。8年前、土地ブローカーの塚本を、部下の花村・井沢らと殺害したのだが、その直後、何者かに狙撃された上、警察に密告されたのだ。相良は、殺しを依頼した大場を問い詰める。
鶴田浩二が二枚目を封印して凶悪な殺人犯役に挑んだ反体制暴力映画 鶴田浩二が眉なし、全身刀傷だらけの悪役に初挑戦した異色作。男臭い囚人たちの脱獄劇が、けれん味たっぷりの演出で展開。宍戸錠、ひし美ゆり子ら共演陣の顔触れも豪華。 明治36年。北海常こと友時常次は20人の仲間と共に釧路集治監から三池集治監に移された。そこは囚人たちから生きては帰れぬ地獄と恐れられる監獄だった。そして、凶悪な囚人の中でも特に凶暴な北海常が三池集治監に移されたのは、やむにやまれぬ事情があった。
個性豊かな博徒群像を軽快なタッチで捉えた「着流しヤクザ」の新シリーズ第1作 男の意志と仁義、涙と笑いを盛り込んだストーリーに引き込まれる。度胸と気風の良い旅修行中の渡世人を、鶴田浩二が好演。命知らずの無頼博徒が繰り広げる大決闘に注目。 大正中期、上州前橋。旅修行中の渡世人・山田角太郎は、見知らぬ老ヤクザ・南部鉄五郎を刺客の手から助け、喘息持ちの彼の頼みで金沢まで同行することに。鉄五郎は、かつて殺してしまった親分の娘に自身が敵であることを名乗るために金沢に向かっていて…。
鶴田浩二の人気曲を映画化した第3弾。仁義に生きるヤクザを描いた任侠作品 鶴田浩二が演じる男気あふれる昔ながらの任侠ぶり、その仕草にしびれる。殴り込みの前に流れるテーマ曲「日蔭者」の哀愁漂う曲調が、鶴田の色気をさらに引き立てる。 日中戦争に出征した松尾一家の鉄太郎は、傷を負ったことで日本に帰還する。一家の親分・万蔵は病床にあり、そんななか、松尾一家の中では問題が山積みとなっていた。鉄太郎の力量を買っている万蔵は、戻ってきたばかりの彼にもめ事の解決を頼む。
賞金稼ぎたちが息詰まる決闘を繰り広げる劇画調時代劇シリーズ第3弾 医者でありながら賞金稼ぎでもある主人公に扮した若山富三郎が、一振り5人、逆手に変えてまた3人と、豪快な殺陣を披露。天知茂、大木実ら豪華キャストの共演にも注目。 甲州黒戸金山より江戸へ送られる黄金百二十貫が、盗賊に奪われる。必死の捜索にもかかわらず黄金の行方は知れず。幕府は賞金稼ぎとして名高い医者・錣市兵ヱに奪還を依頼する。報酬は黄金十貫、期限は5日。市兵ヱは単身賞金稼ぎの群がる甲州路に乗り込み…。
エネルギッシュに破廉恥に獲物を漁るピチピチ娘たちを描く痛快娯楽映画 万博で賑わう大阪を舞台に、ズベ公3人組がヤクザと対抗しながら恋に金稼ぎに大奮闘。ズベ公を演じる夏純子、大原麗子、市地洋子の70年代ファッションにも注目。 大勢の人で賑わう大阪・万国博の会場にまかり出た3人のズベ公・美奈、ハツエ、サチ子は、豊満な体と美貌を武器に見物客をカモり大儲けしていた。万博で女手不足のバー街に目をつけた3人は、やさぐれグループのメンバーを動員してバー荒らしを計画するが…。
東映プログラムピクチャーの名手・小沢茂弘監督による任侠大作 高倉健、藤純子、若山富三郎、鶴田浩二ら東映オールスターが集結。我慢に我慢を重ねた主人公の怒りが爆発し、ラストの殴り込みに至る任侠映画の醍醐味を味わえる。 明治末期。新刑法制定の頃、浅草荒政一家の親分・政五郎は引退を表明し、跡目を3人の幹部のいずれかに譲ることを決意する。政五郎は本家の跡目相続と同時に、3人を分家させ縄張りをわけ与えるが、ほかの一家との争いも絡み、血で血を洗う抗争に発展していく。
誠の任侠道を貫く男たちの厳しくも切ない生きざまを描いた任侠ドラマ 菅原文太、伊吹吾郎、若山富三郎が共演。悪辣な二代目と、先代の想いを継ぐ男たちが衝突し、一家一門を割った大抗争に発展。こらえ続けた怒りが爆発するラストは壮絶。 大正末期、東京の吉原に一家を構える博徒一家の親分が引退することになった。先代は昔ながらの任侠道を守ってきたが、二代目は利と名誉を優先し、あくどい事業に手を染める。直次たち一家の若衆と、元博徒の牧師たちは、縄張り内の窮状を憂い立ち上がる。
組織からはみ出した愚連隊の意地を痛快に描く任侠アクション 『現代やくざ』シリーズでひと際存在感を放った菅原文太の暴れっぷりは本作でも健在。主人公が仲間の死に怒り狂い、敵に向かって乗り込んでいく王道の筋書に胸が高鳴る。 与太者の勝又五郎は、北見秀男らと組んで、ユスリ、タカリ、組織の上前をはねたりしながら新宿の街で次第にのし上がっていった。勝又は、ある組織から敵対組織のシマで暴れるよう依頼され、荒らし回るが、ヤクザ同士の思惑から、結局放り出されてしまう。
討たねば討たれる、殺さねば殺される…。大奥で巻き起こる三姉妹の愛憎物語 華やかな大奥で巻き起こる抗争を描いたシリーズ第3弾。大奥三姉妹に佐久間良子、淡島千景、大原麗子、十一代将軍・家斉に田村高広を配した豪華なキャスティングだ。 十一代将軍・家斉は、お褥辞退をした御台所に代わり若年寄・浅岡の部屋子お阿紀を望んだ。お阿紀は浅岡の義妹で、浅岡は野心を膨らませる。お阿紀を気に入った家斉はほかの愛妾を遠ざけてしまい、事態を重く見た大年寄・松島、若年寄・藤尾らは激しく憤り…。
命知らずの極道が痛快にのし上がる姿を描いた「前科者」シリーズ第2弾 1作目と同様に監督・小沢茂弘、脚本・笠原和夫がタッグを組む。若山富三郎のコミカルな演技が物語に笑いを生み、血なまぐさいだけではない作品に仕上げている。 石工の木口竜兵は代貸しの組員を手に掛けて前科者となった。刑務所から出所した彼は獄中で知りあったヤスと香典荒らしをしていたが、浅草四天王親分衆の1人、神谷に見破られてしまう。そして、ヤスが捕らわれてしまったことで神谷組に乗り込むが…。
伊豆温泉町の支配を企てる悪徳一家人の代貸が力を合わせ闘いを挑む 梅宮辰夫、若山富三郎、鶴田浩二が3つの組の代貸に扮し、男の友情と侠気を演じ悪に挑む。迫力あるアクションシーン、白木マリ、山城新伍ほか豪華共演者たちにも注目。 大陸での兵役を終え、伊豆・平津港に帰郷した2人の男・大室と船越。彼らは反目しあう渡世人一家のそれぞれの代貸だった。平津の中西一家と湯の沢の石黒一家は滝ヶ瀬温泉の利権をめぐって敵対していた。中西による妨害行為を機に、双方に流血騒ぎが起こり…。
若山富三郎扮する浪人・しころ市兵衛が颯爽と活躍する「賞金稼ぎ」シリーズ第2弾 工藤栄一監督が息つく暇もないほどのスリルと迫力で描いた娯楽時代劇。前作『賞金稼ぎ』で八方破れの活躍を見せた若山富三郎が、再び無敵超人・市兵衛に扮して暴れまくる。 しころ市兵衛のもとへ領主・大関佐渡守に対し一揆を起こした野洲黒羽領榎村の百姓・新八たちが訪れる。必死の助力願に市兵衛たちは、野州へ乗り込んだ。翌朝、降伏を強要する敵の軍使の陣笠を賞金稼ぎの朝海が射抜いたことから、戦いの火蓋が切られる。
