VODとは？サービス内容や歴史を解説！(ビデオオンデマンド/ビデオ・オン・デマンド)

VODサービス(ビデオオンデマンド)とは？

HuluやU-NEXT、dTV、TSUTAYA TVに代表されるように、PCやスマートフォン・テレビを使って動画を配信するサービスを「VOD/ビデオオンデマンド」と言います。映画・ドラマ・アニメなど、自分が好きな作品を自分が好きなタイミングと場所で見ることができます。

デジタルレンタルとも呼ばれ、「オンラインのレンタルビデオショップ」のような位置づけです。

ひとことで「ビデオオンデマンド」や「VODサービス」といっても、料金体系ごとにさらに細かく分類されています。以下、簡単にその違いをまとめてみます。

AVOD(広告型)	広告が入るかわりに、無料で動画が視聴できるシステム。アドバタイジング・ビデオ・オン・デマンドの略。
SVOD(定額)	毎月定額料金を支払えば好きなだけ動画が視聴できるシステム。サブスクリプション・ビデオ・オン・デマンドの略。
PPV(都度課金)	作品ごとに、その都度課金するシステム。ペイ・パー・ビューの略。	EST(買い切り型)	見たい動画コンテンツを買い取ること。視聴期間の制限はない。エレクトリック・セル・スルーの略。
PPV(都度課金)	作品ごとに、その都度課金するシステム。ペイ・パー・ビューの略。	TVOD(レンタル型)	レンタルのため、視聴できる期間が決まっている。トランザクショナル・ビデオ・オン・デマンドの略。

市場全体の約7割を占めているのが「SVOD」ですが、SVOD(定額動画配信の見放題)を基本としていながらも、コンテンツによっては「PPV」(都度課金)となるVODサービスも中には存在します。

ビデオ・オン・デマンドの2017年の市場規模は、2016年から12.2%増の1829億円、2022年には2594億円まで拡大すると予測されています。(GEM Standard調べ)

通信速度の向上とiPhoneの普及とともに成長〜VODの歴史年表〜

VODの変遷を主なサービスの始まりとともに見ていきます。

1990年頃

・TSUTAYA(ツタヤ)やGEO(ゲオ)などのレンタルショップの市場ピーク

その後、インターネットの普及により、「オンラインでのDVDレンタル」や「DVDのECサイト」などの利用が主流に。

1990年代初頭

・映像をデジタル化するためのMPEG規格が実用化

世界各地で研究が始まる。

1996年

・京王プラザホテルが都内初の客室デジタルVODサービスを開始

2000年

・通信技術であるADSLが一般家庭に普及し始めたことにより通信速度が向上

動画配信を行う企業が増えていった。

2002年

楽天とUSENの共同運営により「Show Time」の運営を開始

2003年

・宇多田ヒカルのライブイベントのストリーミング配信で100万ダウンロードを達成
・Yahoo！Japanが「Yahoo！動画」を開始

2005年

・USENブロードネットワークスが「GYAO!」を開設。広告収入によって無料で配信するという新たなモデルを採用
・フジテレビが自社制作の番組を配信する「フジテレビ On Demand(現・FOD)」をスタート。民放キー局としては最速

2005〜2006年

・通信速度がさらに向上。ADSLからFTTHへ

高速・大容量の通信網の整備

2007年

・インターネット接続機能を搭載したデジタルテレビ向け動画配信「アクトビラ」のサービス開始
・放送法の一部改正(NHKの動画配信事業が認可される)

