【エヴァンゲリヲン】「渚カヲル」物語の鍵となるキャラクターの素顔とは？その目的は？正体は？

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『ヱヴァンゲリヲン』シリーズの中でも最重要キャラクターの1人と言っていい少年・渚カヲル。感情の読めない表情や、ミステリアスな言動、そして他者をまるごと包み込んでしまうような底の深さは、テレビ放送当時から多くのファンを魅了し続けています。後世に「カヲル系」という言葉も残してしまうほどのムーブメントを起こした彼の正体に、ネタバレ覚悟で迫ってみたいと思います。

渚カヲルってどんなキャラ？まずは基本設定をおさらい！
渚カヲルの目的はテレビ版と新劇場版でどう違う？
渚カヲルと碇シンジ切っても切れない２人の少年の物語
渚カヲルの声優は石田彰さん！
渚カヲルの最期『シン・ヱヴァンゲリヲン劇場版:Ⅱ』での活躍はある？

渚カヲルってどんなキャラ？まずは基本設定をおさらい！

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渚カヲルはテレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』および『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズに登場するキャラクターです。

公式設定での生年月日は2000年9月13日。作中の大災害「セカンドインパクト」と同日に生まれたことになっています。主人公の碇シンジが2001年生まれなので、1歳年長者ということになりますね。

白い髪に白い肌。赤い瞳。常に安らかな笑みをたたえ、どこか浮世離れした歳不相応な佇まいが何よりも特徴的。

登場はテレビアニメ版と新劇場版とで大きく変わり、テレビ版ではフィフスチルドレン(５人目のEVA適合者)としてNERVにやってくるのが初登場。新劇場版では月面の棺から目覚めるという意味深な登場を果たします。

その正体は「使徒」

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その正体は作中で敵性生命体と目されている「使徒」の1体で、第1使徒「アダム」の魂を持った存在です。立場や目的こそ違っても、それはテレビ版も新劇場版も同一のものとなっています。だからこそ再登場となった新劇場版では、はじめから人間離れした登場の演出になっているんですね。

渚カヲルは常に絶世の美少年として描かれていて、公式の説明ではしばしば「ぞっとするような美貌」と表現されることもあるほど。正体が使徒であるからこそ、徹底して人間離れした存在として描かれているのが分かります。

渚カヲルの目的はテレビ版と新劇場版でどう違う？

渚カヲルはテレビアニメ版と劇場版とで大きく役割が異なります。しかし作中ではしばしば同一人物であるように描かれていることもあり、おそらくは使徒として人間の世界の枠から外れた存在であるようです。

つまり最新作であるところの新劇場版の渚カヲルは、少なくともテレビ版の物語を経験した存在であり、同時に数多の同様のパラレル世界を経験している存在とされているのです。

その結果として自覚した「自分のやるべきこと」が、新劇場版におけるカヲルの行動を支えています。

テレビ版の渚カヲル

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テレビ版における渚カヲルの登場は、なんと第24話の1回のみ。その後『旧劇場版』に登場こそするものの、現在の人気はこのたった1話で紡いだものと考えるとすさまじいですね。

アスカの離脱により補充パイロットしてやってきたカヲルは、シンジのパートナーとして弐号機を任されます。もともとはゼーレが主導する人類補完計画の遂行のために送り込まれた存在でしたが、自分か人類か、生き残るのはどちらか一方だけだと悟ったカヲルは、親友であるシンジに殺されるという未来を選びました。

実はそれこそが人類補完計画のシナリオだったのですが、それを知った上でも死を選ぶカヲルの慈愛が感じられます。

新劇場版の渚カヲル

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テレビアニメ版や旧劇場版を経験したカヲルは、どんな未来を迎えてもシンジが不幸になる結末が来ることを悟ります。そこでゼーレに関係なく、自ら使命を持って行動を始めたのが『新劇場版』における渚カヲルです。

本格的な登場は『破』のラストから。第10使徒との戦いの中でサードインパクトを引き起こしそうになったシンジを救うため、月面で製造されていた「エヴァンゲリオンMark.06」を駆って劇的な登場を果たしました。