父と弟を謀殺された娘が、復讐の鬼と化して旗本の命を狙う時代劇 中川信夫監督による『妖艶毒婦伝』シリーズ第2弾。復讐に燃えながら人斬りの喜びに目覚めていく主人公と、主人公を恐れながらも悪の本性を隠さない敵の人物描写が壮絶。 甲府勤番頭・塩崎嘉門は、己の野望のためには手段を選ばない男。ある時、甲源一刀流道場主・真壁弥兵衛に悪事を叱られ、露呈を恐れた塩崎は弥兵衛を殺す。さらに娘のお勝を犯し、牢に押し込め、江戸へ帰参した。お勝は怒りに燃え、塩崎への復讐を誓う。
軍人や御用ヤクザばかりが羽振りを利かす横須賀を、ドスと手榴弾でぶっ壊す! 『前科者』シリーズ第3弾。若山富三郎が血気盛んに大暴れを繰り広げる痛快娯楽作。敵対する組織との攻防の末、仲間を次々と殺された主人公が猛り狂うラストに意気高揚。 昭和初期、岩木松吉が10年の刑を終えて出所。松吉は、昔の仲間である中井組の中井光男を頼って横須賀にやってきたが中井は殺され、組は解散、中井の妹は料理屋の女中になっていた。中井のシマは島中組が仕切り、背後で海軍機関の赤心会が糸を引いていた。
渡世に命を懸ける男たちの哀歓を雄大なスケールで描いた任侠映画 高倉健、鶴田浩二、若山富三郎、藤純子、水野久美など、東映任侠映画のオールスターが集結。大正末期の浅草を舞台に、任侠の男たちが義理の嵐に身を委ね、命を懸ける。 大正末期、浅草三社一家の親分・三田政之助が何者かに闇討ちされた。犯人は背中に大蛇の刺青を背負った渡世人だったという。若者頭の菊野仙三が二代目を継ぐなか、刑務所から出所したばかりの三社一家の代貸・稲垣長吉は、親分の敵を求めて旅に出るのだが…。
鶴田浩二、丹波哲郎、梅宮辰夫という三大スターが競演した現代任侠巨編 250団体、5千人を率いる最大組織のボスとして真の任侠道を貫き、組織を守り抜いた鉄の男の壮絶な生きざまを実録タッチに描出。監督は任侠映画の名手・佐伯清。 昭和27年、極道の世界では関西の藤政組と関東の大嶋組が、日本を二分する形で対立していた。そんなある日、藤政組組長の政五郎が刺客の凶弾に倒れる。東西が対立するのは好ましくないと主張していた政五郎は、大嶋組のヒットマンに狙われたのだ。
裏切りと謀略が渦巻く暗黒街を殺し屋がライフル銃ひとつで渡り歩くハードボイルド作品 鶴田浩二主演による「暗黒街」シリーズ第2弾。繰り返される裏切りと報復、殺し屋としての仕留め方、冷徹な一方でふと垣間見せる人間味など、緩急交えた展開にしびれる。 一匹狼の殺し屋・相良徹は、雇い主だった花輪の裏切りで投獄された。刑期を終えた彼はすぐさま花輪に復讐を果たすが、立ち去る際、1人の少年に見られていることに気づかなかった。徹は新しい雇い主に、麻薬販売の競争相手を殺害するよう依頼されるが…。
盃を交わした兄弟同士が渡世のおきてのために殺しあう任侠アクション 梅宮辰夫、待田京介、高倉健ら『暗黒街大通り』で共演した3人のスターが揃う。非常な渡世のおきてと運命に翻弄される男たちのシリアスなストーリーに息をのむ。 渡世人の竜次郎は綱島一家の綱島剛平に命じられ、渡世の義理で明石一家の親分・喜之助を叩き切る。明石一家の吉岡良吉は竜次郎を敵として狙うがそれを果たさず、逆に竜次に惹かれていく。そんななか、綱島一家の明石一家に対する迫害は厳しさが増していき…。
井上梅次監督、ビッグスター共演によるハードボイルドギャング巨編 主演の3兄弟役の高倉健、梅宮辰夫、待田京介のみならず、悪役も東映のお馴染みの顔触れが揃い踏み。復讐に燃える男たちの生きざまとアクションが男心をくすぐる。 3兄弟・鉄也、銀二郎、健三は子供の頃に博徒であった父を失い、その原因となった中万組と愚連隊の抗争の手打ち式に子供ながらに乗り込んだ。その不敵な面構えは、親分衆たちの目を引いた。それから十数年後、一人前になった3兄弟が東京に姿を現す。
五味川純平の原作小説を実写化した、野望を抱く男女のドラマ 佐久間良子と天知茂が共演し、欲望をむき出しにしてのし上がろうとする男女を描く。若き佐久間良子の色気とニヒルな天知茂の演技が、ドロドロの物語に上品さを加えている。 百子の家族は親戚にだまされて財産を奪われ、彼女を残して死んでしまった。ひとりぼっちになった彼女は洋裁店で働きながら、復讐の機会をうかがっていたが、そんな折に若き野心家・千種に出会う。百子に魅了された彼は、その復讐心に興味を抱いて手を貸す。
村田英雄が主演を務めた、男の友情と意気地を描いた任侠ドラマ 北島三郎や長門裕之、そして友情出演の鶴田浩二が脇を固める。ヤクザ同士の利権争いの模様や、その後の妨害工作など、ハラハラする展開をマキノ雅弘監督が映し出す。 天丸組親分・登喜蔵は逃走中の旅がらす・菊次郎を助ける。そんな折、鉄道建設の請負入札が行われる。一番高い入札をした登喜蔵は国を思う気持ちを関西鉄道の若月課長に買われ、賄賂を使う竹部組を抑えて勝つ。しかし、熊蔵は竹部組の妨害を恐れ…。
庶民の英雄・金さんが、大悪人を相手に颯爽と暴れまくる娯楽時代劇 片岡千恵蔵の十八番「判官」シリーズの1作。威勢の良い啖呵と遠山桜の刺青で大悪人を裁くさまが痛快。金さんに首ったけのお景を丘さとみ、お半を木暮実千代が演じる。 贋造小判が氾濫し、御禁制品が抜け荷買いされ、加賀百万石では陰謀と罪悪が渦巻いていた。遠山家では金さんの父が抜け荷買い一味と通じていたと疑われ、長崎奉行の地位を追われてしまう。金さんは真相を確かめるべく、孔雀長屋のお景、丑松をお供に動きだす。
昭和の大スター・美空ひばりが女優としての魅力を十二分に発揮した感動大作 政略に翻弄され数奇の運命をたどる千姫を演じた美空ひばりの劇的名演技に圧倒される。豊臣秀頼役の中村錦之助、時代劇初出演となる高倉健が秀頼の家臣・片桐隼人を好演。 幼くして政略結婚の犠牲となり、豊臣秀頼に嫁いだ徳川家康の孫・千姫。愛する夫・秀頼は、大阪城落城と共に23歳の若さで自決。千姫はその秀頼を追って果てようとしたが、家康の命を受けた坂崎出羽守によって猛火に包まれた城から救出され…。
五代将軍綱吉の世を舞台に、名絃「山彦」が巻き起こす剣と恋を描いた痛快時代劇 吉川英治の原作を『たつまき奉行』の名匠・マキノ雅弘監督が映画化。大川橋蔵が二役を演じ、爽快な敵討ちに恋にと豪華絢爛な元禄絵巻を展開。共演に大川恵子、丘さとみ。 名絃“山彦”を望む大老柳沢の申し出を断ったため、父親が不慮の最期を遂げたという娘が、壇ノ浦の戦いに敗れ伊那平家村に暮らす一族の嫁に迎え入れられた。朝敵を討つ機会を待っていた伊那平氏の小源太は、この話を聞きその鋒先を柳沢に向け江戸に入るが…。