2008年

・iPhone3G発売
・Play Station(R) 3でアニメ作品の配信開始
・NHKが「NHKオンデマンド」を開始

PCだけではなく、スマートフォンにも対応したサービスを展開していく。

2010年

・iPod向けコンテンツ配信サービス「iTunes Store」で映画作品の配信を国内で開始

2011年

・「Hulu」日本上陸
・NTTドコモがdマーケット「VIDEOストアpowered by Bee TV(現・dTV)」を開始

2012年

・KDDIが「ビデオパス」を開始

2014年

・日本テレビが「Hulu」の日本事業を買収
・NTTぷららが「ひかりTV」における4K映像のVOD配信「ひかりTV 4K」を開始

2015年

・「Netflix」日本上陸
・Amazonが「Amazon Prime Video」を開始
・民放公式テレビポータル「TVer」を開始

日本におけるVOD元年と言われている

2016年

・サイバーエージェントとテレビ朝日が「AbemaTV」の共同運営を開始

2017年

・アパホテルが「おもてなしチャンネル」と題した日本商品を紹介する通販動画の配信を訪日外国人客向けに開始

参考：

村上篤道/三菱電機株式会社、MPEG開発物語～De-FactoとDe-Jure標準～より
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bplus/2010/13/2010_13_13_68/_pdf
株式会社日立製作所　平成8年6月10日付ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/9606/0610.html
株式会社NTTぷらら　2014年10月3日付プレスリリース
http://www.nttplala.com/news_releases/2014/10/20141003.html
森田秀一/インプレス総合研究所、動画配信ビジネス調査報告書2017

アダルトチャンネル利用から通販動画の配信まで、ビジネスマンや訪日外国人にまで広がるホテルのVODサービスとは

地上放送のデジタル化(地デジ化)以降、ホテルのVOD導入が進んできました。

かつて一般的だったビデオカードを購入して視聴する「有料チャンネルのペイテレビ」は、男性宿泊者を中心にニーズの高かったアダルト番組が視聴率を上げるために欠かせない存在の一つとなっていましたが、ホテル向け専用のVODサービスの提供事業社の登場により、ビジネスホテルチェーンに限らず多くの宿泊施設でVODシアターが導入されるようになりました。

しかし近年、個人契約している低価格のVODの利用率の増加に伴って、わざわざホテルの有料VODを利用する必要がなくなってきている現状もあり、ホテルインフォメーションや周辺情報の案内のほか、2017年には日本を訪れる外国人をターゲットにした通信販売コンテンツの動画配信をビジネスホテル大手のアパホテルが始めるなど、VOD+αのサービスで差別化を図ることが必要になってきています。

VOD(ビデオオンデマンド)付き宿泊プランがあるビジネスホテルまとめ

たとえば、東横イングループでは500円(税込)で200以上のコンテンツが楽しめるVODを導入しており、予約した宿泊プランに関係なく追加料金を支払えば利用することができます。

そんなホテルの有料付帯サービスとしてVODが利用される場合もあれば、あらかじめVODがセットになった宿泊プランの部屋を出しているホテルもあり、出張経費内で少しでもホテル滞在を充実させたいというビジネスマンのニーズに応えています。

【VOD付き宿泊プランがある東京都内のビジネスホテル一例】
※2018/11/30現在の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

京急 EXイン品川駅前	【出張応援】ビジネスマンのミカタ！ホテルシネマ見放題プラン！！★VODカード付き★	1名1室(食事なし) 1万800円〜
亀島川温泉　新川の湯ドーミーイン東京八丁堀	【映画見放題】VOD視聴無料プラン♪≪素泊り≫	1名1室(食事なし) 9590円〜
コンフォートホテル東京東日本橋	【VODフリー視聴OK】100ｃｈが見放題◆＜朝食＆コーヒー無料＞	1名1室(朝食サービス) 5900円〜
リッチモンドホテル東京水道橋	お部屋がルームシアターに早変わり！VOD見放題付きプラン♪○素泊まり○	1名1室(食事なし) 9000円〜
スーパーホテルＬｏｈａｓ池袋駅北口	■映画見放題VODプラン【最新ルームシアター見放題】	1名1室(朝食サービス) 1万500円〜

4K画質も楽しむならテレビで！VOD(ビデオオンデマンド)の視聴方法

VODはインターネット接続されているTVやPC、スマートフォン、タブレットなどがあれば視聴することができます。スマホやタブレットの場合は専用アプリのダウンロードが必要だったり、テレビの場合には専用機器との接続が必要だったりと、対応デバイスによって視聴方法は異なります。

自宅で大型テレビを使いルームシアターのように見たい場合は、画質にも気をつけたいところです。HD画質や4Kに対応しているVODを利用すれば、きれいな映像を楽しむことができます。

【自宅のテレビでVODを利用する方法】
TVとPCをHDMI接続する
PS4などのゲーム機を利用する
スマートTVを利用する
専用機器(セットトップボックス)を購入する

「amazon fire tv stick」や「Google Chromecast」という言葉に聞き馴染みがある人も多いのではないかと思います。最近では「スマートTVデバイス」とも呼ばれているセットトップボックス(STB)は、テレビのリモコンでチャンネルを変える感覚で手軽に使えて利便性はバツグンです。