その後は『Q』の中で、再びNERVの一員としてシンジのパートナーに。今度こそシンジも人類も救う道を模索しますが、結果としてシンジの肩代わりになって装着した首輪爆弾で自分が犠牲になってしまうという、テレビ版と同様の未来を歩むことになりました。

渚カヲルと碇シンジ切っても切れない２人の少年の物語

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テレビ版でも旧劇場版でも新劇場版でも、物語が結末へ向かう直前には必ず渚カヲルと碇シンジの出会いと別れが描かれています。これは『エヴァンゲリオン』という作品そのものが、2人の少年の出会いと選択、そして別れを描いたものであると言い切ってしまっても良いのかもしれません。

シンジがカヲルと出会うまでの使徒との戦いは「大人の言う通りに戦ってきた」ものではありますが、2人が親友を越えた絆で結ばれることによりはじめて「自分たちの選択」で決着を迎えます。その選択が人類の未来を大きく左右するのです。

こういったストーリー展開は後に「セカイ系」や「ポストエヴァンゲリオン」と呼ばれ、『涼宮ハルヒの憂鬱』や、同じロボットアニメとして『交響詩篇エウレカセブン』などの作品に引き継がれていくことになりました。

渚カヲルの声優は石田彰さん！

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さて、そんな渚カヲルですがテレビ版当時から変わらずこの役を演じているのが声優の石田彰さんです。

今や男性声優界の大御所でもある石田さんは、この渚カヲル役に関して庵野監督の絶対の信頼を受けている様子が公式のインタビューなどから感じ取れます。『新劇場版』シリーズに関しても渚カヲルの役割や真相は石田さんのみに語られているそうで、そのことがカヲルのキャラクターによりリアルなミステリアスさを生んでいるのでしょう。

後世に「カヲル系」という言葉を残した一大ムーブメント

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渚カヲルはその絶大な人気と共に、独特な雰囲気と作中での立ち位置から、後世に登場する様々なキャラクター造形に影響を与えています。

特に他の登場人物から一歩引いて、物語の裏事情の全てに通じているような空気を放つ、どこか浮世離れした存在を総じて「カヲル系」と呼ぶような文化まで生んだほどでした。

そういった「カヲル系」キャラクターの声を石田さんが担当することも多いそう。設定だけに限らず、石田さんの全てを包み込むようなマイルドであたたかな声もまた人気の秘訣なのかもしれません。

渚カヲルの最期『シン・ヱヴァンゲリヲン劇場版:Ⅱ』での活躍はある？

渚カヲルは『新劇場版：Q』において、首輪爆弾の犠牲になって死亡しています。これはもともとシンジの首につけられていたもので、エヴァンゲリオンが覚醒してしまった場合に、戒めとして爆発するよう設定されているものでした。

シンジに立ち上がってもらうため、自己犠牲として首輪を肩代わりしたカヲル。結果、シンジはエヴァンゲリオンを覚醒させてしまい、首輪は爆発してしまいます。シンジの行動がカヲルを殺してしまったというのは、テレビ版と同じ結末を歩んでいます。

テレビ版では、カヲルは死後復活することはなく、シンジの空想の中でのみ登場していきます。もしこれが踏襲されていくのだとしたら、『新劇場版』でのカヲルの本格的な出番は『Q』をもって終了となってしまいますね。

『シン・ヱヴァンゲリヲン』で復活の可能性は？

それでは次回作『シン・ヱヴァンゲリヲン』でのカヲルの登場は絶望的なのでしょうか？

決してそうとは言い切れません。先述の通り、この作品が「シンジとカヲルのセカイ系」作品であるとしたら、同じ結末を歩んでいる現在の物語は不幸な未来が確定していることになります。

しかし、もしも完結編として『シン・ヱヴァ』でシンジが救われる未来が待っているのだとしたら、そこにはカヲルの存在と選択が必要不可欠になってくるはずです。

――そんな顔をしないで。また会えるよ、シンジ君。

『Q』でカヲルが最期に語った言葉が、真実になることもあるかもしれませんね。