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新たな殺陣に挑み、芸の道に身をささげる殺陣師・段平の苦闘を描いた芸道映画 長谷川幸延の原作を黒澤明が脚色し、映画化。段平が無学の悲しさからリアリズムの精神を掴めぬままに師匠と決別し、悲劇に遭いながらも殺陣に没頭する姿に涙する。 新しい時代の芸風を舞台に表現して演劇界に新境地を拓き、新国劇の基礎を築いた沢田正二郎と、新時代の波に取り残されながらも芸道一筋に生きる段平。2人の美しい師弟愛を軸に、段平の妻・お春の至純の愛を通じて芸道芸術に生きる人々の真剣な姿が描かれる。
第二次大戦末期の沖縄。戦列に加わり、はかなく散っていった学生たちを映した戦争映画 映画『ひめゆりの塔』の姉妹編とも呼ばれる作品。日本の勝利を信じて出兵した学生たちが、最前線の悲惨さに心を折られ、絶望に飲まれていくさまが無慈悲に描かれる。 昭和20年3月の沖縄。本島はアメリカ軍に取り囲まれ、戦況は最終局面にあった。追い詰められたなかで、女学生は臨時看護婦として野戦病院へ、中学生たちは現地動員の兵として戦列に立つ。だが壊滅状態に追いこめられるにつれ、学生らの精神も摩耗していった。
櫛木理宇の同名ミステリー小説を映画化。阿部サダヲが連続殺人犯役を、岡田健史が孤独に真実に迫る大学生役を演じた。2022年5月公開。三流大学に通い、孤独で鬱屈した日々を送る筧井雅也(岡田健史)。ある日、中学時代に知り合ったパン屋の主人・榛村大和(阿部サダヲ)から手紙を受け取る。榛村は現在、少年少女24人の連続殺人犯として死刑判決を受けているのだ。決まった時間に仕込み、開店するパン屋の仕事と同じように、決まった手順で決まった拷問をおこない、計画的に犯行を繰り返していたのだという。面会に訪れた雅也に榛村は、立件・起訴された9件の殺人事件のうち最後の1件について、冤罪だと主張する。刑務所から動けず弁護士も信頼できない自分の代わりに、真犯人を見つけてほしいと雅也に頼んできた。中学時代に榛村から受けた恩や、捜査の進展を榛村に褒めてもらえる嬉しさもあり、雅也は最後の殺人事件の真犯人を独自に調査しはじめる。捜査中に何度も出会う髪の長い怪しい男(岩田剛典)の正体とは? 最後の殺人事件の真犯人とは、一体誰なのか? 稀代の心理ミステリーが幕を開ける。
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彼女のために長髪同盟を破り、髪を切ることにした男子高校生の成長譚 彼女に自分のどこが嫌か聞くと「髪」と言われ、長髪同盟を破ることにした男子高校生。とぼけた人たちが、ふと見せる笑み、困惑、怒り、そして涙。さまざまな感情が凝縮。 「僕のどこがイヤ?」と聞いたら、愛しの彼女は「髪」と言った。ならばと、長髪同盟を破り、髪を切ることを決意した男子高校生。彼の思いに、とぼけた人間たちが笑みを見せ、困惑や怒りの感情を抱き、涙する。そんな素晴らしい瞬間が凝縮されたコメディ。
兄に激しい執着心を抱く妹の愛情の行方を描いた兄妹愛ドラマ 自主制作映画に伴う「暗いイメージ」を払拭する意味も込め、監督の天野千尋がアブノーマルなテーマにユーモアを交え、ポップな映画に仕立てた。PFFアワード2011入選作。 嫌な顔ひとつせず引きこもりの兄の世話をし、大らかに見守りながらも自立を促すしっかり者の妹。そんなある日、久方ぶりに外に出た兄に、すぐさま意中の女性ができる。この瞬間、妹の心に兄の裏切りに対する怒りと、交際相手に対する猛烈な嫉妬心が生まれ…。
就職活動に苦戦する女性の日常をユーモラスに描いたドラマ 監督は『恋とさよならとハワイ』の松村真吾。悲喜こもごもある日常の中で、女性が可憐に輝く姿に観る者は共感し、エールを送りたくなる。PFFアワード2009入選作。 いいことなんて何ひとつない日々。「働かなくては」というストレスに押しつぶされそうになりながら、就職活動に精を出す28歳の純子。今日もまた、新たな就職口の面接へと出かけていく。そんな風にして、彼女は毎日をひたむきに生きている。
主人公と街、そして人との結びつきを優しいまなざしで描いた短編映画 父親の再婚話を聞かされた主人公の心の揺らぎを、彼女が生きる街の風景を捉えた繊細な映像美と共に映し出した珠玉の人間ドラマ。PFFアワード2008の入選作品。 妻に先立たれた父親が単身赴任中のため、姉と2人暮らしをしている女子高生の陽(ハル)。ある日、彼女は父親の再婚話を聞かされる。父親のためにマフラーを編み続けていた陽は、衝動的にマフラーをほどく。そのかたわらには、陽を見詰める姉の姿があった。
突然やって来た外国人との異文化コミュニケーションを軽快に描いたドラマ 監督は『くらやみ祭の小川さん』の浅野晋康。主演の服部竜三郎の演技が高評価を獲得。PFFアワード2006入選作。日本アカデミー賞ノミネートの撮影監督・月永雄太も参加。 ある日、ユウジのもとに外国人のニコルが訪ねてくる。彼は妹・ナオミの留学時代の友達で、カナダから彼女に会いに来たと言う。ユウジが外国人の来訪に困惑するなか、ナオミが帰宅。彼女はニコルとの再会を喜ぶが、ニコルは突然ナオミに愛の告白を始め…。
中学3年生の息子と初めて同居生活をすることになった中年男の物語 学生時代の恋人との間にできた子供、しかも中学3年生になって初めて一緒に暮らすという父子のぎこちなさがリアル。そんななかでもうかがえる、血縁故の絆が胸に染みる。 1人の男が車を走らせる。向かう先には、中学生になった息子がいた。彼は男が学生時代に付き合っていた恋人との間に生まれた子供で、身寄りを亡くし、血のつながった父と暮らすことになった。弾まない会話、ぎこちない素振りで、2人の同居生活が幕を開ける。
元仕事仲間の奇妙な遺書に導かれて進む、男女2人の不思議なドライブ旅 不思議な遺書の内容を追いながら、行く先々で見て、聞いて、感じたものをスタイリッシュに描いていく。音楽と映像のハーモニーが絶妙で、見ていて心地良くなってくる。 入院中の糸井から、元仕事仲間の男女2人に送られた遺書。その内容は、するべき行動を細かく指示するもので、読んだ2人には何を意味しているのか理解できなかった。結局、彼らは指示の通りに旅を始める。どこにたどりつくのかもわからないまま…。
PFFアワード第28回審査員特別賞受賞、1台のバスに乗りあわせた人々を描いたドラマ 押井守や深作健太作品に関わり、乃木坂46のMVなどの透明感のある映像で定評のある湯浅弘章が監督を務める。川井憲次が作曲した劇中のフルート曲も必聴だ。 放課後、出産間近の母親が入院する病院へ見舞いに通う少女。病院を脱走し、別れた妻に会うために道を尋ねる老人。同級生から万引きを強要される、いじめられている少年。そんな3人が同じバスに乗りあわせた、ある夏の午後の出来事を描く。
ダム開発によって父と故郷の村が沈んでしまった娘の孤独と愛を描いたドラマ 不幸な境遇によって孤独を抱える女性の愛を、児玉和土監督が日本独特のエロスも取り入れながら描写。ヒロインを務めた柳有美の憂いを帯びた表情に引き込まれる。 1週間前にためた湯船に浸かる。うがいの水量は50mL。1日に飲む水は600mL。ダム開発によって故郷を失い、ダム決壊事故で父を失ってしまった女性は水を使うたびに失われた命を思う。やがて、それは彼女の足かせとなり、体の機能まで乗っ取っていく。
PFFアワード第30回入選作品、3人の共同生活を描いたロードムービー 初対面同士の男の会話劇かと思いきや、一転して男たちが旅を繰り広げる展開が面白い。追い詰められている状況だが、なぜかのんきな空気感のギャップも良い。 食わせ者のKと人見知りのN。そんな2人が同居している家に自己中のTが参入することになった。3人はまるでボードゲームの駒のように日常空間を広げていく。しかしある日、その中の1人が突如家からいなくなり、想定外の旅を始めることになる。
水木しげるを作る女性人形作家・えりも。その制作活動に密着! 人形作家・えりもの制作活動を追ったドキュメンタリー。人形の制作風景のみならず、悩みや不安を吐露する姿などを捉え、彼女の人間的魅力に触れさせてくれる。 人形作家という特殊な職業に就いている23歳の女の子・えりも。大(Oh!)水木しげる展より、等身大の水木しげる人形の制作を依頼された彼女の日々の出来事や水木しげる本人との会話、人形の制作風景が全編彼女自身のナレーションで進行していく。
怪人と看護師VS変態ストーカー男!?謎の怪人と看護師の奇妙な交流を描いたコメディ インディーズ映画界で活躍する小林でび監督が、脚本・出演ほかを務めたデビュー作にしてPFFアワード2005入選作。怪人の奇妙な設定と看護士のとぼけたキャラが楽しい。 勤務が終わって晴れ晴れした顔で家に帰る看護師の女性が、部屋のドアの前で会ったのは血まみれの怪人。救急車を呼ぼうとする女性を振り切り、逃げようとする怪人・シニミズハカセは、女性に誘われ、なぜか家にあがることになる。すると、突然電話が鳴り…。
PFFアワード第27回審査員特別賞受賞作。虐げられた子供たちが反旗を翻す! 主演の2人の子供たちの演技が見事。特に父から異常な愛情を向けられる少年役・角田紳太朗の表情が良い。彼らを取り巻く鬱屈とした環境の描き方も異常ながらリアルだ。 東京都鹿骨に住んでいる小学5年生の唯生と幼馴染みの彩。唯生は自分に異常に執着する父親と、それに気づかないようにしている母の3人暮らし。一方、母と2人暮らしの彩は、男好きの母親から疎まれている。家に居づらい2人は、一緒にある遊びをしていて…。
娘に迫る危ない義父…。石川真吾監督が衝撃の実話をもとに描いた問題作 石川真吾監督が鉄やガラス片を食べて精神病院に入院した女性の実話をもとに描いたPFFアワード2005入選作。心の安らぎを失った少女の突き刺さるような心の叫びを描き出す。 母親が実家へ帰ってしまい、義父と2人で暮らすことになった女子高生の佐代子。その日から義父は佐代子を観察し、食事している姿を写真に撮り、変質的に佐代子を追い回すようになった。義父は佐代子に「おとうさん」と呼んでほしいなどと言い、関係を迫り…。
記憶喪失になった兄と身重の妹との関係を不可思議な感覚で描いたドラマ 『寝てるときだけ、あいしてる。』の川原康臣監督が、記憶を失くした兄とその妹を軸に、絶望を抱えて生きる人々とわずかな希望を描く。PFFアワード2005 審査員特別賞受賞。 行方不明だった兄が、ある日突然1人で暮らす妹のもとに帰って来た。だが、兄は自分がこの家に住んでいたことさえもうろ覚えで、全ての記憶が曖昧だった。さらに、覚えたことをすぐ忘れてしまう症状まである。妹は何とか兄の記憶を取り戻そうとするが…。
料理ができ上がっていく過程をテンポ良く描いたドラマティック・レシピストーリー ヒロインが音楽に合わせて踊りながらロールキャベツを作る姿が楽しい。監督は本作が初監督作となる熊谷まどか。PFFアワード2005 ベスト・エンタテインメント賞受賞。 アル中気味でダラダラと過ごしているレイコ。ある日、彼氏のヒロシが家に来ることに。料理上手なレイコは、ヒロシのために大好物のロールキャベツを作り始める。大張り切りのレイコは足りない材料を買いに出かけるが、戻って来た彼女を待っていたのは…。
危ない出会いをした3人の奇妙な交流を描いた青春ドラマ ひょんなことから行動を共にすることとなった3人それぞれが、お互いを支えとしながら心に抱えていたことと向きあい、自身の力で解決していく姿が観る者の胸を打つ。 ピッキングをして、あちこちの家に入っては盗みを繰り返している2人組の男。ある日、2人がピッキングに入った家を物色していると、その家に住む女の子がトイレで倒れているのを発見する。彼女は終わりかけのゲームのような恋に傷ついた女子大生で…。
青春は一度限り…ではない?ループする日々を生きる高校生を描く'80年代風学園ドラマ 同じことを永遠に繰り返す漫画の中の登場人物たち。そのことに気づいてしまった主人公は…。ユニークな世界観が観る者を引き込む。PFFアワード2004 企画賞、観客賞受賞。 漫画を描く4人の女子高生。漫画の主人公・しのぶは、藤原先輩に一目惚れした高校生2年生だ。しのぶは仲良しの玉ちゃんと楽しいことだらけの高校生活を満喫していた。そして春。しのぶは藤原先輩に告白できないまま、先輩は卒業してしまうはずだったが…。
廃墟のような病室に閉じ込められた2人の男女を描いたドラマ なぜ閉じ込められているのか、2人は何者なのか、などの説明は一切なく、ミステリアスな展開に引き込まれる。女の力を借りて無気力な男が心の殻を破るまでの心情に注目。 廃墟のような病室で女は目を覚ます。彼女はベッドの下に不思議なギプスを付けた男・ツブロが倒れているのを見つけてひきずり出す。女は病室のドアを開けようとするがビクともせず、助けを呼んでも返事はない。女は一生懸命外に出ようとするが…。
これは現実なのか、夢なのか。男女のカップルは曖昧な世界を彷徨う 2004年PFFアワードの審査員特別賞受賞作。美しい新緑の映像、役者が体全体を使って表現した躍動感が観る者を刺激。動揺する胸中を、浮世離れした出来事で象徴的に描出。 レストランで食事をするカップル。店を出て、これから遊園地に出かけようとしたその時、いきなり通行人に車をぶつけてしまう。しかし、2人は車を止めようともせず、そのまま走り去る。ひき逃げしたことに動揺していたのか、道に迷ってしまう。
ずっと一緒にいるために誰かを殺そう。カップルは重大な秘密を共有したはずだったが… 2003年PFFアワードで審査員特別賞を受賞。脚本・演出はさまざまな感情を喚起させるように工夫されている。ほんわかした雰囲気を漂わせつつ、どんでん返しもしっかり。 成田空港に向かう電車の乗換駅で、若い男が若い女に声をかける。「空港に元彼を見送りに行く」というその女は、自分と元彼・キクチの思い出を話し始める。引きこもりだったキクチは女と出会って外出するようになったが、女はずっと一緒にいてほしくて…。
人生で一番幸せだった時間。今感じている光は、現実なのか幻覚なのか? 湯浅弘章監督が、人生の光と影、生と死、出会いと別れ、善と悪が作り出す“流れ”を表現。せりふがなく、幻想的なものとショッキングなものの温度差でイメージを具現化。 闇の中で目を覚ます男。今、自分がいる時間や空間の境界線は曖昧だが、幼い日のある夏の記憶が鮮明に蘇り、彼の思考はそこに向かって流れていく。母が自分を置いて出て行った日、8ミリカメラを拾った彼は、近所のバレエ教室に通う少女と出会う。
なかなか理解されませんが、俺の彼女は最高です。不器用で真っすぐな愛を描くドラマ ある人にとってはどこがいいのか全くわからなくても、自分にとっては最高の恋人。その“最高”の部分を巧みに表現した佳作。PFFアワード2003 音楽賞受賞。 AV女優・なお美と同棲しているAV監督・浅野。ある日、会ったこともなかった弟(?)が現れ、一緒に暮らすことに。ひと言もしゃべらない弟だったが、なぜかなお美は気に入ったらしく、弟も彼女に心を許すように。そんななか、撮影現場である事件が起こり…。
亀渕裕監督がユニークな映像表現で少女たちの何気ない日常を描いた人間ドラマ 亀渕裕監督が自由で大胆、個性あふれる映像表現で、生き生きとした女子の魅力と感情、彼女たちの切ない物語を描き出す。PFFアワード2002で審査員特別賞と音楽賞を受賞。 幼馴染みの品川、青山、琴村、川瀬は、店長のいない貸しスタジオで一緒にアルバイトをしている。単純に仲が良いとは言えないが、同じ部分を確かめあうのでなく、違う部分を出しあう不思議な友情でつながっていた。しかし、別れは突然、やってきた。
恋する者の格好悪さと切実さという普遍を伝える玉野真一監督の短編 ストーリーでもイメージでもテーマでもなく、ある種の衝動を正直に映像化した作品。人を好きになったものの、感情や性欲をどう捉え、放出していくかをユーモラスに伝える。 街中の階段を、坂道を、ただただ転げ落ちていく男。転げ続けた先には、1人の女が立っていた(「よっちゃんロシア」)。真夏の墓地である墓石の前でエールを送る主人公。「行け行け、アキヤマ〜」と叫び続ける理由とは?(「残りもの」)。
昭和20年代を舞台に、「日本人らしさとは?」を描いたドラマ 妻の死、不思議な力を手にした息子、赤い鳥居…。オカルト作品を思わせる作りから、「日本人とは?」というテーマへと巧みにつなげていく。PFFアワード2002入選作品。 昭和20年代後半。妻を亡くし、息子に國男と暮らす杉田には悩みがあった。妻の死を機に、常識では考えられない変化が國男に起こり始めたのだ。医者に診せるが、悪いところは見つからない。医者が帰った後、杉田は見るはずのない景色を次々と目の当たりにする。
恋人を独占したいと願う女性が壊れていくさまを描いたドラマ 愛情と嫉妬の振り幅についていけず精神の均衡を失っていく女性を山下征志監督がリアルに描写。ヒロイン・かないまりこの熱演は、物語の夢と現実の境目がわからなくなる。 ファッションデザイナーのアシスタント・浦山ユキコは、留学のために語学学校に通っていた。そして、男性教師と関係を持つように。奥手なユキコだが、貧欲な“センセイ”によって心身共に変わり始める。ある日、ユキコは“センセイ”に呼び出されるが…。
お互いの中に共通する深い虚無感を見つけた男女の行き着いた場所とは? 藤川佳三監督が乾いた視線を保ちながら、ロケーションや細部の音にまでこだわり描いた人間の虚無感と絶望。死のイメージ映像が生のしたたかさを鮮やかに浮かび上がらせる。 長い道のりをさまよい歩く少女は、気づけば人気のないニュータウンにいた。そこへ、保護観察員だと名乗る男が声をかけ車に乗せる。男は団地の管理人で、乱暴目的で女性に声をかけるのを日課にしていた。男と少女はお互いの中に共通する深い虚無感を見つけ…。
治ることのない傷を心身に負った夫婦の再生を描いたヒューマンドラマ 古本恭一監督が「子供の死、失明、夫婦の危機」というシリアスなテーマを、重過ぎず、暗過ぎず、明るい応援風でもなく、誠実に多くの人の心に染みる作品に仕上げている。 タクシー運転手・島は交通事故で幼い2人の娘を奪われた。車を運転していた妻は視力を失ってしまう。妻の退院の前日、図書館の職員を名乗る男性から「本を返却してほしい」という電話が入る。島がその本を探しだすと、中から数字を羅列したメモが出てきて…。
別れた恋人との関係を見詰め直そうと、1本の映画制作に乗り出した男を描くドラマ 監督は『恋するけだもの』の白石晃士と近藤太。恋愛をテーマにしていると見せながら、真実を追究する意味と残酷さを巧妙に描く。PFFアワード1999準グランプリ受賞作。 映画監督を志す町田は、新品のビデオカメラを回しながら恋人の夕希子がいるかもしれない見知らぬ男の部屋へ向かう。結局2人は別れてしまうが、大本の原因は自分にあったのではないかと考えた町田は、2人の関係を見詰め直すべく1本の映画を作ろうとする。
専門学校生・福田さんと友人にまつわる日常のエピソードを綴るオムニバス 監督の福田さんに対する強い興味と信頼により制作されたオムニバス。“世界は監督の目を通すとどう見えるか”ではなく、“福田さんの目を通すとこう見える”を提示する。 岐阜県にあるマルチメディア専門学校2年生の福田さんは、ほんわかとした雰囲気と良いセンスと思いやりの持ち主。福田さんのもとに実家から蟹が届き、友達を呼んで蟹鍋をすることに(「日曜日」)。福田さんが友達の大事な茶碗を割ってしまう(「かけら」)。
近くて遠い人と人とのコミュニケーションを題材にしたヒューマンドラマ “超能力らしきもの”で出会った3人が離れた場所で会話するシーンは絶妙。それぞれのキャラクターと共に、空間の距離と時間の同時性が見事に伝わってくる。 冬の午後、クミは冗談半分である実験を遂行する。“離れていても特定の人の声が聞こえる超能力らしきもの”を自身が持っているようなので、仲間を探そうと思いついたのだ。すると、サツキとミノルという2人の男がやってきて、3人はその秘密を楽しむが…。
築50年のハイツムコリッタで暮らし始めた孤独な青年・山田。 底抜けに明るい住人たちに出会い、ささやかな幸せに包まれていく。 山田(松山ケンイチ)は、北陸の小さな街で、小さな塩辛工場で働き口を見つけ、社長から紹介された「ハイツムコリッタ」という古い安アパートで暮らし始める。無一文に近い状態でやってきた山田のささやかな楽しみは、風呂上がりの良く冷えた牛乳。そして、お米が買える給料日を心から待ち望んでいた。ある日、隣の部屋の住人・島田(ムロツヨシ)が風呂を貸してほしいと上がり込んできた日から、山田の静かな日々は一変する。 できるだけ人と関わらず、ひっそりと生きたいと思っていた山田だったが、夫を亡くした大家の南(満島ひかり)、息子と二人暮らしで墓石を販売する溝口(吉岡秀隆)といった、なぜだかハイツムコリッタの住人たちと関わりを持ってしまい…。一緒にご飯を食べたり、笑ったり、そんな楽しい日々の中、ある日山田が北陸の町にやってきた「秘密」を住人たちに知られてしまい?。
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パパ活の取材を敢行した男が「本当のパパ」に喝を入れられるドラマ パパ活をきっかけに始まる、おじさん同士の奇妙なデートを描いている。松本花奈監督により、杉山ひこひこ、森啓一朗のおじさんコンビが魅力的に映し出されている。 ある日、売れない脚本家・倉本のもとにオリジナルのネットドラマの仕事が舞い込む。その題材はパパ活だという。どうにかこのチャンスを掴むべく、ひとまず取材の一環として倉本はパパ活アプリに登録する。そして、そのアプリで女子大生と知りあうが…。
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街角の奇妙なシチュエーションの中華食堂を舞台にしたホラードラマ 食堂の店主が赤ちゃんを抱えているというユニークなビジュアルが興味をそそる。一見コントのような笑える作品と思いきや…という展開を秘めた“赤ちゃんホラー”に注目だ。 ある食堂に入った1人の男。そこでは元気の良い店主が1人で切り盛りしていた。その店主は生まれたばかりの赤ちゃんを抱きながら仕事にいそしんでいた。お腹が空いて早く食事を食べたい男と、泣きわめく赤ちゃんに苦労させられる店主だったが…。
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時を越えた男がたどりついたのは?未来を孤独に生きる男を描いた短編SF 人類滅亡後の世界を舞台にしているがそのロケーションが見事で雰囲気たっぷり。1人で生存者を探す男とAIのやり取りが面白く、佐古真弓のAIの声も非常にマッチしている。 人類史上初の時間旅行に旅立った男。時を越えた彼がたどりついたのは、人類が滅亡した後の地球だった。それ以来、男は毎日人類の生き残りを探し歩くが見つからない。そんな男の孤独を埋めてくれるのは、人工知能が搭載された1台の機械だったが…。
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人形アニメーション作家・飯塚貴士が監督を務める、動物たちの紙人形劇 かわいらしい紙人形で脱力感満載の会話劇を描く。シュールな絵を彩るバウムアンドクーヘンの役者陣による語りと、監督が務める聞き手役の掛けあいが面白い。 大切なことは人それぞれ。そうあって良いはずなのに、そうはさせてくれないような世界に住む生き物たちが送る人生のこぼれ話。休み、遊び、仕事の、あなただけのトリニティを見つけて元気を取り戻し、現代社会を乗り越えていく時は今だ。
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入社面接は、会社と就活生のだましあい?面接に臨んだ男女の行方とは… 監督の船曳真珠は、ブラック企業が滅びるといいなあ、でもその前に人類が滅びちゃうかもなあと考えながら作ったという。誰もが経験する入社面接をシニカルに描出。 夏、とある男女が就活にいそしんでいた。暑くても我慢してリクルートスーツを羽織り、面接会場にやってくる。面接室に通されると、やる気のなさそうな面接官が鎮座していた。聞かれたことにはシミュレーションしたとおりに答えていくのだが…。
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おばあちゃんが入っているこたつにみんなが集まってきて団らんが始まる 本広克行が演出した舞台「FABRICA」の脚本を手掛けた高井浩子が監督。オーソドックスな物語を大胆な演出で紡ぐ意気込みを評価されている。高井映画常連の山崎美貴が出演。 こたつにあたって毎日英会話の勉強をしているおばあちゃん。何と、来年の春にニューヨークに行くつもりらしい。暖かいから入りなよ。そんなおばあちゃんの気持ちに寄り添うように、家族たちが集まってくる。こたつを囲んだ、冬の家族の物語がここにある。
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カルト宗教信者の元ソープ嬢ゲットのため、3人の男たちが死闘を繰り広げる 元ソープ嬢で、今は熱心なカルト宗教信者の女を主人公に、彼女の愛を勝ち取ろうと必死になる3人の男たち。彼女の一番大事なものは何なのか、必死になる姿に注目。 元ソープ嬢で、今は熱心なカルト宗教信者の女を好きになった3人の男たち。何とか彼女の気を引こうと、3人は彼女の一番大事なものは何かを探ろうとする。果たして、愛?金?それとも神か?3人は彼女の愛を勝ち取るために、死闘を繰り広げるが…。
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「ぱ」しかしゃべれなくなった妻と「ま」しかしゃべれなくなった夫の物語 『トラさん 僕が猫になったワケ』の筧昌也監督作品。なぜかよだれかけ×赤ちゃん言葉しか話せなくなっていた夫と妻。よだれかけ姿の2人のやり取りが何ともシュール。 二日酔いで起きた夫。すると、彼の首から不思議な「よだれかけ」がかかっていた。そして、何なぜか「ま」しか言葉が出ないことに気づく。やがて、妻も「ぱ」しか話せなくなっていた。平均的な家庭を築いてきた夫婦に今必要なものとは何なのか…?
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トランシーバーを通じて旧友と再会した2人の男の会話とは? 『南瓜とマヨネーズ』の冨永監督が描くシュールな世界。撮影現場で紛失したトランシーバーを発端に、奇妙なストーリーが展開していく。小気味良い音楽と役者の演技に注目。 とある映画の撮影現場。部下がトランシーバーを紛失し、沖合の岩礁を捜索していた2人の男。そんななか、落としたはずのトランシーバーから返信が…。それは、プロデューサーの旧友の声だった。トランシーバー越しに因縁の再会をした2人は会話をするが…。
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あの丘には「何か」がいる…。どす黒い感情が良からぬものを呼び寄せる短編ホラー 『女優霊』や『リング』などの脚本で知られる高橋洋の監督作。タイトルとなっている丘や金網、水滴などを観念的に恐怖に結びつける、まさにジャパニーズホラーだ。 理沙は幼い頃から魅入られているものがある。それは自宅から臨むことができる、奇妙な丘。彼女は丘に魅了されるあまり、異界との交感を試みた。一方、姉のかおりは、理沙の夫と共謀して妹を毒殺。だが夫は罪悪感にさいなまれ、理沙を蘇らせようとするが…。
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内田伸輝監督、家庭内で繰り広げられる暴力を描いたドラマ 夫からの暴力というプレッシャーに支配される妻の姿を生々しく描出。その緊迫感と家という檻に閉じ込められた妻の閉塞感に息が詰まりそうになること必至だ。 愉歌子は夫である勝にしつけをされていた。小さなことで愉歌子を責め、彼女の人格まで否定する勝。そして、愉歌子に対する減点が3つまで加算された時、しつけという名の体罰が始まる。夫からの暴力に服従せざるを得ない愉歌子だったが…。
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同じ女性を好きになってしまった2人の男を描いたショートドラマ バッティングセンターを舞台に気まずい関係に陥ってしまった2人の男の姿を描いている。何ともいえない空気感の中で繰り広げられる滑稽なやり取りに思わず笑ってしまう。 会社帰り、バッティングセンターで憂さ晴らしをする同僚の井上と坂下。そんななか、2人の同僚でもある女性社員・谷口と結婚することを井上は告白する。井上は坂下が谷口を好きだと知っていて、そんな彼女と結婚することに罪悪感を抱いていた。
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土曜日の午後。2人の教師と援交女子高生とその父、気まずい四者面談が始まる… 『泣く子はいねぇが』の新鋭・佐藤快磨監督による短編映画。青年団の永井秀樹やナイロン 100°Cの眼鏡太郎ら演劇畑の実力派が出演。後味の良いラストシーンが秀逸だ。 土曜日の午後。女子高生・亜美の援助交際が発覚。教師である佐々木と小林は亜美の自宅を訪れ、父・明広も同席する四者面談が始まる。教師に詰められるも挑発的な姿勢を崩さない亜美。頼りなさげな父は取り乱し、ついに亜美は家を飛びだして…。
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あの女性は俺に好意を持っているに違いない!そして男は暴走していく… 気になっている女性からの何気ないひと言が男を勘違いさせさせることはよくある話で、これは決して他人事ではない。突っ走る男を女が振り回す様子が、おかしくも痛々しい。 映像制作会社で働く拓海は、会社の同僚の葵のことがずっと好きなのだが、なかなか想いを伝えられないでいた。一方の葵は、拓也の仕事ぶりを少し頼りないと感じていた。ある徹夜明け、拓海と葵は同じ電車に乗り合わせる。2人は何気ない会話を続け…。
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かつて恋人同士だった2人の女性が再会し同じ時間を過ごそうとする一日を描いたドラマ 監督は映画のほか映像ディレクター、脚本家として活躍する加藤綾佳。『おんなのこきらい』で“かわいい”という名の毒を表現した監督が、女同士の切ないひと時を描く。 かつて同じ時間を一緒に過ごしていたあきとなつめ。ある日、結婚が決まったあきは、最後になつめに会うことにする。再会し、かつてのように2人きりの時間を楽しんでいたあきとなつめ。すると突然、あきはなつめにある提案を持ちかける…。
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男女の奇妙な動作が見えるあなたは、すでに呪われている!? サニーデイ・サービスのミュージックビデオなどを手掛ける川原康臣がメガホンを取っている。日常の異変を切り取った本作は、iPhoneで撮影する斬新な方法で作り上げた。 沼池さんの行く先々ではなぜか「男と女」が現れる。そして、沼池さんは、男女の奇妙な動作を目撃することに。なぜ、目の前でそんなことが起こっているのか、沼池さんは全く理解できない。一見普通に見える沼池さんだが、実は呪われているのだった。
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若い女の恋人を若い男に奪われた中年男を描いたドラマ 監督は『レトロの愛情』を代表作に持つ岡太地。年の差カップルと若い男の間で巻き起こる三角関係は緊迫感がありながらどこかシュール。予想外の展開はインパクト大。 年の離れたカップルのもとに、女を奪おうと若い男がやってきた。いい雰囲気でイチャつきだす女と若い男。それとは対照的に、女を奪われた中年男はイチャつく2人をただ黙って眺めるばかり。だが突然、中年男が2人に対して驚きの行動を起こす。
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お茶の先生の命日に巻き起こる、ある茶室の一幕を描いたドラマ 監督は『青天を衝け』など数々のドラマ制作に携わる副岡利武。侘び・寂びの世界で茶道をたしなむ人たちが、先生の命日に騒々しく巻き起こすドタバタ劇がユーモラス。 お茶の先生の命日に集まった3人の生徒たちを、先生のたった1人のばか息子が応対していた。だが、彼には自分に都合が悪くなると気絶するという特異体質があり、生徒を迎えたプレッシャーから気絶してしまう。さらには、生徒たちまでもめだしてしまい…。
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洗濯物が風で飛ばされたことから、関係が壊れていくカップルを描いたドラマ 『お城が見える』の小出豊監督が、ちょっとした勘違いとすれ違いから生じるカップルの破局を描いたショートストーリー。出演は『ナニカの断片』の高木公佑、照井健仁。 マンションで同棲生活を送るタクと西。2人は、ひょんなことからあるコトバが原因となり、ギクシャクしていた。そんななか、西は風に飛ばされた洗濯物を取りに部屋を出る。しかし、タクはそのことに気づかずに鍵をかけて外出してしまい…。
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母親を見送った葬式の日の夜。思い起こすのは、大切な記憶と感謝の念ばかり… 前触れもなく訪れた母親の死。現実を受け入れられない息子の、思い出をリフレインするごとにその死を受け入れていく姿が胸をつく。感謝の気持ちにたどりつく展開も感動的。 母親が急に亡くなった。つつがなく葬式を終えた准は、兄である紘一の車で自宅へと帰ってくる。彼は東京のワンルームで母を想う。頭に浮かんでくるのは、真夜中の煙草、テレビ、贈り物…。断片的なものばかりだけれど、どれも大切な記憶だった。
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監督不在の映画撮影クルー。切羽詰まった状況で、助監督がひねり出した答えとは… 撮影が始まろうというのにドタバタが勃発。スタッフたちが助監督に身勝手な要求をつきつけ、助監督が場当たり的に対応していくなか、ありえない事態に陥ってしまう。 映画を撮影すべく、その日の朝、スタッフとキャストがロケ地に集まってきた。だがいつまでたっても監督が姿を見せない。いら立つ空気のなか、出演女優がトイレに行きたいと言い出す。マネージャーが助監督にトイレの場所を訪ねてそこへ行ってみるが…。
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愛は、なぜいつも逃げ去っていくのか。3人の男女が三者三様の愛を語りあう短編映画 まるで演劇のような画面作り、芝居がかったせりふ、思い切ったカット割りが不思議な緩急を見せる。それぞれの主張をくみ取りながら、互いの関係性を連想するのも面白い。 3人の男女が愛について討論をする。男嫌いと噂されるが、同性への愛も否定する女。同性を愛することで自らの存在意義を見いだす女。愛の言葉をささやき、女にすがり、女を救おうとする男。それぞれが思う愛について、どうにか言葉を紡ぎ、形にしようとする。
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『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督が日常に現れる“ナニカ”を描いた短編映画 上田慎一郎監督が「バウムちゃんねる映画祭SEASON1」上映作品として製作した短編オムニバス。日常生活の中で、突如として現れる奇妙な出来事に不思議と惹きつけられる。 日常生活の中で「アレは一体何だったんだろう…?」と思わせる不確かな“ナニカ”が描かれる。謎のサングラス集団を描いた「サングラス」、不思議なカップルの喧嘩を映し出す「炊飯器」、サラリーマンの気になる会話劇「ガゼルがパインツ」の3編を収録。
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脇役の脇役による、脇役のための映画。果たしてこの映画、完成するのか?2017年にテレビ東京系列の深夜枠で放送された、大人気連続ドラマ『バイプレイヤーズ〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜』が映画化。連続ドラマで主演をつとめた田口トモロヲ、松重豊、光石研、遠藤憲一ら“元祖バイプレイヤーズ”が、今作でもゆるゆると大活躍。濱田岳、柄本時生、菜々緒ら若手も含め、総勢100名の名脇役たちが、本人役で出演する。富士山麓にある映画撮影所「バイプレウッド撮影所」。多くの俳優たちが集い、各局の連続ドラマの撮影終盤を迎えていた。『小さいおじさん』という連続ドラマを撮影中の、田口トモロヲ(田口トモロヲ)、松重豊(松重豊)、光石研(光石研)の3人。撮影所の看板犬・風の不在に気づいた共演の有村架純(有村架純)に、その経緯を説明する。濱田岳(濱田岳)が監督、柄本時生(柄本時生)、菜々緒(菜々緒)、高杉真宙(高杉真宙)、芳根京子(芳根京子)がスタッフ兼役者をつとめる自主製作映画『月のない夜の銀河鉄道』。子犬が主人公、100人の役者がSLに乗っているシーンがラストという、壮大なストーリーだったが、子犬は逃げ出し、撮影所のSLセットが使えなくなるなど、前途多難だった。果たして5人は、映画を無事に完成させられるのか?
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愛情に飢えるが故に切実に生きざるを得なかった、ある男の受難 主演・廣末哲万の迫力の演技は必見。周囲と自身の問題の間に存在する隔絶やずれにいら立ち、迷いや不安を重ねていく主人公の変化に不穏さを感じずにいられない。 都会で生きることに見切りをつけ、実家に帰ってきた小島。新たな自分の生きる道を模索するも、答えはなかなか見つからない。その不満は自分を理解しない母親に向けられるようになった。そして外の世界との接触を遮断し、自己の殻にこもり始めるのだが…。
檀れいVS国仲涼子!2大女優が激突する壮絶嫉妬バトルが勃発! 1971年の傑作サスペンス映画を大胆なアレンジを加えてドラマ化。愛人に夫を奪われた妻と、夫と心中した末に生き残った愛人が、女のプライドを懸けた心理戦を繰り広げる。 野口姿津花は広告代理店に勤める夫・高史と結婚10年目の主婦。小さなすれ違いはあるものの、ささやかな幸せを守ることだけを考えて暮らしてきた。ところがある日、大阪に出張しているはずの高史が箱根の旅館で死亡したという知らせが入り…。
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明治、大正、昭和と、日本の近代化を推し進めた2人の男の志をたどる 時代を超えて富を継承し、その時代の発展に貢献し、社会へ還元するため尽力した三井八郎右衞門高棟と団琢磨。日本を思いやる志が大事業の成功へと導いた彼らの足跡を追う。 三井総領家第十三代当主・三井八郎右衛門高棟と彼を支えた団琢磨は、次々と大事業を成功させ、利益は惜しみなく国への献金や慈善事業に注ぎ、貧しい患者からは治療費を取らない三井慈善病院をも開院させた。だがそれは、不況が命を狙う過激な思想集団を生む。
性同一性障害に悩む高校生が、未来へ向け、自分の道を切り開いていくドラマ 監督の飯塚花笑がセクシャルマイノリティの現実に真正面から向きあった自伝ともいえるデビュー作。PFFアワード2011で審査員特別賞をはじめ、海外でも高評価を獲得。 性同一性障害の高校生・優。男として生きられないことに苦しむ優にとって、思いを寄せる真澄との手紙のやり取りは救いだった。だが、それをクラスメイトに読まれてしまう。嫌がらせを受けるようになった優は、女の自分を恨みながらも現実に向きあおうとする。
高校生の夏。ふとした思いつきが、取り返しのつかない事態を招いてしまう… 永野義弘監督が神戸芸術工科大学の卒業制作として撮影した作品。不穏な熱気が作中を冒し、登場人物たちを思わぬ行動にかき立てていく展開は緊張感たっぷりで目が離せない。 晃とカズは福岡県の高校2年生。口には出さないが、晃にとって不良性を持つカズは憧れの存在だった。カズには敵わないと思う晃は、自分より見劣りする存在を仲間に入れようとして、立花に目をつける。だが立花はストーカーでひったくりという危険人物だった。
友達以上恋人未満のような関係の高校生を描いた青春ラブストーリー 高校生の男女に流れる微妙で繊細な空気の描写、少しずつ近づく2人の距離など、勝又悠監督の計算し尽くされた演出がさえ渡る。前川桃子、宮野光輝の初々しい演技にも注目。 高校生のアズキと林。アズキは林に想いを寄せるが、林は彼女の想いに“気がつかないふり”をすることで、2人の微妙な関係は成立している。ある日、2人は学校をさぼって海を見にいく。覚悟を決めたアズキは林に告白する。林の反応はいつもの通りだったが…。
常軌を逸した女の復讐劇。だがその狂気の行動が、やがてブラックな笑いへと転化する 復讐に捕らわれた女性の行動は、実際に起こったらと想像すると身震いする。その一方で、視野狭窄故の滑稽さと、予想外の展開が呼び込む結末に笑いが込み上げてくる。 自殺した弟のために復讐しようとする女。弟が想いを寄せていた女とその交際相手の仲をこじらせるため、彼女は窃盗、器物破損。手紙偽造など、常軌を逸した行動を取る。今日も彼女は郵便局員のバイクを待ち、ポストやバイクの荷台から手紙を奪うのだが…。
気鋭の女性監督・天野千尋が手掛け、PFF入選を果たした中編ドラマ ネガティブな環境で育った女性が、自分を変えようと一歩を踏み出す姿を映し出す。母と娘の関係性を、女性ならではの洞察が光る見事な切り口で描いた作品だ。 左胸に人には言えない大きなあざがある女性・道子。彼女の母はそれを不幸の象徴だと考えていた。そんな母のネガティブな考えのもと育った道子は、女の子としての普通の幸せを手に入れるため、母親、コンプレックス、そして自分の血と向きあう。
世界の片隅でひっそりと湧いた、日常を少しだけ狂わせて、過ぎ去っていくだけの恋 庭月野議啓監督による、イチゴジャムのなまめかしい深紅の艶と女子大生の官能的妄想が甘くねっとり絡みあう描写は秀逸。ヒロインを務めた大木望の妄想ぶりにも注目。 ひとり暮らしの学生・枝里子の日課は、実家から届くイチゴでジャムを作ること。ある日、クラスメイトの遠藤にジャムをお裾分けした枝里子は、ジャムを指ですくって舐める遠藤の仕草に、ある種の衝動を覚える。以来、イチゴジャムは特別な感情に結びつき…。
不器用に生きる人々の絆と喪失、そして希望を描いたドラマ 東京造形大学絵画科に在学していた阿部綾織監督と高橋那月監督による共作。絶望のはざまに光を見いだすヒロインの強さが神々しい。PFFアワード2010審査員特別賞受賞。 友人の家に転がり込み、東京での生活を始めたハルヲ。雀荘「萩」で働くことになった彼女は、萩のオーナーで元カメラマンのマグチと出会う。マグチは重度の視覚障害を持っていた。ある日、マグチの愛人・アサコが現れ、ハルヲはその美しさに目を奪われる。
何をやっても駄目な青年が変化していく姿を描いたドラマ 不器用で独善的で嫌悪感をあおる強烈なキャラクターの主人公役を務める益田信弥の演技が好評。プライドだけは高い青年が成長できるのか、その行く末に注目だ。 就活のために上京し、寿司屋でアルバイトをしている山田君。電話番もできないくらい仕事ができないくせに無駄に自意識が高い彼は、OLの涼子に恋していた。田舎出身でサラリーマンに憧れる山田君は、そのコンプレックスから他者を攻撃し…。